わかったふりをして、「それ、分かります」と言う、媚を売っている感じの自分をどうにかしたい。

 先月の満月の日に、「結果主義を手放します」をされたクライアントさんとのセッションがありました。「ものすごく変化してしまって、どこから話していけばいいか…」とおっしゃっていました。

 手放したことを象徴するかのように、人から言われる言葉も変わっていました。
 会長とお昼へ行ったら、「人として輝いてくれたらうれしい」と言われ、社長との面談で、自分の正直な気持ちを話したら、「うまくいかなくてラッキーだね。真剣に向き合ってくれていることが嬉しい」と言われたそうです。そのとき、「自分の中だけで苦しめていただけ?」と悟ったようでした。

 そして、ちょうど誕生日だったのもあり、3連休を取ったそうです。自分が結果をだしていないから、休むことも自分に与えていなかったそうですが、思いきって海外旅行へ行こうと、前日に1泊2日の韓国旅行を申し込まれたそうです。それを両親に話したら、久々に誕生日プレゼントを渡されたようでした。とても心配されていたんだ…と感じて、涙がでたそうです。
 そのとき、「頑張っている人を求めている人はそんなにいない」と悟ったようでした。
 旅行は、1日目は頑張って予定を入れてしまったようですが、2日目に、そんなに頑張らなくてもいいことに、ハタと気づいて、ゆっくり過ごしたそうです。

 旅行から帰ってきたら、会社では「良い表情をしてるね」と何人かから言われたようでした。思い込みを手放す前にいた世界と同じ世界にいるはずなのに、自分の周りが変わって見えたという体験になったようでした。


 友人を祝福する機会だったのに、自分の心が穏やかでないため、あまり喜べなかったという友人のところへも改めて行ったそうです。そして、素直にそのときの感情について話したら、「知ってたよ。そういうことあるよね」と言って理解をしてくれたようです。「自分のいる世界は、自分のままでいられる環境」と気づいたようでした。


 そして、今回のセッションでは、他にも気になっていることについて、考察してみることになりました。

「他人の目を気にしないようになりたい」というテーマです。自分が大事にしたいことを大事にしたいのに、相手が求めていることを言わなくちゃ、となっているときがあるそうです。わかったふりをして、「それ、分かります」と言うことがあるので、媚を売っている感じの自分をどうにかしたいということです。

 「本当はなんて言いたいんですか?」と訊いてみると、「『最悪だと思う。人として』と言いたいときも、『分かります』とつい言ってしまうんです」とおっしゃっていました。ものすごく、正直におっしゃるので、私も笑ってしまいました。(笑)

 そんな風に思うことは、誰しもあるのかもしれません。自分の思い込みで、すぐにジャッジしてしまうのです。
 そんなときは、自分の思いこみも手放せるチャンスになるので、「質問して、もう少し相手の話を聴いてみる」をしてみること。すると理解が深まって、「なるほど、そうなのか」となることも多いのです。
 相手の考えを理解できるかどうかはわからないけれど、もう少し聴いてみようと思うこと。それでも分からないのなら、「ちょっとまだ分からない」と伝えてもいいのではないでしょうか。いつでも、「自分と違う意見を楽しんでみる」気持ちが、相手との関係性を深めることにつながるかと思います。

 もうひとつ、クライアントさんが苦手にしていることがあるそうです。相手が「でも…」と言ったあとに、残念な感じになってしまうときだそうです。たとえば、「・・・・したい! でもやっぱり、無理か…」というやり取りのとき、心の中で、「え、せっかくいいところまでいったのに、残念…」となるそうです。

 そんなときは、「でも、大丈夫だよ」と言うこともあるかもしれませんが、「でも」の上に「でも」をかぶせるのはどうでしょうか。相手の言っていることを受け取りましたというような返しをするならば、「今はそう思っているんだね」と、まずは返すのです。そして、「『でも』となるときは、まだ考え中モードのときだ」と思ってみる。決定しているとき、人は断言して話すのではないでしょうか。

 ここまでは、「どうしたらいいか?」について、突破口となる新しい視点をシェアしましたが、ここからは、相手らしさに気づきを与えるコーチングです。

 それらの悩みを聴いて、私が感じたことを伝えました。「○○さんは、色々な人と共感したい気持ちがとてもありますね」と。
 そうしたら、「私、全員のことを好きになりたいんです!あ、人生のテーマかもしれない」と、キラキラっとした声で返ってきました。

 クライアントさんがそうおっしゃった言葉に温度を感じたのか、私の体温も0.3度くらい上がった感じがしました。本音がでたり、何でも話せることは、気づけることも多いですし、楽しいですね。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

本音を話していますか?