「スタッフに業者掃除が入ると言ったら、じゃあ、私は拭き掃除しなくていいですねという返答だったんです」と、経営者の方が、ちょっと落胆しておっしゃいました。
確かに、上司の立場からしたら、お客様のために奇麗にするわけですし、その奇麗な基準の状態でこれからも保って行きましょうという意図を持っているのに、自分が楽できることを喜ばれては、ちょっとがっかりかもしれません。
そんなお客様目線があまり見えていないような、組織を変えるために、どうすればいいのか? というテーマでのセッションでした。
すでに、ミーティングをしたり、決まり事を作ったり、その場で注意をしたり、色々と手を尽くしていらっしゃるようで、「打つ手なし」とおっしゃっていました。
注意をしたら、凹んでしまって体調不良で早退をするスタッフもいるようで、なかなか注意を促すことにも気を使うようです。
サービスについて、どんな投げかけをしているか? 現状を聞いてみました。
明るく笑顔で、など、気づいたときに言っているそうです。こちらが注意することが多く、スタッフの人たちは、いつも指示待ちのようで、「どうしたらいいか?」考えなくなっているとのことでした。
「こういう風にしなさい」と教えていることが多くなると、スタッフの方も指示待ちに慣れてしまうかもしれませんし、下手に動いてしまっては、後からダメ出しを受ける感じもしているかもしれません。また、注意を受けることが増えると、自分自身が否定されているように感じることもあるでしょう。実は、注意をしている方も、相手を否定するようなことを言うことが重なると、気分が悪くなっていくでしょう。
となると、お互いのためにも、自分で気づいてもらうことができたらいいですよね。
自分で気づいてもらうというのは、教育するというよりも、トレーニングする感じだと思います。
私が店長だったときに、皆の接客に問題があるからセールスが上がらないと思い、皆に接客について教えて行かないとダメだろうと手を打ったことがありました。
しかし、接客ノートを作ったりしましたが、1ヵ月もしないうちに、みんな面倒だったようで、辞めてしまいました。
皆が自然に書かなくなったということは、接客についてそこまでお困りではないのかなと思い、スタッフの接客を見てみたら、他店よりも悪くない印象を受けました。
結局、一番変わらなくてはいけなかったのは、私だということに気づきました。
単に、私が集客に力を入れるだけで、店はよくなると思えたのです。
それから、店をよくするためのアイデアをスタッフから聞くようにして、自分の悩みを一緒に考えてもらうチームの一員として考えました。
「どうすればよくなる?」と、アウトプットさせるような働きかけを始めたのです。
やがて、訊かれることに慣れてきて、みんなも考えてくれました。指示されて動くよりも、自分の考えたことが支持されていく体験を積んでいく方が、自然とモチベーションも上がっていくのだと思います。
クライアントさんの現状は、スタッフがちゃんとサービスができているかどうかに気を取られることが多いそうですが、各々が考えることができるようになれば、自分の仕事の方に集中することができて、お客様へ満足していただけることにつながりそうだとおっしゃっていました。
では、自分で気づくときは、どんな状況で起こるでしょうか。
マクドナルド時代に、あるミーティングの前日に、動画マニュアルの「ミーティング」を観て、自分がどうリーダーシップをとっていくか、イメージを膨らませていました。
「皆から意見を引き出す」というポイントがあったので、そこを忠実に行うようにしました。
テーマに基づいて話を進め、「あなたはどう思いますか?」と聞いていく方法です。
すると、皆さんよくお客様の立場に立って考えているなと感心することが沢山ありました。
私が、「スマイルはどうしたらできますか?」とアルバイトに相談してみたら、そのアルバイトは、「お客様を笑わせるためにスマイルする」と答えたことがありました。
そこで気づいたのは、私は、自分がどう笑うか? に視点が向いていたのですが、彼女は、お客様視点で、スマイルについて考えていました。私自身もスタッフと話しあうことで、自分の気づいていない視点に気付かせてもらいました。
他にも視点が変わった例があります。お店のゴミ庫を奇麗にするために、上司に消臭剤を置く案を提案したことがありました。すると上司は、「そんなもん置くから、汚くなるんだ」と答えました。まさにその通りです。仕事ができる上司として評判の高い方でしたが、やはり視点が違いました。根本的な問題を解決することが大切なのだと気付きました。
そうやって、意見のやり取りをすることで、気づくことは多いのです。
自分で考えてもらうようになるには、教えるのではなく、気づかせることが大切なのだと思います。
それは、質問であったり、フィードバックであったり、誰かの体験談であったり、本を読んでもらったりなど、視点が変わるきっかけを提供することです。
そのクライアントさんに、前回のセッションである映画をお薦めしたのですが、「この2本の映画のテーマは○○について、考えることができますよ」と最初にお伝えしました。
すると、普段ならストーリーを追って映画をみるだけだったのが、テーマをもとに映画を観てみると、その部分が浮かび上がって、今まで見えていなかったものが見えるようになったとおっしゃっていました。
クライアントさんは、ピンポイントで指示や注意をされているようでしたが、アウトプットさせる機会を持つことを意識してみることが、風土改革へつながると思います。
最初は、答えることに慣れないかもしれませんが、どんなへんてこな答えに感じたとしても、「なるほどね」と相槌を打ちながら聞いていけば、何を言っても大丈夫だと思ってもらえるでしょう。そして、ちょっとしたアイデアでも、採用してあげることが、さらに自分で考える力を伸ばしていくモチベーションにつながると思います。
今日はこちらの質問はいかがでしょうか?
視点を変えるために、自分で工夫していることはありますか?
┏━┓
┃☆┃SEMINAR
┗━╋...──────────────────────────────
■2013年3月23日(土)春コミコレクション
テーマ「思考を芽吹かせる」講師:堀口ひとみ/播磨弘晃
仮説、着想、ひらめきなど、自分自身の見つける力を磨いていきます。
★詳細はコチラです★
http://pearl-plus.me/seminar/komikore.php
確かに、上司の立場からしたら、お客様のために奇麗にするわけですし、その奇麗な基準の状態でこれからも保って行きましょうという意図を持っているのに、自分が楽できることを喜ばれては、ちょっとがっかりかもしれません。
そんなお客様目線があまり見えていないような、組織を変えるために、どうすればいいのか? というテーマでのセッションでした。
すでに、ミーティングをしたり、決まり事を作ったり、その場で注意をしたり、色々と手を尽くしていらっしゃるようで、「打つ手なし」とおっしゃっていました。
注意をしたら、凹んでしまって体調不良で早退をするスタッフもいるようで、なかなか注意を促すことにも気を使うようです。
サービスについて、どんな投げかけをしているか? 現状を聞いてみました。
明るく笑顔で、など、気づいたときに言っているそうです。こちらが注意することが多く、スタッフの人たちは、いつも指示待ちのようで、「どうしたらいいか?」考えなくなっているとのことでした。
「こういう風にしなさい」と教えていることが多くなると、スタッフの方も指示待ちに慣れてしまうかもしれませんし、下手に動いてしまっては、後からダメ出しを受ける感じもしているかもしれません。また、注意を受けることが増えると、自分自身が否定されているように感じることもあるでしょう。実は、注意をしている方も、相手を否定するようなことを言うことが重なると、気分が悪くなっていくでしょう。
となると、お互いのためにも、自分で気づいてもらうことができたらいいですよね。
自分で気づいてもらうというのは、教育するというよりも、トレーニングする感じだと思います。
私が店長だったときに、皆の接客に問題があるからセールスが上がらないと思い、皆に接客について教えて行かないとダメだろうと手を打ったことがありました。
しかし、接客ノートを作ったりしましたが、1ヵ月もしないうちに、みんな面倒だったようで、辞めてしまいました。
皆が自然に書かなくなったということは、接客についてそこまでお困りではないのかなと思い、スタッフの接客を見てみたら、他店よりも悪くない印象を受けました。
結局、一番変わらなくてはいけなかったのは、私だということに気づきました。
単に、私が集客に力を入れるだけで、店はよくなると思えたのです。
それから、店をよくするためのアイデアをスタッフから聞くようにして、自分の悩みを一緒に考えてもらうチームの一員として考えました。
「どうすればよくなる?」と、アウトプットさせるような働きかけを始めたのです。
やがて、訊かれることに慣れてきて、みんなも考えてくれました。指示されて動くよりも、自分の考えたことが支持されていく体験を積んでいく方が、自然とモチベーションも上がっていくのだと思います。
クライアントさんの現状は、スタッフがちゃんとサービスができているかどうかに気を取られることが多いそうですが、各々が考えることができるようになれば、自分の仕事の方に集中することができて、お客様へ満足していただけることにつながりそうだとおっしゃっていました。
では、自分で気づくときは、どんな状況で起こるでしょうか。
マクドナルド時代に、あるミーティングの前日に、動画マニュアルの「ミーティング」を観て、自分がどうリーダーシップをとっていくか、イメージを膨らませていました。
「皆から意見を引き出す」というポイントがあったので、そこを忠実に行うようにしました。
テーマに基づいて話を進め、「あなたはどう思いますか?」と聞いていく方法です。
すると、皆さんよくお客様の立場に立って考えているなと感心することが沢山ありました。
私が、「スマイルはどうしたらできますか?」とアルバイトに相談してみたら、そのアルバイトは、「お客様を笑わせるためにスマイルする」と答えたことがありました。
そこで気づいたのは、私は、自分がどう笑うか? に視点が向いていたのですが、彼女は、お客様視点で、スマイルについて考えていました。私自身もスタッフと話しあうことで、自分の気づいていない視点に気付かせてもらいました。
他にも視点が変わった例があります。お店のゴミ庫を奇麗にするために、上司に消臭剤を置く案を提案したことがありました。すると上司は、「そんなもん置くから、汚くなるんだ」と答えました。まさにその通りです。仕事ができる上司として評判の高い方でしたが、やはり視点が違いました。根本的な問題を解決することが大切なのだと気付きました。
そうやって、意見のやり取りをすることで、気づくことは多いのです。
自分で考えてもらうようになるには、教えるのではなく、気づかせることが大切なのだと思います。
それは、質問であったり、フィードバックであったり、誰かの体験談であったり、本を読んでもらったりなど、視点が変わるきっかけを提供することです。
そのクライアントさんに、前回のセッションである映画をお薦めしたのですが、「この2本の映画のテーマは○○について、考えることができますよ」と最初にお伝えしました。
すると、普段ならストーリーを追って映画をみるだけだったのが、テーマをもとに映画を観てみると、その部分が浮かび上がって、今まで見えていなかったものが見えるようになったとおっしゃっていました。
クライアントさんは、ピンポイントで指示や注意をされているようでしたが、アウトプットさせる機会を持つことを意識してみることが、風土改革へつながると思います。
最初は、答えることに慣れないかもしれませんが、どんなへんてこな答えに感じたとしても、「なるほどね」と相槌を打ちながら聞いていけば、何を言っても大丈夫だと思ってもらえるでしょう。そして、ちょっとしたアイデアでも、採用してあげることが、さらに自分で考える力を伸ばしていくモチベーションにつながると思います。
今日はこちらの質問はいかがでしょうか?
視点を変えるために、自分で工夫していることはありますか?
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■2013年3月23日(土)春コミコレクション
テーマ「思考を芽吹かせる」講師:堀口ひとみ/播磨弘晃
仮説、着想、ひらめきなど、自分自身の見つける力を磨いていきます。
★詳細はコチラです★
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