いつもの習慣になっているフォーカスから、これから見たいものへフォーカスを変える。

 同じ業界内で転職を繰り返し、キャリアアップされてきたクライアントさんでしたが、評価をつけなくてはいけない仕事のため、そういうことが急にいやだなと、初めて思ったそうです。仕事も慣れ過ぎてきたことが、逆に居心地悪い感じもしているし、なんか転機になりそうな気がするとおっしゃっていました。一体、なぜそんなことを急に思ったのか? 考えていったのです。

 居心地よすぎて居心地悪い感じは、前から感じていたようです。じゃあ、もっと趣味の部分を発展させていく? とか、ちょっと違った角度の転職をする? とか、外側から考えてみたのですが、数年考えてみても、それではないことがわかってきたようでした。じゃあ、何をしたいの? と言っても、この日もまだ見えてきていない状況でした。

 職を変えるとか、趣味を新しく持つとか、旅をするとか、そういった外側のことではなく、内側にフォーカスすることです。今回出てきた違和感は、何か手がかりになりそうです。


「嫌になったのは、飽きた感じなんですか?」

「飽きたというよりも、判断しなくちゃいけない感じが、日常生活にもおよび、職業病になっているような。普段から人を判断する見方になってきてしまって。職業病について、ほかの人はどう考えているか知りたいですね」

「私の仕事は、可能性やいいところを見つけようとする職業なので、むしろいい職業病という感じですよ」

「そうか。私はジャッジに疲れているんでしょうね」

「まっさらになりたい、ってかんじですかね」

「そうです。色眼鏡をかけずに接したいですね」

「ジャッジするのが仕事ですからね。普段からもついジャッジしてしまうのではないですか?」

「そうなんです。コンビニの人まで○×をつけてしまいますね。そのことについて、職場の話題になってしまっているんです」

「それは、それは。大変そうです」

「受け流す力をつけたらいいのか?とか、疲れないにはどうしたらいいのか、考えてみたらいいんでしょうかね」

「んー。今は、どんな感じなんですか?」

「気づいて、はぁと思いますね。相手にフィードバックはしないですが。思って終わり、巡らせないことにすればいいのかな?」

「しかし、そうしようと思ったところで、やっぱりそこにフォーカスしていることは変わらないですからね。つまり、フォーカスごとかえるってことじゃないですか? もっと、ファンタジーな物を探してみようとか。昨日、友人の掌に羽が舞い落ちてきちゃいましたよ。天使の羽じゃないかって(笑)」

「そうか、フォーカスごと変えるか!そういえば、こうして、思考は現実になるを読んで、1円玉やパチンコ玉も見つけましたよ」

「えー。私は1円玉見つからなかったんですよね。パチンコ玉も見つかるとは!フォーカスすれば、見つける力はありそうですよね。じゃあ、何を見つけましょうかね?」

「みつからなさそうなものが、みつかったら嬉しいですね」

「じゃあ、『私がうれしくなるものが見つかる!』っていうアファメーションはどうでしょうか?」

「いいですね~。フォーカスが変わることで、全てが変わっていきそうな気がしますね!」

 以前の数回のセッションでも何をしたいか?について考えてはきましたが、「フォーカスごと変える」ことは、私の口から初めて出てきたフィードバックでした。クライアントさんが、「居心地よすぎることが居心地悪い」という違和感はおっしゃってましたが、今回は「嫌に思ったこと」から、見えてきた気がします。

 「人に○×をつける」職業病ともいえるフォーカスから、「自分が嬉しくなるもの」にフォーカスすることで、全てが変わっていきそうですね。

 私は銀座でスカイプをしていたので、セッションが終わってから、少し散歩をして、家に戻ってきました。
私の階でエレベーターを降りると、なんと「パチンコ玉」を見つけたのです! 1階で見かけるのなら、確率高そうですが、よりによって私の階のエレベーターホールのテーブルの上に1玉。(笑)また、神様のお力を見させていただきました。




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