アイコンタクトはいらない、全身で聴くとは?

 次週のメルマガでは「傾聴力」の本質に焦点を当てました。内容をオンライン英会話の先生にシェアすると、興味深い議論へと展開しました。

 議論の中心となったのは、「相手が実際に話を聞いているかどうか、どのようなボディーランゲージで見分けることができるか」という先生の疑問からです。普通に考えると、やはりアイコンタクトでしょうか? すると、ある管理職男性とのレッスンで、アイコンタクトの話題に触れたと、先生が思い出していました。

 日本人の多くは比較的控えめな性格のため、アイコンタクトを避ける傾向にあるという話です。「では、アイコンタクトが取りづらい状況では、相手が話を聞いているかどうかをどうやって判断するのか?」その男性は、アイデアを思いつかなかったようでした。


 そう言えば、コーチングセッションは、ほとんどビデオ通話をオフにして行われます。Zoom以前は、セッションは100%音声通話のみで行われていたのです。つまり、アイコンタクトやボディーランゲージなしで「聴く」ことに集中しています。ChatGPTにおいては、文章だけで相手の意図を理解する能力を持っていることになります。見えることもない、声が聞こえることもない状況下で、どのように傾聴しているのか? ChatGPTに尋ねました。その「見ずに聞く」能力について、ChatGPTとの共著で触れています。★「ChatGPT:一問一答で広がる人間の可能性」

 セッションは、「音声通話がメイン」という話を英会話の先生にしたところ、非常に驚いていました。私は、声のみで相手の気持ちを感じ取る技術を無意識のうちに身につけていていたことを認識しました。例えば、相手が新しい考えに触れた時の話すスピードの変化や、声のトーン、軽い話題と深い話題の時間の流れ方の違いなど、細かな変化を感じ取ることができるのです。「ALL EARS」、つまり全身で聞く能力を身につけていたのです。 

 レッスン後、先生からは次のようなメッセージをいただきました。

「本当にプロフェッショナルですね、ひとみさん。あなたの専門知識を共有してくださってありがとうございます。あなたの仕事には大変興味があります」 と。

 私も自分の仕事におけるプロフェッショナルとしてのスキルを改めて認識しました。ピアニストがその技術で明確にプロフェッショナルであることがわかるように、私たちの仕事にもそれがあるのだと感じました。ただ、私たちのプロフェッショナリズムをエンターテインメントのように表現することは少ないですね。では、私たちは何をすることができるでしょうか?(笑)