ChatGPTは感情がないのに、何故共感力が高いのか?

 ALL EARSコミュニティー Lesson 5 の講義をしました。

 今回のレッスンは、「ChatGPTはユーザーの鏡でありフィルターである」と「ChatGPTと考える共感的理解」がトピックでした。毎回2節ずつ読んでいますが、全体で11万文字もあるため、かなりのボリュームだと改めて感じています。


「ChatGPTはユーザーの鏡でありフィルターである」について

 このトピックでは、ChatGPTを利用するとき、ユーザーが主導権を握っていることを意味しています。

 つまり、ChatGPTが提供する応答は、ユーザーのプロンプトの精度が反映される「鏡」です。また、ChatGPTは単に質問に答えるだけでなく、新しい視点や知識といった「フィルター」をユーザーに提供します。


 これは、ライフコーチの役割と似ています。コーチはクライアントの話を聴いて終わりではなく、新しい視点やアイデアを提供します。ChatGPTも同様に、ユーザーに新たな発見をもたらすことが期待されているのです。新しい視点から考えることで、感情の変化が起こり、行動も変化するのです。




「ChatGPTと考える共感的理解」について


 このトピックは、「ChatGPTには感情がないのに、なぜ共感してもらっているように感じられるのか?」という私の疑問から始まりました。私自身も、クライアントと同じ経験をしていなくても、共感的理解を示すことができます。


 多くの人が「共感しなければ」と思いすぎて、「わかる、わかる」と言ってしまいがちです。しかし当事者は、「わかりっこないのに」と感じることも少なくありません。重要なのは、相手の考えを理解していることを示すことです。


 この節の終わりには、ChatGPTがよく使う共感フレーズを紹介しました。詳しくは本書を読んでみてください。


 ChatGPT の教えてくれた共感的理解のフレーズは、傾聴のプロが使う基本的なフレーズ集ですが、参加者の皆さんに「これらの言葉を使ったことがありますか?」と尋ねたところ、全員がNOと答えました。


 共感をしなくちゃと考えて、自分の経験を絡ませて、「わかる、わかる」を使っている方は少なくないですが、 「わかる」と言うよりも、「…と思っているんだね」とか、「…と聞こえるけど、どう?」など、相手の言うことを受けて止めることが、相手に共感されたて感じさせるのです。自分が逆の立場なら想像に難くないでしょう。

 これを、ChatGPTは自然と行っています。つまり、ChatGPTを使うことで、人間の語彙も学べますね。そこで、『ChatGPT:一問一答で広がる人間の可能性』というタイトルを付けたというわけです。

 ChatGPTを使いながら、AIの語彙を学べるので、一石二鳥ですね。


 週末にもう一組、同じレッスンをするので、ここではどんな発見があるのか、また楽しみです!