Service in Life

 エリザベス女王の死去から、Netflixで『The Crown』を視聴しています。ただいまシーズン3に入ってきて、中年のエリザベス女王のエピソードに入ってきました。

 エリザベス女王の国葬で、「Service in Life」という言葉が耳に残り、奉仕する人生を送ってきた人は、どのように日々を過ごしていたのだろう?というところに興味を持ったので、ドラマを観始めたのです。

 首相との謁見がルーティンであり、歴代の首相がドラマの中にも出演しています。女王は、政治に口を出さない立場ですが、国と国との友好関係のためだったり、被災地へお見舞いに行ったりと、政府からお願いされて仕事を引き受けることもあったのだなと、はじめて知りました。

 エリザベス女王の妹のマーガレットは、はっきりと意見を言い、周りの人を楽しむトークもできて、でも感情的でもあり、エリザベス女王と正反対です。

 エリザベス女王は、悲惨な被災地へ行っても、涙も流しません、大好きなおばあさまが亡くなったときも、子供が生まれたときも、涙が流れなかったそうです。

 そのことについて、「私は何かおかしいのよ。なにかが欠けている。他にどう説明できる?」"I have never done a day’s manual work in my life,"と首相に相談するシーンが印象的でした。

 首相は、自分自身が上流階級出身なので、本当はAの方が好きだけど、一般に合わせるようにBにしたり、自分を変えているということをエリザベス女王にシェアします。そして以下のセリフを言いました。

「ありのままでは、国の顔にはなれない。リーダーを演じるのも仕事です。粛々と騒ぎを収めるのが我らの務め。陛下はよくやっていらっしゃいます。国家元首にとって感情の欠如は恩恵です。激しい感情など邪魔なだけ。それどころか、人間性も必要ない」。

"We can’t everything to everyone and still be true ourselves. We do what we have to do as leaders. That’s our job. Our job is to calm more crises than we create. That’s our job, and you do it very well indeed. And in a way, your absence of emotion is a blessing. No one needs hysteria from a head of state, And the truth is, we barely need humanity."


 10歳から女王になる運命が決まったエリザベス女王。まさに、神から役割を仰せつかったような方です。自分が感情が冷酷なのではないか?ということを心配していましたが、それも恩恵と受け入れること。

 どこまでも自我を消して、「Service in Life」に勤めている。それでいいのかと認められた瞬間、女王の目から一滴の涙が流れたのです。感動的なシーンでした。