弱さを補うのか、強さを育てるのか――ChatGPTとの対話から気づいたこと

先日、長く1D1U Camp を継続してくださっているクライアントの方とのセッションがありました。月に一度の短いセッションですが、そのたびに、私とは全く異なる考え方や視点に触れさせてもらっています。

今回は、身体に不調が出ているというご相談がありました。

特に「首」に負担が出やすく、ストレスが溜まると耳が聞こえづらくなることもあるとのこと。

私は思わずこう返しました。

「それなら、首を鍛えてみるのはどうですか?」

その瞬間、少し驚いたような沈黙がありました。

「鍛える」という発想自体が、彼女にとっては新鮮だったのです。

不調があると、多くの人は“どうすれば症状を和らげられるか”“どうケアすれば少しでも楽になれるか”と考えます。

けれど私はどちらかというと、“何を鍛えればもっとラクに生きられるか”という視点で物事を見る癖があります。

メイクの話で言えば、丁寧に顔を洗うと肌のトーンが整って、結果として化粧も楽になる。

身体も同じで、少しずつでも“鍛えておく”ことで、全体が楽になると感じているのです。


セッションのあと、ふとChatGPTにも尋ねてみました。

「人は不調にどう向き合えばいいと思う?」

AIの返答はとてもバランスの取れたものでした。

「症状に寄り添いながら、環境や生活習慣を見直すことが大切です」と。

もちろん、それは正論です。けれどもどこか抽象的で、具体的な“私のスタンス”までは反映されていない気がしました。


AIが提示する情報はとても有用ですが、今の自分が置かれている文脈や価値観にぴったりと沿ってくるとは限りません。

だからこそ、私自身がどういう考え方をしているのか、

どんな選択を積み重ねてきたのか――

そういった“思考の軸”を丁寧に伝えることが、今、必要なのかもしれないと感じたのです。


AIが光を当ててくれる無数の選択肢の中から、どの道を選び、どんな歩き方をするのか。

その選び方こそが、私の提供できるセッションであり、対話の価値なのかもしれません。