その人に届く答えは、対話の中で生まれる

昨日の記事の続編です。

私が参加者の質問にどう対話をしながら答えていったのか? を構造で解説したものになります。

ウェビナーの最後に、こんな質問をいただきました。

「うまくいったことを見るのですか?

それとも、うまくいかなかったことも見ますか?」

一見すると、これは振り返りの方法についての質問です。


成功体験を見るのか。

失敗体験も見るのか。

どちらを振り返ればいいのか。


最初、私はこう答えました。

「うまくいったことも、うまくいかなかったことも、両方見てもいいかもしれませんね」

でも、そのあと相手の方がこう言いました。

「ネガティブになりがちなので、うまくいかなかったことばかりにフォーカスしそうです」

この一言で、私の中で見る場所が変わりました。


最初は、方法の話でした。

けれど、「ネガティブになりがち」という言葉が出た瞬間に、そこには別の構造が見えてきたのです。


本当のテーマは、

「うまくいったことを見るか、うまくいかなかったことを見るか」

ではなく、むしろ、

うまくいかなかったことを見ると、自分を責める方向に行きやすい

ということだったのです。


同じ「うまくいかなかったこと」でも、見方によってまったく意味が変わります。

自分を責める材料として見るのか。

次のための検証データとして見るのか。

私にとって、うまくいかなかったことは「失敗」ではなく、検証データです。

そんな見方もシェアしました。


たとえば、ウェビナーもそうです。

いつ告知したら、どれくらい届くのか。

このテーマだと、どんな反応があるのか。

この価格だと、どう受け取られるのか。

全部、実験です。


だから、思ったような結果にならなかったとしても、

「私はダメだ」にはなりません。

「こうしたら、こうなった」

というデータが増えただけです。


でも、もしその人が、うまくいかなかったことを見るたびに自分を責めてしまうなら、まずはうまくいったことだけを見てもいい。


また、うまく行かなかったことにフォーカスする習慣があるのなら、「それはデーター」という考え方を持てば、自分を責めることが減るかもしれない。


これは、正解を変えたというより、

相手に届く入口が変わったという感覚でした。


対話では、質問にそのまま答えるだけではありません。

相手の言葉の中で、どこにフックがあるのかを見る。


その人が何を見ているのかだけでなく、

それを何として見ているのかを見る。


今回で言えば、フックは

「ネガティブになりがち」

という一言でした。


そこを拾ったことで、

「両方見ましょう」

ではなく、

「うまくいったことだけを見てもいい」

「うまくいかなかったことも、失敗ではなくデータとして見ることができる」

という返しが生まれました。


これは、対話の技術です。

正しい答えを渡すことよりも、

その人が受け取れる場所に言葉を置くこと。


相手の話の中にあるフックを拾い、

その奥にある構造を見て、

届く形で返すこと。


私はウェビナーでも、講座でも、セッションでも、そこを大切にしています。


質問に答えているようで、

実はその人の見え方が少し変わる場所を探している。

対話とは、そういうものだと思っています。


🎊出版翌日、3部門 最新リリース1位 ありがとうございます。

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