自分が不都合なことをされたと感じたとき、相手を許す視点で考えてみる。

 「なんで? よりによってこんな目に?」 と思うような、運が悪いから引き寄せてしまったと思える出来事は、人生で起こることも少なくありません。これは、一体、何のために起きるのでしょうか? どう向き合うのでしょうか?


 4,5年前くらいから、セミナーや、単発セッションなどのご依頼を頂くクライアントさんから、どう考えていけばいいのか悩んでいるとのことで、メールをいただきました。

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今年に入ってからクレームが立て続けに起こり、
対応中のクレームが悪化をしたという報告の電話で今朝は目覚めました。
寝起きに泣けてきて最悪でしたが、いま冷静になりました。

私にコーチングは必要ないと言われました。
その人たちとは、もう会うこともないです。

これは、宇宙からの引き寄せですか?
また、私が望んでいる修行なのですか?
日頃の行いが悪いのか、祟りかとさえ思いました。

これは勉強、有難い経験とも思いますが、
なんで?よりによってこんな目に?との気持ちも大きいです。
どうしたら、どうなれば良いか、さっぱり分かりません。

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お返事を出しました。

上司からは、意見を押し付けられたのですね。
クレームでは、相手の求めに応じられなかったのかもしれませんね。
謝る機会になるのでしょうか。

つまり、自分はこうだと決めすぎて、
相手のことがよく見えなくなっているのかもしれないですね。
それができたら、自然と相手の幸せを願っていけそうですね。
相手の話を聞いて、ベストな解決策がみつかるといいですね。

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また返信がありました。

>相手の幸せを願う。
常識がこちらの感覚と違う人に対してそれは難しいです。
堀口さんはきっと出会うことのないであろうタイプだと思います。

ブログを読ませて頂いていて、堀口さんはセンスのあるひと、
上品なひと、特技や趣味を生かして楽しんでいる賢いひとたちに
囲まれているように思えます。

ボキャブラリーのないひとや自分の意見を押し通すひと、
見てみぬふりするひと、見下すひと…
私の働く場所は本当にメンタルに攻撃してきます。
なので、私は私が悪くないと訴えたいのかもしれません。

せっかく頑張ってきたつもりなのに、
後退しているようで、こころがやさぐれて辛いです。

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 メールを改めて振り返ってみると、私が最初に返信したメールは、私が、学びを得て出てきた考え方でした。
 その次に頂いたメールを読んだときに、私の周りは、いい人たちに囲まれているから、そんなことも起こらないのではないかと推測している様子が伝わってきました。
 確かに、私の周りの人たちは、とても思いやりのある人たちばかりです。しかし、これは、「結果」なのだと思います。

 そこで、2通目の返事は、私が相手の幸せを想像する力がなくて、引き起こしてしまったいくつかの出来事を書いてメールしました。その方に必要な考え方は、「受け容れる」を知ることが、まず先なのかなと感じたのです。


 私が未熟なあまり、絶縁になってしまった友達が何人もいます。20代の私でしたら、「あの人はああいう人だからしょうがないよね」「私はちゃんとやっているんだから」と自分の正しいと思う道を貫けばいいという考えでした。割り切ることで、別にストレスもないし、これでいいと思っていました。

 しかし、30代に入ると、まさにメールを下さったクライアントさんのように、立て続けに、辛いことが起きて来たのです。祟りかと思いました。今思えば、すべて向き合わずに、流してきたから、問題は繰り返されたのだと分かります。

 あるとき、流さずに「受け容れる」ことをメンターから教えてもらいました。

 自分が嫌な思いをしたことを、メンターにメールしたことがありました。同時に、相手をやな思いにさせてしまったかのようにも感じました。なので、懺悔する気持ちと、気持ちを理解して欲しかったのです。

 しかし、メンターの返事は、予想もしていなかったことが書いてありました。
「相手にありがとうとメールをしてください」と。

 自分が嫌な思いをした相手に、感謝するというのは、初めての経験でした。私は、相手に対してとにかく「怒り」がありましたので、相手のことを許すことから考えることになったのです。

 やがて、そのメールをしたことで見えてきたのは、相手が私のために時間をとってくれたということです。見えていなかったものが見えた瞬間でした。

 それからも、辛い出来事が色々起き、今度は最大の試練がやってきました。
 相手が、ものすごく怒っていたのです。私の失敗で、とにかく、謝ることしかないという状態でした。どこかで、私は悪くないと言いたい気持ちもありました。周りの人たちも、私のことは悪くないと言ってくれました。

 しかし、初めてそのとき、「自分が悪いとしたら何だろう?」と考えたのです。そんな受け容れ方は、人生で初めてのことでした。(それから、自分を責める癖がついてしまったようで、4年後、そのことに気づき、ようやく自分も許すことにしました)

 それから、ちゃんと向き合うようにしてきたら、自分が未熟な点をたくさん見つけました。相手のことを見ないで、自分はこうだ、とするところが沢山あって、それが、自分に欠けているところでした。大抵、それができなくて、いつも事件が起きていたことに、気づきました。

 恥ずかしいこと、泣きたいこと、怒鳴りたいこと、隠れてしまいたいこと、消したいこと・・・・色々体験することでいいのだと思っています。思いっきり悩んでしまっていいと思います。私の場合ですが、試練が来たなと思って取り組んできたのです。


 上記のような内容と苦しかった体験談を書いて、2回目のお返事を書きました。
そして、またお返事がきました。

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びっくりしました。
涙が止まらなくなりました。
たくさんの気持ちと向き合ったからこそ、いまがあるのですね。
涙はもう止めようとせずに向き合って明日からまた頑張ります。
本当にありがとうございます。

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 結局、自分の心の目を開かせるために、起こった出来事ばかりでした。体感としては、乗り越えようとするとき、大抵、体が固まり、体中が熱くなるので、自分のエゴが死んでいくのを体験していたのかもしれません。

 未だ、色々なことが起こりますが、どんな考えが必要なのだろうか? と考えることができるので、クリアするたびに自分の変化を感じています。そのたびに、周りからも「なんか、変わったね」と、言われるので、面白いです。

 「受け容れること」は、どうしても辛いこともたくさんあります。受け容れられないものを受け入れる力というのは、本当の強さのような気がします。人生で起きる色々な出来事を鏡にして、精神的な成長の糧にすれば、人間的に魅力ある人になれていくのではないかと考えています。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

気持ちに向き合っていますか?

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