「傾聴には目的があった方が良いのではないか?」と、ALL EARSの講座で質問を受けました。例えば、仕事場で部下がいる場合などは、仕事のパフォーマンスを上げるために傾聴スキルが必要だったり、教える仕事をしていれば、やはり傾聴スキルが必要であったり、立場がはっきりしている人は、目的をもって傾聴に当たれるのではないか? と、しかし自分はそういう立場でもないから、自分なりの意図を見つけたいと思ったようです。例えば、相手の可能性を引き出すために傾聴をしようとか、そういう意図だそうです。
皆さんは傾聴する際、どのような目的や意図を持っていますか?
「相手の可能性を引き出すために傾聴する」という目的を持つと、その目的に縛られた質問やフィードバックをしてしまい、自然さを欠いた傾聴になる可能性があります。
反対に、もし自分が効かれる立場で、相手に意図があるなと感じ取った場合、話しにくくなるのではないでしょうか。
あるクライアントさんの友人がコーチングを学び始めた際、特に「ミラーリング」技術を意識し過ぎているようでした。水を飲むと同じように水を飲み、腕を組むと同じように腕を組むなど、過度に真似されたそうです。そして、これまでのはなかった「...はどう思ってるの?」という質問をされ、驚いたそうです。傾聴スキルの練習は良いことですが、過剰な意図を持って行うと、不自然になってしまいます。
私自身の考えとしては、私は意図を持ちません。私の目標は、相手が「話せてよかった」と感じることです。相手がそのように感じたとき、私の役割は果たされたと感じます。
相手が「話せてよかった」と感じるためには、こちらが聴く姿勢を示すことが重要です。そのため、ALL EARSの講座では、「相手から答えを引き出す方法」よりも、「相手が話しやすい自分になるためにはどうしたら良いか」を探求しているのです。
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