専門職をされている男性のクライアントさんの対面セッションがありました。教える立場になり、コーチングに興味を持ったということで、自分も受けてみようとセッションを申し込まれたようでした。
あるコーチングの本を1冊読んで、少しの時間でも毎日質問をしてアウトプットしてもらい、確認することが大事だと気づき、早速試してみたようです。
部下に「今日の目標は?」と質問して、「○○します」と答えが返ってきたので、「答えが具体的じゃないね」と返して、話しが続かなかったとおっしゃっていました。
私もかつて、コーチングの本を読んで、人生で初めて質問の大切さに気付きました。しかしながら、質問一つで「わ、こんなことも考えているのか!」と驚くこともあれば、「なんだ、やっぱり、考えてないじゃないか」とがっかりすることもありました。
がっかりするとき…。今思えば、質問する方も最初の1つの質問しか用意していないことが問題だったのではないかとわかります。
ではどうしたらいいのか?
最初の質問なので、「具体的ではないこと」は、当たり前なのです。これから具体的にしていくのが、聴き手の役目。つまり、「なるほど、具体的には?」と聞けばいいのです。質問の大きな目的として、相手の言語化のサポートがあると言うことです。言葉になりやすいように、質問を投げていくのです。
次に、「共感」についての話になりました。クライアントさんは、最近、自分が共感をされたと感じた事例をお話ししてくださいました。
「12年もこの仕事をやっていて、その作業はどちらかと言うと得意だったのに、なぜかその日だけうまくいかなくて、どうしたんだろう? と思ったんですが、色々気づけたんですよね。朝に、少し気が落ちることがあったから、心理面が原因だったのではとか、器具が新しくなったからじゃないかとか。得意なことでも、いつもとちょっと違うことが重なると、失敗することもあるんだなぁと、自分を客観視することができたので、いい機会でした」とクライアントさんがおっしゃいました。
また、うまくいかなかったことを仕事仲間にも話してみたら、ある上司は、「僕もそう言うことがあった」と言い、ある同僚は、「それは、大変でしたね」と言ったそうです。
さて、ここで問題です。
そのとき、クライアントさんはどちらの言葉に、よりホッとしたでしょうか?
答えは、「それは、大変でしたね」の方だったとおっしゃいました。
それを聞いた私は、共感の言葉は、きっとケースバイケースなのだなと感じました。
「これが、共感の言葉です」と覚えるよりも、相手の気持ちに立ってみたら、今、伝えたい言葉は見つかるのかもしれません。
クライアントさんにしてみたら、12年もうまく出来ていたことだったのに、突然のハプニングかのように、うまくできなかったわけですから、気持ち的には、「大変だったなぁ」が近かったのかもしれませんね。
もうひとつのエピソードです。先日、姪っ子と遊んでいた時のこと。彼女が「戦いごっこしよう!」と言って、あるキャラクターに変身しました。私は、悪役ですので、ビームを飛ばし、ジェスチャーで戦いに応じました。
すると、ビームが飛びすぎてしまったようで、(笑)姪っ子は、びっくりして、後ずさり状態で尻もちをついてしまいました。その際、掴まろうとして触れた布団は、カバーが外れていた状態だったので、掴めずツルンと滑ってしまい、尻もちを緩和出来ずに、スッテンと、転んでしまいました。そして、「わーーーーーーー」っと泣きだしました。
こんなとき、子供の頃の私は、「痛いの痛いの飛んでけ~」と、してもらいました。
しかし、こうしてコーチの仕事をしながら、それはどうなのか? と疑問が湧いたことがありました。そうすると、「痛い」気持ちを頭で「痛くない」と思わなくてはいけないという、辛いことになってしまうこともあるかも、と。
そこで私は、泣いているそばで、ただ泣きやむのを待つようにしています。そして、「お布団のカバーがなかったから、ツルツルしてコケちゃうよね、痛いね」と、言葉を発してみました。段々泣き声も枯れてきましたが、もう少し…。
近くにいた1歳8カ月の妹は、お姉ちゃんが泣いているのをニコっと見ていました。私は、「滑って転んじゃって、今ちょっと痛いみたいなの」と妹にも説明をすると、1歳8カ月が驚きの行動を見せました。なんと、3歩ほど歩き、わざと転んでから立ちあがってニコっとして見せたのです。それを見た4歳のお姉ちゃんは、「あははは」と笑って、ピタッと涙が止まりました。
抵抗せずに、そのまま受け容れることができる言葉や気持ちを代弁して表現することが、相手の不安な心をホッとさせるのでしょうか。2つの例を通して、そんなことを思いました。
今日はこちらの質問はいかがでしょうか?
相手が感情をだしているとき、どんなふうに接していますか?
┏━┓
┃☆ ┃Information
┗━╋...──────────────────────────────
堀口+播磨、ふたりあわせた総セッション時間10000時間。
そんな二人のコーチがコラボで主催するコミュニケーションに関する講座のご案内です。
■2013年6月22日(土)夏コミコレクション @東京国際フォーラム
テーマ「相手を思いやる・思いきる」 講師:堀口ひとみ/播磨弘晃
どうすれば、「相手を思いやる」言葉を見つけ、「思いきって伝える」ことができるか?
ワークを通しながら考えたり体感的に学んでいくセミナーです。
*・゜゚・*:.。..。.:*・゜
■2013年7月27日(土)独立7周年講演開催!@東京
テーマ「相手が話したくなる傾聴力」
特典:単発セッション・90日コーチングで使える、5000円割引券を差し上げます。
現在、コーチングセッション3500時間を超える堀口ひとみが、
日常生活にすぐ使える!相手が話したくなる聴き方、伝え方についてレクチャーします。
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ではどうしたらいいのか?
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近くにいた1歳8カ月の妹は、お姉ちゃんが泣いているのをニコっと見ていました。私は、「滑って転んじゃって、今ちょっと痛いみたいなの」と妹にも説明をすると、1歳8カ月が驚きの行動を見せました。なんと、3歩ほど歩き、わざと転んでから立ちあがってニコっとして見せたのです。それを見た4歳のお姉ちゃんは、「あははは」と笑って、ピタッと涙が止まりました。
抵抗せずに、そのまま受け容れることができる言葉や気持ちを代弁して表現することが、相手の不安な心をホッとさせるのでしょうか。2つの例を通して、そんなことを思いました。
今日はこちらの質問はいかがでしょうか?
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