期待の斜め上をいく人たち、或いは想定外。

 「いつも期待以上のことを提供する自分になれば、人に期待しなくなる」と、先月メルマガに書きました。その心は、相手が期待しても想像できないレベルのことをするからです。それは、「期待」という言葉が辞書にない状態と言えそうです。

 

 いつものクライアントさんが、「相手への期待」、「自分への期待」を外す練習をしているそうです。すると、これまでの自分は相手の言葉に一喜一憂して、余計なエネルギーを注いでしまっていることもあるなと、気づかれたそうです。

 最近「期待以上」を試せる機会があり、生徒さんへの記念品選びの際に、「相手に期待されるもの」から、「自分が選びたいもの」へ、ベクトルを変えることができて、プレゼントの準備をニヤニヤしながら、楽しめたそうでした。

 また、相手への期待を手放してみたら、「相手はこうきたか」というだけになって、自分の意見も遠慮なく伝えることもできて、軽くなったそうです。そして、「自分を愛する」は、Love myselfではなく、Love yourselfなのだと、腑に落ちてきたようでした。

 期待を手放す感覚を掴めるようになってきて、その先こそが「期待以上を提供する」境地になれるのではないかと、思い始めたようです。そしてその境地は、何か違和感があったときに、すぐに修正できる視点を持っていたり、もっと高い視座から、物事を考えているのではないかと、感じたようでした。

 最近BIG BOSSの名言をリアルタイムで追っかけている私ですが、(笑)BIG BOSS曰く、「期待から、さらに2段階、3段階上のことまで考えている」と話していました。

 野村監督をしのぶ会で、野村監督の愛用していた、しかも新庄BIG BOSSがお薦めしたブランドであるベルサーチのスーツを、野村監督の息子さんに頼んで譲ってもらい、自分のサイズに5万円くらいかけてお直しして、しのぶ会に着ていったそうです。つまり、しのぶ会の準備が、ずいぶん前になされていたということになります。それまでベルサーチのお直しのことは誰にも言わず、ずっと、楽しんじょうになっていたのでしょうか!(笑)

 「お前だけは笑って見送ってくれ」と言われていたようですが、きっと笑っていたのは、天国の野村監督の方だったのではないかと、ふと想像してしまいました。

 

 松坂大輔投手の引退セレモニーでのイチロー氏のサプライズも、想定外でしたね。バックスクリーンに「許せ、大輔」と話すイチロー氏が映ったと思ったら、実際にグラウンドに花束を持って登場! 松坂大輔投手、号泣です。私も号泣してしまいました。

 

 阪神時代の寮生活で新庄BIG BOSSは、部屋がいつもきれいだったそうです。イチロー氏もBIG BOSSも、期待以上のことをする思考の人は、やはり自己基盤が整っていると言えるのではないかと思います。いつも自分のことが整理整頓されていれば、相手や世間に向けて、アイデアを考えるエネルギーと時間を注げるからです。だからこそ、人生そのものが、劇場になるのです。(笑)