自分に自信を持つには?

 「自分に自信を持つには?」というテーマでのセッションでした。
 それがテーマになったきっかけは、5,6人のとき、どちらかというと聞いていることが多く、自己開示することの必要性を感じるのだそうです。でも自信がないから喋れないし、自分の発言が素晴らしいものではないし、私の話なんか面白くないだろうと思い、話すのをやめてしまう自分がいるようでした。
 本当はおとなしいわけではないのに、しゃべらないから、おとなしい人に思われていそうとのことです。

 ここで見えてくるのは、受け取る相手のことを悪く考えてしまうというのと、自分が話すことが苦手だと思っているということです。
 これは、よくある「話すことが苦手」な人に共通する思い込みです。その場合、自分を心理的に楽にさせたり、相手にも「なになに?」と注意を向けてもらえるようにするに工夫するのも手です。

 「初めて話すことだから」「まだ、まとまってないんだけど」と、枕詞みたいなものをつけることで、自分を心理的に楽にしたりできるし、相手にも「え、なになに?」と耳を傾ける態勢をつくりだすのです。

 映画のあらすじを語るときには、私もたいてい1回目は、あまりうまくいきません。人は、自分の考えを初めてアウトプットするときには、そういうものなのです。最初からうまくいかないのは当たり前と思って、自分のハードルも下げてしまえばいいのです。

 クライアントさんに、そのセリフを教えると、「そうですね。そうすれば、おどおどしなくなりますね」とおっしゃっていました。とっても簡単なことですが、「面白い話しをしなくちゃいけない」と完璧さを求めてプレッシャーになりがちな方には、考えつかない言葉のようです。

 そもそも、子供の時から話すことは好きではないようでした。今、子育てをしていらっしゃるクライアントさんなので、子育ての本を読んで、「自分に自信がないのは、子供時代の育て方が理由」とよく書いてあるから、そうだったのかなとは思ったことはあったのだそうです。でも、今わかっただけで、何の解決にもならないと思っていたようでした。

 自分がそうなってしまった原因探しが必要と思いこみ、「大人としての自分はどう行動をとっていくのか?」というところが、なかなか思いつかない方も少なくありません。原因が分かったことで癒されるかもしれないですが、大人としてどう行動を変えて行くのか? 新しいアプローチを見つけることも必要です。


 次に、「自分に自信を持てないのは、自分のことをありのままに受け入れることができていないかもしれない」ということについても考えました。
 いろいろお話しを聞いていくうちに、クライアントさんのなかで、「評価する」というパターンが見つかりました。
 受け入れるというのは、評価せずに、ありのままを認めるということです。
 「眠いのね。じゃあ、寝なさい」「やりたくないのね、じゃあ、やらなくてもいい」ということなのです。これができないと、自分をいつも責めることになり、結果的に自分に自信が持てなくなることでしょう。


 「自分で自分のことを褒める? っていうのはどういうことでしょうか?」とクライアントさんがおっしゃいました。私は、「『褒める』というのは評価が加わるので、『ねぎらう視点』をもつこと」と新しい視点を提供しました。

 例えば、「3歩進んで2歩さがる」を「ねぎらう視点」で言うと、なんでしょうか? ポジティブに言うと? ネガティブに言うと? ねぎらい(ニュートラル)で言うと? と3つ考えて頂きました。
 クライアントさんは、ポジティブに言うと、「3歩も進んだね」。ネガティブに言うと、「2歩さがってしまったね」となりました。そして、ニュートラルに言うと? と聞いてみると、「2歩さがったけど、1歩の前進はあった」となりましたが、これは、ポジティブな言い方と変わりありません。

 「ねぎらい」(ニュートラル)な視点で見ると、この現象は「5歩歩いた」なのです。ここには評価がなく、歩いたというプロセスを認めているだけになるのです。
 このニュートラルな視点を獲得できれば、自分に自信が持ててくるのだと思います。「評価を伝えるのではなく、プロセスそのものに着目する視点」です。また、これこそ真実なのだと思います。
 自分がねぎらう視点を持てれば、相手を見るときもねぎらう視点でみられるので、子供の自信を育てることに役立つと思います。


 さらに、「自信があるとき」についても考えてみました。会社で発表に向けて準備をしたときには、自信が持てるそうです。しかし、準備不足のときは、「今日はうまくいかなかった、ごめん」となるときもあるそうです。
 クライアントさんの中で、「準備していると自信につながる」というポイントも見えてきました。

 日頃、5,6人のグループでのおしゃべりに自信が持てないのならば、日頃からネタの準備があれば、話してみようかなという自信につながりそうです。
 1日1ネタを集めていくという課題が見えてきました。きっと、ネタを集めようと思えば、育児以外にも、ネタはいっぱいあることに気づくのだと思います。面白そうな商品を見つけたとか、入ったことのないお店に入っただとか、色々あるでしょう。

 試しに、最近のWhat's new? についてお聞きしてみたら、とても素敵なお話を聴くことができました。コーチングの準備用紙にも書いてあったので、準備もできていたのかもしれません。


 自信というのは、ありのままの自分を認めることと、日頃からの準備が大切ということなのでしょう。
 すごく、シンプルなところに自然と着地していった感じが、私もセッションをしていてとてもスッキリした感じがしました。クライアントさんも、これから新しく行動を変えてみるところも具体的になり、スッキリとされたようでした。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

ありのままの自分を受け入れていますか?