もしものために何でも入れていて、鞄が重くなりがちな人の考察。

 「素」が出せるようになってきて、嬉しいこともある反面、まだ上手に付き合いきれないところがあり、指摘されると苦しくなる時があります。このあたりがコントロールできるようになれるといいなと思っています。というテーマでした。

 最近、幼少期の性格のために、今まで「素」の自分を一生懸命隠して生きてきたんではないか、と気づき始めたそうです。 
 素の自分というのは、肝心なとき忘れ物をする自分、子供の頃、母親にマイペースなところを怒られていたこと。そもそもそんな自分であったけれど、大人になるにつれて、そういう自分がでないようにと、隠すために、見て見ぬふりを続けてきたものが募ってきてしまったのではないかとおっしゃっていました。

 忘れ物が多い自分の対応策として、いつも同じ鞄を持ち歩いていて、もしものために何でも入れているそうなので、重いようです。もし、毎日洋服に合わせて違う鞄を持つようになったら、忘れ物をしそうかもしれない・・・。車通勤をしているので、まだ重い鞄でも大丈夫なようですが。お財布も月1回使うか使わないかわからないカード類も何枚も入っていて、分厚くなっているそうです。しかし、重い荷物をいつも持ち歩いているので、「忘れちゃったかな…」と心配になったものが、鞄に入っていて助かったこともあったようでした。

 私が、「毎日非常袋を持ち歩いているかのようですね」と言うと、「職場の人にもそう言われました」と笑っておっしゃいました。
 仕事でも抱え込みすぎて、こっちもあっちもやっていきたいことが後回しになり、結局、後輩から「ちゃんと優先順位を付けてください」と注意を受けたり、日々の生活の優先順位もつけられないことになって、整理整頓も苦手のようでした。

 私が、「準備が苦手そうですね。想像力をあまり使っていないのでは?」とフィードバックしてみると、「そうかも! あまり想像力を働かせるってことしてないですね」とおっしゃいました。

 「ちなみに地図は読めますか?」と聞いてみると、「地図は読めます。行った場所などは映像で覚えていますし、あとからキーワードだけ言ってもらえれば、その情景を思い出したりすることもできるんです。あと、あの辺にあれがあったなど、なんとなく覚えているので、探し物は見つけます」とおっしゃいました。

 となると、想像力があるけれど、使っていない…。そんな脳の使い方が見えてきました。ここで、指、腕の組み方で調べる、簡易的な右脳、左脳診断をしてもらったら、「インプット右脳・アウトプット左脳」という結果がでました。まさに、そのとおりでした。

 つまり、すぐに左脳的な処理を求められると、時間がかかってしまうのかもしれません。時間がかかってしんどいな、というイメージがあるから、考えたくないので、とりあえず、「重い鞄」にしてしまうのです。となると、しんどくなるから、やらない。みてみぬふりをすることが増えてきたとも言えるでしょう。

 ここから、自分の脳の性質を生かす方法について考えていきました。左脳に落とし込むのに時間がかかるので、まずは、右脳で捉えるようにしていくと理解が早いのでは? ということです。

 インプットは右脳なのですから、図で描く。映像にする。とりあえず、書く作業をする。写メしておく。という方法で、取り入れるということです。「聞いたことを言葉に直してリスト作成をしてから取り組む」ことは時間がかかるので、感覚で理解できるようなアプローチをひと手間加えると言うことです。インプットするときを丁寧にすれば、一度行った場所を覚えているようなクライアントさんですから、感覚的な動きを加えることが、覚えること、忘れないこと、引き出しを作ることに役立つでしょう。

 思いきって、毎日違うカバンにする。小さい財布にするを実行してみることです。会社へ行く前に、1日でどんな動きをするか想像しながら持っていくものを決める。そして、最初は忘れ物をしてしまうかもしれませんが、こういうときに忘れるなということを感覚でわかってくると、段々と修正されていくはずです。
 何も考えないで済むからいつも同じ鞄だったところを、イメージに落とし込む作業を入れることで忘れ物をしなくなる自分を作り出すのです。これは、鍛えるしかありません。人間いつでも鍛えれば開発されるものです。

 それから、アウトプットまでの時間が遅くなりがちなことに関しての解決策も見えてきました。
 やはりインプットを丁寧にすることです。全体イメージを把握してからすると、左脳でのアウトプットも早くなるでしょう。
 以前に、『ひとみずむ』を書いてくださったクライアントさんなのですが、そのときは、書きやすかったそうなのです。普段、言葉にするまで少し時間がかかるのに、そのとき、すらすら書けたのは、最初にこんな感じで書こうかなと骨組みをイメージしてから取り組んだからだと、自分の成功体験についても思いだされていました。
 苦手だからで取り組まないよりも、苦手だけど自分なりの方法でアプローチを探してみようと柔軟に探していくことは大事です。いままで隠すことで隠れていた部分を、素のままでも対応できるようになるための回路が開通されたセッションでした。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

明日から小さなカバンにするとしたら、何を持っていきますか?


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