相手に届きやすいような言葉を作る4つのコツ。

 転職がテーマのとき、「会社を辞めたいです、ということを上司に言えなくて」という悩みは少なくありません。言う言葉は決まっているけれど、その言葉を相手に受け取ってもらえないんじゃないかと信じ込んでいて、もっといい言い方があれば、言えるのだけれど…と思っている場合です。
 転職に限らず、自分の知り合いに本音を伝えたいけれど、それを言ったら相手に反論される恐れがあるから、もっといい言い方はないだろうか? と、1年くらい悩まれていた方もいらっしゃいました。

 「反論される」「分かってもらえない」と、恐怖心を持っていると、思考も停止するものですが、「相手がきっとわかってくれると信じている」ことを前提に考えると伝える言葉も変わってくるのです。
 相手のことを疑ってしまうと、余計に先回りして、もっとわからない感じになってしまうのです。そして、自分の本音を自分の中に封印して、自分で自分を苦しめることになっていくのです。一体、何に遠慮しているのか、一度アウトプットしてみると、自分が客観視できるでしょう。すると、思考が進み、本音がまずは出てくるのです。

 以前、「転職したい」と上司にどう言うかで悩んでいるクライアントさんがいらしたので、「相手を信じていますか?」と投げかけたら、「相手が信じてくれるだろうとは、全く信じていませんでした」と返信を頂きました。

 それから、クライアントさんが伝えたいと思っている本音を、相手に届きやすい言葉に添削してフォローしました。相手は分かってくれないだろうと思っていると、相手を説得しようと思う言葉が浮かんでしまうので、独りよがりで、強い言葉が出てきてしまいます。すると、反論されるだろうと思ってしまい言えなくなってしまうのです。

 そのクライアントさんの言葉を添削したものを元に、「相手に届きやすいような言葉を作る4つのコツ」としてまとめてみました。

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相手に届きやすいような言葉を作る4つのコツ




1.柔らかい言葉を選ぶ。

「考えられません」
→ イメージできません。

「嫌です」
→ 実は、ずっと好きに思えなかったのです。

 これは、感覚的なものなので、言葉を探しながらいろいろと当てはめて、その感じを自分で味わいながら考えてみてください。


2.結果だけ伝えるよりも、プロセスを交えてバランスよく伝える。

「やる気が起こりません」
→ なぜ、なりたいのか? そう考えたとき、何も浮かんでこないのです。

 結果だけ伝えるよりも、プロセスを交えることで、相手にとても考えている様子が伝わる。


3. まるで独り言をつぶやくように、相手に語る。

「もう限界です」
→ ようやく自分の限界に気づけたのです。
   自分で、自分に限界と言ってあげることができてホッとしています。

 自己完結させることで、意思が決まっているように伝わる。

4. 相手を信じる。

 「○○さんだから、きっと理解してもらえると思ってお話します」と先に言うと、相手は魔法にかかります。まず、相手を承認してから伝えること。

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 以上は、私の考えであり、正解不正解があることではありませんが、上司には意向を支持してもらえたそうです。 

 自分の意見を伝えることに抵抗を感じてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、信じる者は救われるの精神で、受け取ってもらえることをイメージして、いろいろと思考を巡らせて、伝える言葉を生み出してみることが大切だと思います。その繰り返しで、だんだんとコミュニケーションスキルもアップしていき、人間関係も豊かになり、自身の優しさも引き出されていくことでしょう。


今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

言葉をどのように扱っていますか?