後回しにして、気が重くなり、また遅れるのをどうにかしたい。

 いろいろと仕事が立て込んでいて、先に返事を返さないといけないことを後回しに、ほかにも取り掛かってしまって、さらに遅れるようです。申し訳ないと思いながらも、申し訳ないから、また遅れてしまう。「やだなー。やだなー」とぐるぐるして、そんな時間がもったいないとわかっていながら、抜け出せないでいるようでした。

「で、結局やることになると思うんですけど、やるときって何がきかっけでやるんですか?」

「腹をくくるとか、催促されるからやる感じですね」

「腹をくくるって、とても重い感じですよね。つまり、やるときに軽い感じに思えばいいってことですよね」

「そうですね。重い感じがして、やだなーってなっていると思います。それが残っていることも、やだなーと思うので、どんどん遅れてしまいます。重いですね」

 ここで、クライアントさんの症状が明らかになりましたので、私は処方箋を出しました。(笑)

つまり、やっている感じがしない、楽な感じのときにやればいいですよ。電車の移動中とか、ランチの前までにやってしまおうとか、ついでな感じでやると、脳がついでだからくらいの軽さだと思って、楽にこなせるもんですよ。私なんか、Uber eatsが来るまでにやろう!とリミットを決めて、Uber eatsのお兄さんの自転車と競争しながらこなしたりしています。(笑)もはや、いつやったんだろう?くらいの軽さです」

「それいいですね。同僚とごはんに行くから、そのまえにやろう、とかそんな感じですね」

「あと、それって何かというと、ゴールの先のゴール設定をしているってことなんですよ。例えば、腹筋30回やりなさいと言われて、20回あたりは途中だから楽に感じるじゃないですか。しかし、20回やりなさいと言われてやると、20回目がとても苦しいんですよ。30回やりなさいと言われて、20回でいいよと言われたら、嬉しいですよね。それと同じ感じで、ゴール設定をダブルにすると、途中の通過点は楽に感じるんですよ。ダブルゴール設定をして、通過点にするといいですよ」

 いろいろなことをこなしていくには、脳にいかに楽と感じさせるかです。気持ちだけ辛いことも、出来るだけポーカーフェイスを貫くのです。「楽勝ですけど何か?」というサインを脳に送り続けることで、そのうち実際にも楽勝になっていって、最初よりもずいぶん楽に、時間もかからずに、出来ることが増えていくのです。

 私は、自分との闘いのときはポーカーフェイスですが、人との間では、偽りの自分で通せないタイプです。(笑)クライアントさんにそういうと、「私と逆ですね。私は人の顔色を気にして、人前では平気そうな顔をしていますが、会社の中では、自分のことをしているときに、お疲れ顔をしていると、よく人から言われます。軽い人は、逆ってことなんですね。(笑)」

 私と考え方が逆になっていることが多いので、60分のセッションは爆笑の連続です。クライアントさんの考え方がじわじわと変わってきて、キャラ変が進んでいるようです!