やり方よりもエッセンスを掴もうとする。

 クライアアントさんは子育ての本を読んでいて、例えば子供が嫌いな食べものがあるときに、どうチャレンジさせるか?という方法を本どおりに試したそうです。

 その通りに素直に実践してみると、1,2回目はうまくいったようでした。しかし、3回目になってくると、子供もわかってきて、ふざけだし、機能しなくなってしまったそうです。
 そうすると、「どうしよう。他にもいい方法はないかな?」と、また別の本を買ったりして、本がいっぱい増えていくでしょう。多分そんな風になっている方は、少なくないと思います。

 ほかにいい方法はないかな?よりも、「なぜ、そのアイデアに至ったのか?」発想の源、エッセンスのほうを想像することが大事なことだからです。エッセンスを掴めるようになると、いろいろなところに応用できるのです。例えば、どこの会社に転職してもいい成果を出せるとか、そういう人はきっと独立しても成功するのです。やはり自己基盤です。 

 なぜ、その著者がそのアイデアを思いついたのか? クライアントさんは、ほかにもその本に書いてあったことを話してくださったとき、私はそのエッセンスに気づきました。「相手に寄り添って考えると、そのアイデアになったのではないでしょうか?」と。

 

 私は、姪たちと遊ぶとき、一緒になって遊ぶようにしています。しかも子供から「これをして遊びたい」に合わせるよりも、私が面白い遊びを考えるように意図的にしています。子供たちのインスピレーションソースになろうと思っています。だから、1D1U のサンデーミサも一緒にホスト側になってもらい参加させました。いろいろな大人がいるよということで、ママやおばあちゃんとは別の役割を自分なりに考えて演じています。

 

 最近試みたのは、ミュージカルごっこ。(笑)普通にしゃべるのではなくて、ミュージカル調に歌いながら会話するのです。掃除機をかけるときも、踊ったりします。まあ、ウケますよね、子供たちに。なぜ、子供たちはお母さんよりもピエロの言っていることに従うのか? と考えたことがあったからです。普段からこんなコミュニケーションをとると、相手のほうから「実は」と言いやすい気がします。実際に「これはママには内緒ね」とよく言われます。(笑)子供には大したことあるようで、実際は大したことのないことが多いですが!

 「相手に寄り添って考える」。毎日の傾聴の仕事はこれです。相手の立場に立って、そこから見える景色を共有する感じです。そうすると、相手の使っている言葉に合うように言葉や声のトーンをチューニングしてフィードバックすることができます。言葉だけでなくて、まるで音楽のように声の調子を変えることもノンバーバールなメッセージとして伝わります。

 「相手の立場になって考える」。多分クライアントさんがお読みになっている本は、そういう根本が底辺に流れているはずです。そこを掴むことで、イレギュラーなことがあっても、応用が効くはず。

 早速クライアントさんは、普段のちょっとしたやり取りから、観察する視点の変化、フィードバックする言葉の変化を体感されているご様子でした。