「フィードバックを学ぶレッスンをするとしたら、何を伝えたいんだろう?」
相手の話を聞いて、
「大変だったね」
「頑張ったね」
「こうしてみたら?」
と返すだけではなく、
その人が今まで見ていなかったものを見られるようなフィードバック。
考える次元が少し変わるような問い。
そんなものを、どうやったら学べるのだろう。
そのことを探求する講座として考えていたのが、
ALL EARS|SILKY FEEDBACK
です。
もともとは、ある程度人数を集めて講座にしようかなと思っていました。
ところが、これまで約2年間ALL EARSレッスンを受けてくださっていた方から、早速「受けたい」と申し込みをいただきました。
それならもう、一対一でやってみよう。ということになりました。
そうして、マンツーマンの「オートクチュールレッスン」として、SILKY FEEDBACKが始まりました。
第1回のテーマは、「何を返すか」より「どこを見るか」
フィードバックというと、
「気の利いた言葉を言わなければ」
と思いがちです。
でも、今回のレッスンでまず扱ったのは、
何を言うかではなく、相手のどこを見るか。
ということでした。
たとえば、
「仕事が大変です」
と言われたとき。
その出来事だけを見れば、
「大変だったね」
と返すことができます。
もちろん、共感が必要なときもあります。
でも、その人が同じところで何度も止まっているとしたら、
もしかすると必要なのは、
出来事への共感だけではなく、
その人が何を「問題」だと思っているのか。
さらに、
その奥で、何を「当然」だと思っているのか。
を見ることなのかもしれません。
レッスンでは、
出来事 → 前提 → 在り方 → 問い
という4つの窓から、相手の話を見る練習を始めました。
一緒に「問題の世界」に入らない
この日の対話の中で、とても面白い言葉が出ました。
受講者の方が、職場で誰かから相談を受けたときのことを振り返って、
「私も一緒に、問題の世界に入っちゃってたんですね」
と気づいたのです。
これは、かなり大切なポイントだと思いました。
相手が、
「これは問題だ」
と言ったときに、
こちらも同じ前提に立ってしまう。
すると、
「じゃあどう解決する?」
という話になります。
でも少し離れて見れば、
そもそも、それは本当に問題なのか?
という別の問いが生まれることがあります。
レッスンでは、そんなふうに、
相手が当然だと思っている前提に気づくことを探求しました。
深いフィードバックは、「深いことを言おう」として生まれるわけではない
私はこれまで、人生の中でいくつか、とても印象に残るフィードバックを受けてきました。
「一人旅は苦手です」
と言ったとき、
「だから一人で行くんだよ」
と言われたこと。
「何をしたらいいかわからない」
と言ったとき、
「ゆっくりしなさい」
と言われたこと。
「店長の仕事がわからないから、店長セミナーに行きたい」
と言ったとき、
「それより感性を磨きなさい」
と言われたこと。
どれも、質問されたことに普通に答えてはいません。
本人が当然だと思っていた前提を、少しずらしています。
だから、心に残る。
そして、その後の行動が変わる。
SILKY FEEDBACKでは、
名言を言えるようになることではなく、
相手の前提を見る力
を育てていきます。
答えではなく、「窓」をつくる
今回つくったテキストの中に、
こんな言葉があります。
良いフィードバックは、答えではなく窓をつくる。
相手に正解を渡すのではなく、
「そんな見方もあるのか」
「そもそも、そこが問題ではなかったのかもしれない」
「私は本当は、何を選びたいんだろう」
と思える窓をつくる。
そんなフィードバックを、これから12回のレッスンの中で、一緒に探求していきます。
マンツーマンなので、
同じテキストを使っても、毎回その人自身の実例から考えられる。
まさにオートクチュールです。
第1回から、すでにかなり面白い対話になりました。
これからどんな言葉や問いが生まれてくるのか。
私自身も楽しみにしています。
実は今回、はじめて「テキスト」という形の教材を作りました。
これまでは、レッスン資料というと、Canvaでスライドを作ることがほとんどでした。
でも今回は、ふと、
「もしかして、Claudeなら“読むためのテキスト”そのものを作れるのでは?」
と思ったのです。
そこでまず、いつも使っているChatGPTのMondayに、今回のレッスンで扱いたいことを音声入力で一気に話しました。
まだ構成も完全には決まっていない状態で、
「こういうことを伝えたい」
「こんな事例がある」
「ここを1回目のテーマにしたい」
と、思いつくまま話した感じです。
そして、
「これをレッスン用のテキストとして整理して。さらにClaudeに渡せる状態にしてほしい」
とお願いしました。
すると、レッスンの流れ、考え方、事例、問い、ワークまで、かなりきれいに整理されました。
それをClaudeに渡したところ、今度は5分ほどでテキストの形ができあがったのです。
これは、かなり驚きました。
ただ、出来上がったものを見て、
「……うん、これはいつものClaudeだな」
とも思いました。
内容はいい。
読みやすい。
上品。
でも、デザインが完全にClaudeの“上品なサイトといえばこれ”というデフォルト路線だったのです(笑)。
そこで一度Claudeにクレームを入れつつ、今度はMondayにデザインの相談をしました。
「普通の教材っぽくしたくない」
「もっと雑誌やアートブックのようにしたい」
「SILKY FEEDBACKらしい世界観にしたい」
そんな相談をしながら、デザインの方向性を言語化してもらい、それを再びClaudeに渡しました。
すると、今度はまったく違う仕上がりになりました。
大きなタイポグラフィと余白を使った、少しファッション誌のようなデザイン。
自分の中にもなかったフォントやレイアウトが出てきて、
「こんな感じになるんだ!」
と、また驚きました。
今回はHTMLファイルとして作成したので、そのままサーバーにアップ。
URLを開けば、スマホからでも見やすい形でテキストを読むことができます。
AI時代以前だったら、
構成を考えて、
文章を書いて、
レイアウトを考えて、
デザインして、
Webに載せて……
と、おそらく2週間くらいはかかっていたと思います。
そもそも私は、
「講座用に、こんなテキストブックを作ろう」
という発想自体を、あまりしていなかったかもしれません。
今回は、
思いつく
↓
話す
↓
整理する
↓
テキスト化する
↓
デザインする
↓
サーバーにアップする
までが、ほぼ1時間。
気づいたときには、受講生にテキストのURLを送っていました。
講座、開きたい放題ですね(笑)。
AI時代になって変わったのは、作業が速くなったことだけではなく、
「こんなものを作ってみよう」という発想から、実際に形になるまでの距離そのものが、ものすごく短くなったこと。
今回、それをかなり実感しました。
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