苦手なことだと気づいてしまったけれど、辞める選択肢は自分の中にはなく続けることを考えたい。

 自分の気持ちがわからなくなってしまうことがあって、カウンセリングで話を聴いてもらうことによって、以前よりは落ち着いてきたようでした。しかし、聴いてもらっているだけでは、その先どうしたらいいのか? ということが見えないとのことで、90日コーチングのご依頼を頂きました。

 「自分の気持ちに素直になりたい」ということが最初のテーマとしてお話しされていたのですが、段々とお聴きしているうちに、突破口を探している、ということが浮き彫りになりました。

 「今の仕事は、苦手なことだと気づいてしまったけれど、辞めたいと思っても、辞める選択肢は自分の中にはなくて、続けるとして、もう少し面白みを感じたい」とおっしゃいました。
 つまり「辞める」ということに素直に応じる、というよりも、続けるとして、自分自身がこれからどのように成長をしていけばいいのか? という話になっていったのです。

 例えば、恋に落ちるよりも、愛することをいかに続けていくか? のほうが難しいこと。親子関係ならば、基本的には、自然と続けていくようなものですが、仕事や結婚など、辞めることもできることに関しては、「いかに続けるか?」という選択をしないこともあります。
 ですので、クライアントさんは、「続けていく」とおっしゃっているところに、半ば覚悟のようなものも感じて、私は助けになれたらいいなと、思いました。


 実は、私はコーチの仕事が向いていないのではないか? と独立してから思ったことがあります。しかし、辞めるという選択肢は、私の中にもなくて、どうしたらもっと傾聴ができるようになるか? を追求するしかなかったのです。会社も辞めてしまいましたし、私の中では戻る選択肢もありませんでした。

 「逃げる(やめると)とまた繰り返すのではないか?」「これは、逃げなのではないだろうか?」そういう言葉をセッションのなかで、男女問わず何度も耳にしたことがありましたが、そこの見極めは、一体なんでしょうか?
 自分自身を振り返ってみると、自分にあうレッスンの場に向かうために、やめる選択をすることもあるという感じがしています。結局、自分が学んでいなければ、物の見方も、言動も同じですから、また繰り返すことは必然です。ですので、この場所で突破するんだと、どこかで決めれば、いいのだと思うのです。

 私の次のステージは、周りの人たちを幸せにすることを考えることが次の自分の成長へつながることでした。私の中で、そういうステージアップがあると見えてきたので、辞めるという選択肢にはなりませんでした。

 今回のクライアントさんは、コミュニケーションスキルを磨けるのびしろがありそうでした。
「疲れる人とは関わらない」から「我慢して関わる」という段階に今いらっしゃるようです。となると次は「相手を理解するには?」という段階が見えてくる気がしました。

 「自分の気持ちがよくわからない」と最初におっしゃっていましたが、相手に合わせようと我慢してそうなってしまったのか? それとも、相手を尊重してそうすることに決めたのか? 自分の在り方を持つことで、迷いは減りそうです。
 クライアントさんは、「心が広い人になりたい」とおっしゃっていました。つまり、「コミュニケーション力を磨くこと」が一つの課題として挙げられるのかなと思いました。

 「なぜ、自分の気持ちがわからないのだろう」というところで、グルグルしていらっしゃったのですが、カウンセリングで、スッキリする体験をなさっているということは、気持ちが少しでも話せている現れのようです。
 これからは、「相手のために」という視点を持つことで、グルグルから突破するきっかけになりそうです。


 最後に、初めての対話でしたので、ご感想をお聞きしました。「堀口さんにコミュニケーションって言われたけど、素直に受け取れていない自分もいます」とおっしゃっていました。

 私も、相手に言われたことに「?」となることは、良くあります。しかしそういうときは、「なんだか、ピンとはこないな。でも、そう見えたようだから、ちょっと片隅に置いておこう。いつか、そう思うこともあるかもしれないし、思わないかもしれないし、どっちでもいいや」としておきます。
 「堀口さんは素直ですね」とよく言われたりしますが。いつも検証中なのです。(笑)


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

どんな自分になりたいですか?