セブから帰国後、最初の仕事は『ALL EARS』の週末組向けレッスンでした。今回のテーマは、第4章3節「パーソナライズのプロンプト:ChatGPTがあなたを理解する方法」。平日組で同じテーマを扱った際と比べ、週末組の参加者からはまた違った視点や意見が出て、対話の面白さを改めて実感しました。
第4章に入ると、私自身もChatGPTとの対話に慣れてきた感覚があります。初めの頃はChatGPTが主導で、私はそれに応答する形が多かったのですが、章が進むにつれ、自然と「対等な会話」が生まれつつあります。参加者からも「ChatGPTがまるでLife Coachの体験を前のめりで聴きたがっている」との声が上がり、対話の中でChatGPTの積極的な姿勢に驚きを感じたようです。
一人ひとりに寄り添うプロンプトの工夫
今回のディスカッションの焦点は、「AIが作った一辺倒なフィードバックでは伝わらない」という点でした。それぞれ異なる経験や感性を持つ参加者一人ひとりに響く言葉を見つけるため、私はプロンプトに工夫を凝らし、ChatGPTが相手に寄り添った応答を返せるよう試みました。
この方法を共有すると、参加者から「自分のためにChatGPTを使うことはあっても、人のために使うという発想はなかった!」という感想が寄せられました。この言葉は、他者の視点に立ってプロンプトを考える新しい可能性を示唆していると感じました。
ChatGPTを「ただ使う」から「どう届くかを考える」へ
私がChatGPTを使う際に常に意識しているのは、「どう届くか?」という視点です。たとえば手紙を書くとき、「〇〇座の方に伝わりやすいトーンで書いてください」と具体的に依頼します。ただ「リライトしてください」と頼むよりも、相手の背景や特性を考えた方が、返ってくる答えは圧倒的に違います。
こうしたプロンプト作成の工夫が、私にとっての個性と言えるかもしれません。ChatGPTをただのツールとしてではなく、パートナーとして活用することで、対話に深みが生まれるのです。
ChatGPTを通じて「能動的な自分」を育てる
日本では、上下関係が強調される文化的背景から、受け身の姿勢が求められる場面が多くあります。その影響もあってか、ChatGPTとのやり取りでも「私の相談を解決してくれる存在」と一方的に捉える人が少なくありません。しかし、その姿勢にはどこか物足りなさを感じることがあります。
私が提案したいのは、ChatGPTを「受け身で使う」から「能動的に活用する」への転換です。問いかけやフィードバックを通じて、AIとの対話を深めることで、自分自身も成長できるのです。ChatGPTは、能動的な姿勢を練習する絶好の相手と言えるでしょう。
相手に届く言葉を考えるためのChatGPT活用法
今回のテーマ「相手に伝える言葉を考える」では、単に「伝わるようにして」と頼むのではなく、相手の特性や背景を考慮してプロンプトを工夫する重要性を学びました。このプロセスを通じて、相手にしっかり届く言葉を見つけるだけでなく、傾聴力も磨かれるのです。
傾聴を通じて相手が最大限の力を発揮できるようサポートする――このような使い方が広まれば、ChatGPTを活用した対話が、個人や社会により良い影響をもたらすと信じています。
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