「ALL EARS」コミュニティのブログでは、校長として特別な指示を出すことはありませんでしたが、参加者たちはレッスン後の体験談を積極的に共有してくれるようになりました。これらの共有からは多くの洞察を得ることができ、私自身も第二のKindle本を執筆できそうなほどの豊かな内容を感じています。
来週のメルマガを英会話レッスンで扱い、英国人講師とディスカッションしたことで、私は一つの明確な気づきに至りました。
傾聴力を「習得する」というと、何か不足しているものを補うかのような印象を受けますが、実際には、傾聴力を磨くというのは余計なものを削ぎ落としていくプロセスであることです。
Lesson 1の後、参加者から受け取った2度目のご報告は特に興味深いものでした。意識的に聴くことを心がけた数日間で、その人の世界観が変わり始めたのです。
仕事上、非難されることへの恐怖から対話を避けていたこと、常に反論する言葉を探していた自分に気づきました。意識して聴くようになると、相手はより多くを語るようになりました。
また、傾聴する人とそうでない人の違いが明確になりました。傾聴しない人は、しばしば「忙しいから揉め事を持ち込むな」という態度の背後に、深い思いを隠しているように見えました。
自分が聴くことに苦痛を感じていたように、聴くことから逃れるのは、その背後に責任感を感じているからかもしれません。それに気づいた時、労いや感謝の言葉が重要だと理解しました。視点が変わり始めています。
私が尊敬する人々は、例外なく傾聴が上手であり、承認のスキルも高かったことに気づいていませんでした。わずか一週間で多くの変化を体験しました。
傾聴を避けるのは、根底にある恐れからだということです。きっと、多くの人が無意識のうちに傾聴から遠ざかっているのではないかと感じます。ですので、傾聴力を磨く必要性を感じる状況に遭遇しないと、困るほどではないのかもしれません。そして、自分の傾聴力の伸びしろに気づかないまま人生が終わるかもしれません。(笑)
その後のご報告から見えてきたことは、傾聴力の真髄を探求する過程は、単に聞く技術を習得すること以上のものであることが明らかになりました。それは、深く内省し、自身の余計な心の壁や先入観を削ぎ落とし、真の意味で他者の声に耳を傾ける能力を育む旅であると言えます。この旅は、私たちが自我を超え、真の共感と理解へと至るための、価値あるプロセスです。傾聴力を高めることは、相手だけでなく、自分自身の世界をも広げ、豊かにする旅なのです。
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