乗り越えるべき課題がわかることで、突破してみようと思える。

「変わるにはどうすればいいのか?真逆のことをするとか、変わるということができない理由、対策」とクライアントさんのセッション準備用紙に書いてあり、「理由と対策」という言葉が、面白いなあと思いながら、相当お困りの様子に感じました。
 わかっちゃいるけど、できないということですね。これまでのセッションで、「こうしたらいい」ということは、出てきたけれども、なかなか実行に移すことができないとのことでした。

 その男性クライアントさんが、変えたいところは、職場の雰囲気がフラットで、なあなあすぎるところがあるので、叱るべきところは、叱って、注意ができるようになりたいとのことでした。その注意したいところは、まずはベーシックな部分で、礼儀、マナーのことなのに、なかなかできないそうです。

 ようやく、面談のときに、「挨拶をしてください」と言えたようでしたが、相手はやはり怪訝そうな顔をして、「空気は読んでいるつもりです」と言っていたようです。
「空気を読むよりも、人をちゃんと見ることが大事ですよね」とクライアントさんに返すと、「うまいこと言いますね。確かにそうですね」と返ってきました。

 礼儀とかマナーのことならば、しつけですから、言ってもいいのではないかとは思うのですが、言うと、露骨に嫌な顔をされ、自分がその顔にカチンときて、いつも自分が嫌な思いをするそうなのです。

 同業の知人に相談すると、「ゆとり世代だから、仕方ない」という人もいるとか。
しかし、「そんなゆとりさんを作っているのは、ほかならぬ自分たちでは?」と、フィードバックしてみたら、痛いところをつつかれて、もう笑うしかない状態になっていました。(笑)

 ここで、言うか言わないかということよりも、「相手の幸せについて考えるステージに進むことが、変化するということで、自分の乗り越えるべく課題である」と考えてみると、相手に言って、嫌な顔をされることは、小さな心配ごとになるはずです。自分のチャレンジは、もっと大きなものであったのかと。

「自分は嫌われ役でもいい」と言いながら、人に関わるひともいるのではないでしょうか。自分のことは、どう思われてもいいというスタンスで、相手のためを思って、伝えるべきことを伝える人です。または、相手の幸せのために、陰ながら動けるひとです。
 私も、上司に嫌なことを言われて、変な顔を返してしまったことが、何度もありますが、それでも、言い続けてくれたおかげで、気づくことができ、成長できたことは沢山あります。割と、男性の上司は、そういう父性というのか、はっきりと伝えてくれる勇気を持っている人が多い気がしています。

「父性」と言えば、映画『レ・ミゼラブル』、『ALWAYS 3丁目の夕日’64』、『麒麟の翼』などが、テーマになっているので、お薦めしました。
 既に、『レ・ミゼラブル』は、ご覧になったようなのですが、「途中でトイレへ行ってしまいました。(汗)」と、残念ことになっていましたが。(笑)

「いい関係でいたいから、なあなあにしているのは、その場の楽ですね」とクライアントさんは、笑いながらおっしゃいました。

 おそらく、クライアントさんが、変わりたいのに変われないというのは、次のステージがどこなのか? 見えていなかったからのように思えました。

 自分の成長のためにと思えると、前に進めることがあります。
自分が幸せならば、次は、相手を幸せにすることについて考えてみてはどうでしょうか。

 もしかしたら、前世で相手の幸せを考えることができなくて終わっていて、現世持ち越しの課題かもしれません。そんな風に考えてみるのも、自分を成長させてみようという気持ちになれるものです。しかも、クライアントさんは、一人っ子なので、自分のことを考えることができる環境に生まれていることも、深いつながりがありそうです。
 自分が満たされていれば、もっと相手のことを考えることができる余裕があるのではないでしょうか。しかし、次の成長に気づかないと、ずっと同じところでぐるぐるしてしまいがちですね。

 ここまで話してみて、変わるための理由は、見つかっていきました。


 次に、対策です。「喧嘩しないでも言いたいことが言えること」について考えていきました。
「言い方」というものは、相手のことをよくみれば、見つけられるものです。

 誰にも共通するお約束としては、「現状を否定しない」ことです。
「今は、こうであり、次はこうなるといいよね」とか、「もっとよくなりますね」とか、このセッションで、私がクライアントさんに言ったように、「次のステージへ行くところですね」という言い方がそうです。

 クライアントさんは、今までのセッションでは、断捨離をしたり、相手の話を聴くに徹する課題に挑戦してみたり、土を耕してきた感じだったので、今回のセッションで、とうとう種を植えられたように見えました。

愛するということ』を書いたエーリッヒ・フロムは、「愛は技術だ」と言っていました。人を愛するために、訓練が要るというのです。
 乗り越えるべき課題がわかることで、突破してみようと思えるものだと思います。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

現世での自分の課題はなんだと思いますか?


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