過去の失敗した自分を許すこと。

 かなり前にセッションをしていた方の単発セッションがありました。前回のことを少し話していただければ、私はフィードバックシートやブログを書いているので、たいてい潜在意識から記憶を呼び寄せられます。すぐに思い出しました。

 今回は、自分の中の情熱みたいなものが薄れていて、これからこうなりたい、というのもないし、周りから見たら、自分は順風満帆そうだけれども、自分はそうは思えていないギャップ、葛藤など、この状態から抜け出すきっかけを得たいためにセッションとなりました。

 

 状況をお聴きしたあと、私が感じたことをフィードバックしました。

「自分が閉じている感じですけど、そうなってしまう出来事、何かありました?」

「過去のコミュニケーションで、自分も相手もお互いさまだけど、自分の悪いところも直さなくちゃいけないと思っている」という話が出てきて、クライアントさんも涙声になっていました。

 私はここで切り返しました。 

「今日のセッションでは、過去の出来事の捉え方を変えて、自分も相手も許すこと。さらに、今後の在り方についても考える時間にしましょう」

  そう言うと、クライアントさんも突破口が見つかったように感じたのか、先程よりも声も明るくなっていきました。 ここから過去の再構築をしていきました。今を生きられるようになるためには、まずは、過去のわだかまりをもう一度改めて見ていく必要があります。これが本当の自分探しだと、誰かが言っていて、なるほどと思いました。



「その出来事があって、自分の悪いところを直さなくちゃいけないと思ったわけですが、在り方はどう変わりましたか?」 

「いったん受け止めて、相手の話を聴くことができるようになりましたね」

 「以前と在り方が変わったんですね。改善できているじゃないですか。だから、後輩たちが相談にやってくるんだと思いますよ。それは事実ですよね」 

 「そうですね。それは事実ですね!」 

「でも、まだもう少し直したいところがあるのも、事実ですよね」

 「そうなんです。もう少し改善できればと思います。気を抜いたら、また何か起こってしまうんじゃないかと、それで遠慮気味になっているところもあります」

 「なるほど。そのために、謝るときの心得などを知っておくこといいかもしれませんね。というのも、お申込みいただいてから、何度かメールのやり取りがあって、やたらと謝る方だなと思いました。そこは本当に謝るところではないのに。自分が悪いと思っているから、とりあえず謝るという癖に今なってますよ。本当に謝るところはどこか? 考えること。安易に謝ると、どんどん自分を責めることになってしまいますからね」 

 クライアントさんは、無意識で気づいていなかったようです。そして、気づいてみれば、とりあえず謝った方がいい、というような状態になっていることに気付きました。それからコミュニケーションスキルについて、クライアントさんが必要そうなことを教えました。


  私もまったく同じような経験がありました。自分を責めたままになっていたことで、このブログも発信するのが怖くなり、何年か1記事を書くのに数時間がかかっていた時期が…。

 誰だって「自分が悪いんだ…」とずっと思っていては、感受性も鈍くなりますし、未来が描こうという気持ちにもなれません。クライアトさんは、45分のセッションで相当軽くなられたようでした。