継続できる人が、目標を周りに宣言しない理由。

 2016年から始まり、今は季節に一度の恒例となった大阪での定期的な出張。この何年かは、グループセッションの形で開催しています。その舞台となるのは、とあるホテル内のカフェ。ここには、心地よい空間が広がり、毎回訪れるたびに癒されます。

 1階のカフェには、丁寧に育てられた大きな観葉植物が並び、形の違う木の椅子やソファーが並ぶCozyな雰囲気が漂っています。一方、2階にはキッチンスペースがあり、ソファや大きな窓に面したカウンターテーブルが配置されていて、そこだけで十分に滞在を楽しめる空間となっています。

 グループセッションは、12:30~開始のため、ランチをこちらのカフェで頂いてから、2階へと上がります。

 そして、私たちがいつも利用するのは、その2階にあるガラス張りのミーティングルーム。天井から吊り下げられたライトとシンプルなインテリアで、集中力を高めながらもリラックスして話し合える場です。クリエイティブな空間で、参加者たちがそれぞれのアイデアや思いを共有する姿を見るたび、この場所が持つ特別な魅力を感じます。

 皆さんからのお菓子の差し入れと、私の用意したクリスマスカラーの赤いネットに入ったセミナーグッズです。中には、シャープペン、ノート、お菓子&ノベルティが入っています。ノベルティは、前回から私がデザインしたタオルハンカチをプレゼントしています。今回はカンディンスキーです。

「震える手は魔法の杖」と、大阪セミナーで生まれた名言入りです!


 「4ヶ月ぶりの近況報告」からスタートした今回のグループセッション。メンバーたちは、それぞれの出来事や日常生活での挑戦について語り合い、軽快なトークが繰り広げられました。7月から11月の間に起きた変化を振り返りながら、それぞれが気づきや経験を共有していました。

 その中で私は、最近の「1D1U(One Day, One Unit)」の効果についてもシェアしていきました。テーマは「意図と感謝の力」です。毎朝「今日の意図」を設定し、夜には「感謝すべきこと」を3つ振り返る習慣他を続けることで、参加者同士の意識がメトロノームのように同調していく様子が見られました。この意識の共有が、これまでには見られなかったような一体感を生み出しており、毎朝夜とコメント欄に意図や振り返りを書くことが、続けられているのです。

 さらに、「流れに身を任せる」と「意図して流れに身を任せる」の違いについてもシェアしました。一見すると、「意図する」ことにはコントロール感が伴いそうですが、実際にはそうではありません。辿り着く場所を無理に定めるのではなく、「こんな意図を込めて行動しています」という柔らかな感覚が大切なのです。

 話が進むうちに、「食事」にも人が持つ意図が関わっていることが浮かび上がりました。たとえば、健康改善のために食事を工夫している方が「これは良い、これは悪い」と選んでいるとき、そこには「食べたいものを食べたいときに食べられるようになる」という意図が隠されていることに気づいたのです。そのために、今はコンフォートゾーン(現状の心地よい範囲)を抜け出し、ストレッチゾーン(少し努力が必要な範囲)で良い食生活の習慣を身につける努力をする必要があると考えることができます。

 このように、「いい・悪い」というジャッジではなく、「未来をより良くするために今この選択をしている」という意図に変えることで、行動に対する意識が大きく変わります。その結果、少しずつコンフォートゾーンが広がり、より自由で豊かな選択肢が持てるようになるのではないでしょうか。この視点が、多くの場面で応用できる考え方として共有されました。


 健康促進のために「1日100回の縄跳び」を決めたり、3月には42.195キロのフルマラソンにエントリーされた方がいます。そのチャレンジ精神は素晴らしいですが、最近私が「スモールステップ」の大切さについてお話している視点から考えると、いきなり高い目標を設定する背景には、「できない自分を奮い立たせるために高いハードルを設定しなければならない」という潜在意識が隠れていることが多いのです。その結果、むしろ「できない」という現実が叶い続けてしまうことにもなりかねません。

 また、高い目標を周りの人に宣言することで、周りの人は「すごい!」と言ってくれるので、その承認の力も利用したいのかもしれません。でも中身が伴っていないときに、目標を言うことなんて、プレッシャー以外の何物でもありませんと、私なんかは思ってしまいます。(笑)逆に言うと、継続する人は目標を言わないで続けるのです。

 そして、スモールステップからはじめます。例えば、初めて縄跳びを習慣にする場合、「今日は縄跳びを持った!」(笑)というところからスタートすればいいのです。「今日は頭の中で縄跳びを飛ぶイメージをしてみよう」と続け、次に「今日は5回飛んでみよう」と小さな一歩ずつ積み重ねていく。そのようにスモールステップを意識することで、毎日達成感を得られ、少しずつコンフォートゾーン(自分にとって心地よい範囲)を広げることができます。

 私の周りでも、似たような話があります。やる気を出すために、いきなり分厚い参考書を買い揃えたのです。(笑)私は「まず1冊終えてから買いなさい」と忠告しましたが、最初に目標に見合う「形」だけを揃えてしまう人は少なくありません。この話をすると、縄跳び100回を目指している方も「わかります。そうして積読が増えていくんです」と共感していました。

 やる人は、わざわざ自分にプレッシャーをかけるようなやり方をしません。(笑)スモールステップで、意図を持ちながら少しずつ続けていくのです。実はその方も、何年も前からフルマラソン完走を目標にしていましたが、ジョギングが習慣化できず、本番にいきなり挑戦して挫折を繰り返してきたそうです。今度こそ、スモールステップのアプローチを活用して、フルマラソン完走を実現してほしいですね。

 大切なのは、プレッシャーをかけるような方法を手放すことです。本当に行動を続ける人には、そんなプレッシャーは必要ありません。むしろ、「プレッシャーがなくてもできる自分」を脳に信じ込ませることが大事です。そのためにスモールステップで「できる」を積み重ねていくことが、最終的に大きな成果に繋がる秘訣なのです。


続く…