人生にもプロンプトがある

2週間、Prompt Dojo 2.0という実験をしていました。

参加者の皆さんに、私が設計したMyGPT「ORION」を2週間使ってもらうというものです。


Prompt Dojoという名前なので、

最初は「良いプロンプトを書く練習をする場所」だと思われるかもしれません。

実際、AI活用の世界では、これまでずっとそういう話が中心でした。


どんなプロンプトを書けばいいのか。

どう聞けば良い答えが返ってくるのか。

どうすればもっと上手にAIを使えるのか。

私自身も、そういう時代を見てきました。


でも最近、少し違うことを考えるようになりました。


プロンプトより先にあるもの

AIは、投げかけた問いによって返ってくる答えが変わります。

それは事実です。

でも、同じAIを使っていても、人によって全然違う対話になることがあります。


なぜだろう。

そう考えているうちに、あることに気づきました。

人はそれぞれ、普段から同じような問いを人生に投げかけているのです。


例えば、

「なんで私はうまくいかなかったんだろう。」

という問い。


あるいは、

「どうしてあの人はあんなことをしたんだろう。」

という問い。


こうした問いが悪いわけではありません。

でも、意識は自然と過去へ向かいます。

原因を探します。

理由を探します。

説明を探します。


一方で、

「この経験は何につながっていくのだろう。」

「未来の私は、この出来事をどう振り返るだろう。」

という問いもあります。


すると、見える景色が変わります。

同じ出来事なのに、違う世界が現れます。


ORIONで行った実験

そこで私は、自分が普段使っているMyGPT「ORION」を参加者に使ってもらうことにしました。


ORIONは、答えを出すためのGPTではありません。

問いを深めるためのGPTです。

正解を探すよりも、

価値観を見る。

違和感を見る。

文脈を見る。

未来を見る。

そういう対話をするように設計しています。


私は普段、このORIONとの対話から記事を書いたり、本を書いたり、サービスを作ったりしています。

だから、ふと思ったのです。

もし、普段とは違う問いを持つGPTを使ったら、人の対話はどう変わるのだろう。


参加者に起きていたこと

結果は、とても興味深いものでした。

参加者の皆さんは、AIから答えをもらっていたわけではありませんでした。

むしろ逆でした。


AIとの対話を通して、

「私はなぜそこに反応したのだろう。」

「なぜこの言葉が気になったのだろう。」

「なぜこれはしっくりきて、これは違うのだろう。」

そんな問いが自然に生まれていました。


最初はAIを見ていた人が、

途中から自分を見始める。

そんな変化が起きていました。


人生にもプロンプトがある

そして私は、あることに気づきました。

人には、それぞれ人生のプロンプトがある。


無意識に持っている問いがあります。

家族から受け取った問い。

学校で身につけた問い。

社会から受け取った問い。

そして私たちは、その問いを通して世界を見ています。


AIに入力するプロンプトが答えを変えるように、

人生に投げかける問いもまた、見える世界を変えているのです。


やがて、自分がプロンプトになる

Prompt Dojoを通して見えてきたのは、

良いプロンプトを書くことよりも、

自分がどんなプロンプトで生きているのかに気づくことの方が大切だということでした。


最初は誰でも、

うまい聞き方を知りたがります。

正しいプロンプトを知りたがります。


でも対話を続けていると、

やがて見えてくるのは、自分自身です。


どんな問いを持っているのか。

どんな見方をしているのか。

どんな文脈で世界を見ているのか。

それが見えてきたとき、

AIとの対話は少し変わります。


プロンプトを工夫しなくても、

欲しい答えに近づいていく。

なぜなら、自分自身が文脈になっているからです。


だから私は今、こう考えています。

プロンプトを書くことと、

自分がプロンプトになることは違う。


そしてAI時代に起きている本当に面白い変化は、

後者なのかもしれません。


やがて、自分がプロンプトになる。


Prompt Dojo 2.0  Season 2 |7/6~始まります。

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