突き抜けるためには、自分への質問を変える。

 昨日の記事のクライアントさんの2つ目のテーマは、「突き抜けないのはなぜか?」でした。コーチングを始めた頃は、自分が何をしていったらいいか、わからない状態でしたが、今は、深めていきたいものが決まり、真剣に取り組んでいるご様子です。

 しかし、なぜか、突き抜けた感じがしないとのこと。一体、何を持って突き抜けたと感じることができるのでしょうか? 考えてみました。

 クライアントさんは、28歳の男性の方なのですが、私もそのころ、そんなことを考えていたかと思います。アパレル店長のころです。
 自分のやる範囲の仕事は、真剣に取り組んで、しっかりやり抜くようにはしていました。しかし、店全体の成果も出ないし、あまり変わり映えのしない自分に辟易していました。

 そんなとき、会社の取締役が、全員面談であちこちの店舗を周っていました。私の店舗にも来て、アルバイト、私、取締役の3者面談がありました。

 あるアルバイトのとき、取締役が質問してきました。「このお店に来て成長したことはありますか?」と。アルバイトは、「○○をしました」と、やったことを色々と挙げました。私も同じ質問をされたので、「○○をしました」と、やったことを色々と挙げました。私としては、結構いろいろ手を尽くしたと思っていたので、自分がやったことを話せたことは、よかったなと感じました。しかし、取締役は予想もしない、言葉を返してきたのです。

 「成長したことと、やったことは違うんですよ」と。
私は、そこでやっと気づきました。自分ができることをするだけでなく、何か新しい成長を意識して、新しくできることを増やしていかないといけないと言うことに。

 そこから、新しい考えを取り入れようと、以前の会社の上司のそのまた知り合いに会わせてもらったり、自分の考えよりも、高次元のように感じていた、経営者の視点を持っている人を求めて行ったのです。

 出会った人たちは、考え方そのものが違うので、その人たちの角度から、質問をされると、私も新しいアイデアが生まれました。

 ある人が、「もし、給料が100万円もらえる店長だったら、何をする?」と私に質問してきました。その問いで、「HPを作ってみたい」というアイデアが引き出されたのです。
 自分のポケットマネーからお金を使ってでも、お店の売り上げが上がるためにできることを色々試してみたいと思えました。
 その質問のスケールの大きさに、自分がちっぽけな池にいるように感じました。もっと大きな考え方をしたら、いいアイデアは生まれるものなのだと気付きました。

 そして、「顧客管理」を強化することにして、ブログやメルマガを使った集客に取り組み始めました。今までは、マネジメントをしていけば、お店はよくなると信じ込んでいたのですが、戦略を立てないと、セールスは上がらないわけなのです。そんなこともよくわかっていませんでした。

 今思えば、自分のやるべきことをちゃんとするというところから、人にも影響力を出して協力してもらうという、関わる範囲の広がりも成長へと結びついていたのだろうと思います。

 もっと人に影響力をだしたり、人の役に立とうと思ったりすることで、自分のことだけで精いっぱいというところから、抜け出せるでしょう。
 クライアントさんに、影響力について現状はどうかと聞いてみると、人が聞いてくれれば、教えるといった感じで、あまり積極的ではないとのことでした。

 人から「ありがとう」と言われるようなことをしたり、(言われなくてもいいのです)人のためにやってみることを増やしていくことです。
 自分のことで精いっぱいならば、人の役に立とうとすることで、自分のことで精いっぱいを知らぬ間に越えることができているのだと思います。

 クライアントさんには、昨日の記事に書いた「質問力をアップさせる」の参考図書として、イチローがインタビューを受けているいくつかの本をお薦めしました。
 私が、その本をお薦めした意図は、イチローの言葉だけを拾うのではなく、どんな質問をしているのかな? 質問者側の視点まで読んでほしいと思ったからです。

 TVを見ていても、司会者、タモリさん、さんまさん、黒柳徹子さんなど、インタビュー側の人たちの、話させるスキルは、とても参考になります。そっちのほうまで見ようと思ったら、もっと楽しかったり、笑えることも増えるでしょう。

 例えば、このブログを読むにしても、自分で精一杯だと、「この悩みに対して、どんな答えがあるのかな?」というところしか見ないかもしれません。
 一方で、私がどんな質問をしているのか? なぜ、このタイトルにしたのかな? なども拾おうおと思えば、コーチ側の視点も発見できることは色々あるのです。

 もっと大きな世界から物事を考えてみること、自分のためだけでなく、人の役に立てることを意識してみることです。つまり、「自分への質問を変える」と言うこともできるでしょう。

 人の話を聴くことも、突き抜けるために大切なことです。聴くことができなかった人が、聴くことができるようになった時、何かが変わると思いませんか?

 突き抜けることは、きっと誰にでもできるのだと思います。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

いま、自分にどんな質問をしてみますか?

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