結果にフォーカスしすぎると、目の前のことに振り回されて、見落としがでる。

 「お店づくりについて」というテーマでのセッションでした。久しぶりにアパレルの内容でした。
ライフコーチングもビジネスコーチングも、結局、私がセッションでしていることは、「自分を客観視→視点を変える→行動の決定」なのだなと思います。店舗責任者をしているクライアントさんは、必死になりすぎて、大切なことを見落としていたということに気づいたセッションでした。

 新店で働いていらっしゃるようで、店舗責任者になって数カ月の方でした。2月は好調のようでしたが、3月になると不調になって、増税前ということもあり、予算も高くなっているようで、急なセッションでした。お申し込みフォームから、焦っている感じが、なんだか伝わってきました。

 まず、「お店づくり」について、現状どうしているのか? の話からです。
 毎日レイアウト変更に試行錯誤をしている。ウインドウに切りぬきを貼り、お客様に訴求している。とにかくやらないと結果にならないから、毎日いろいろと売り場に変化を作っているようでした。

 そのような売り場作りの中、3月のお客様はどんな感じか? をお聞きしました。
 すぐに売り上げにはつながらない感じで、SALEのお客様と再来店するお客様が多いとのことです。スタッフの接客は、きちんと行われているようでした。 

 ディスプレーで一番力を入れているところは何か? をお聞きしました。 
 手に取ってもらう機会を作りたいから、一番目を引きそうな服をディスプレーしている。お店の作り的に、目立つ壁があるので、そこにウォールデコレーションをしているとのことでした。

 現状をお聞きしながら、クライアントさんのお店の映像が私の頭の中に浮かんでいきました。そして、私が感じたことを伝えました。「色々やりすぎている感じがしますね。お客様にいかに入ってもらうか? に焦点を当てすぎて、世界観が伝わりにくくなっているのではないですか?」と。

 クライアントさんは、ハッとしていました。売上が急に下がったことに焦り、「すぐに買ってもらうようにするにはどうしたらいいか?」にフォーカスしたお店の見せ方になっているということです。

 人がお店に入るとき、パッと見て、あの1点が気になる! で入ることもあるかもしれませんが、大抵、「なんかこの雰囲気、私の着たい服がありそうだわ!」と言うところからではないでしょうか。それは、レストランに入るのも同じことです。私の仕事であるコーチ選びも、1点集中というよりも、総合的に決めるのではないかと思います。
「世界観」について、再度確認できるように、Parisの色々なショップの写真があるHPをさっそくメールでお送りして、一緒に確認をしました。

 「すぐに買ってもらいたい」そういう視点から作られた売り場は、どうなるのでしょうか? あまりとんがりすぎても、きっとお客様は入らない。だから、マネキンもわかりやすくして、マネキンの高さもお客様の目線に合わせて、低くしたほうがいいのではないか?とか、POPをどんどん作っているというのは、まさにその現れでした。言葉で訴求して、買ってもらうようにしているということです。POPが多いのは、セールのイメージです。クライアントさんが、本来やりたいお店づくりから、どんどんかけ離れてしまっていました。

 そして、「買ってもらうように」にフォーカスしているということは、お客様を信じていないと根底で思っているような雰囲気もお店全体に暗に醸し出してしまいそうです。
 ある意味お客様を信じることが出来ないと、世界観は作りだせないのでしょう。「自分できっと見つけてくれるだろう」と委ねることも必要だと思います。そうやって、自分で見つけてもらえるような売り場をつくることが、世界観ということへもつながりそうです。

 そうクライアントさんと話していて、私のビジネスも全く同じだなと思いました。結果がでていない・・・と焦ってしまうと、いろいろごちゃごちゃとやってしまって、お客様のことも信じられなくなってしまう。今すぐ手に入れたいという結果主義は、目の前のことに振り回されて、自分の価値に気づかないことも引き起こしてしまいそうです。

 セッションを通して自店舗を客観視出来たようで、「焦って空回りし、色々取り入れ、お店の打ち出しに焦点をあてていませんでした」と、最後におっしゃっていました。

 どこに試行錯誤をするのか? フォーカスが変わったことで、行動も変化し、望ましい方向へ変わっていくのではないかと思います。しかし、それというのは、クライアントさんがやってみたいと思うお店づくりそのもののことでした。大切なことを思い出せたようです。


今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

結果にフォーカスしすぎていませんか?