周りに合わせるように自分を押し殺して、愛想笑いしている自分がむなしくなることについて。

 クライアントさんが、知人から誘われてある会合へ行ったそうです。そもそも、人が集まる場は、あまり好きではないようでしたが、行ってみようかなという気持ちが、少しでてきたようなので行ったようです。
 結果、たまたま自分と誕生日が同じで、話がとても会う人を見つけたり、行く途中で寄った本屋さんで、いい本を発見できたり、いいこともあったようでしたが、やはり、複数の場が苦手だなと感じたとか。

 セッションでは、複数の場が何故苦手なのか? 検証してみることになりました。
まず、その場にいる自分は、どんな気持ちだったのか? どんな状況だったのか? お聞きしました。

 すると、「自分を殺してまで、話せない。愛想笑いをしている自分がいた。愛想笑いは虚しい。はっちゃける人もいれば、ネガティブな人もいるし、ポジティブすぎる人もいる。素の会話がしにくい。話が浅い。一緒に行った知人も、人が好きと言っても、無理しているように見えてしまう。100%本音で話している人たちには見えない。興味のあるふりをしたくない」と言うことでした。

 「苦手だから」で、ずっと避け続けることもできるかもしれませんが、課題と捉え、ブレイクスルーするために、向き合うことにしました。パートナーとの問題とも重なるところがあったので。

 周りに合わせるように自分を押し殺さなくてもいい状態で、人とコミュニケーションを取るにはどうしたらいいか? について考えていきました。

 ふと、私の経験を思い出しました。
 アパレル店長1年目のとき、社長に私の普段のやり取りを見抜かれていたのでしょうか…。
 ある日、息の詰まるようなミーティングで、こんなことを言われました。「嫌いな人と仲良くなりなさい」と。

 私は、苦手だなと思う人は、そこそこ挨拶をするくらいで、あまり関わらないでいることが多かったのです。人に合わせられないというのは、私の特徴みたいなものでしたし、(笑)店長たるものが、それでは、マネジメント出来ませんよね…。
 そのときの私は、ファッションに詳しくなかったので、話を合わせることが出来ずに、本当に困っていました。

 社長が、続けて言いました。「アパレルのビジネスは、オシャレじゃなくてもできるんだ。自分の周りにファッションに詳しい人がいればいいんだよ。バイヤー、プレス、VMDなど、ファッションに詳しい人が興味のありそうなことを、こちらが幾つか知っていれば、相手から話を引き出せる。そして、自分も詳しくなれるんだ」と。

 その言葉で、まず、勇気を頂きました。そして、私は変化しました。自分が苦手なことができる人を周りに置いたほうが、自分も詳しくなれるし、自分も生きるし、相手も生きてくる体験をしました。

 「コミュニケーションは、相手に興味を持つこと」という言葉を聞いたこともあります。
相手のことに興味を持って聞いてみることで、自分の引き出しも増えるし、知識が増えた分、面白いと思うことも増えるのだと思います。

 私は、自分の部下に「どこで服を買っているの?」ということから、聞いてみることにしました。そして、実際にそのお店に行き、「○○さんのお店、行ってきたよ」と話すようにしました。次第に、私の意見を言ってみたり、向こうから意見を引き出してみたりが可能になったのです。

 自分の知らないことだから、もっと聞いてみようと、こちらが能動的に関わっていけば、周りに合わせるように自分を押し殺さなくてもいい状態で、人とコミュニケーションを取っている状態になります。そういうときは、自然と謙虚にもなっています。

 自分を押し殺して、相手に合わせようとしているのは、受動的だから疲れるのです。
 例えば、傾聴は、相手にペーシングをしながら行いますが、聴こうとする姿勢は、いつでも能動的です。私にとっては、疲れることがありません。
 また、合わせようとしているというよりも、引き出そうとしているから、結果的に合わせているという状態かと思います。

 そんな話をしていたら、クライアントさんが、「食わず嫌いがありますね…」とおっしゃいました。

 「自分が興味を持てない。合わせるのがイライラするから」でシャットダウンしては、もったいないです。自分がオープンになることで、入ってくるのです。
 自分が好きなもの…もしかしたら、全然興味のなかったものが、そうなる可能性だってあるのです。
 私は、興味が全くなかったアパレルに入ったことで、ファッションが好きになりました。また、ファッションに詳しくなかったからこそ、店長ブログで、ファッションについて言語化することに一生懸命になれたのだと思っています。

 「嫌いな人と仲良くなりなさい」というのは、自分の可能性を広げ、自分と関わる周りの人のことも、結果的に喜ばせてしまう、魔法のような言葉だったと、今ならわかります。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

苦手な人とはどう関わっていますか?

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