パートナー対して不満がある。近くにいるのに心は遠いまま。納得できる距離間を作りたい。

 「パートナー対して不満がある。近くにいるのに心は遠いまま。納得できる距離間を作りたい」というセッションでした。これまでのセッションでは、仕事の悩みが軽くなり、いよいよ本題のパートナーとのことへ自然と流れてきました。

 以前のセッションでも、ちらほらとでていて、私のフィードバックがご自身の気持ちと一致したことで、ハッとしたようでした。相手に近づきたいけど近付けない。だけど家業を手伝っているので、他の夫婦より長く時間を過ごしているという事実。悩みはやはり心の距離感のことなのでしょうか。もうすこしご自身の違和感について具体的にしていきました。

 なりたい自分のような存在だから、結婚をした。近づきたくて真似をするけど、そこまでパワーはないし。彼ほどの能力があればいいのに。でもそんなことを思う自分の理想が高すぎるのかもしれない。だけど、平等でいたい。相手の上から目線にいらっとすることがある。ライバル意識を抱いているのか? 一緒にいたいから、相手が休日でのんびり過ごしている時に自分ものんびり過ごしてみたけれど、満足を得られない。そこでひとりで自分のしたいことをするけど、満足を得られない。遠距離恋愛のときは、あまり会えないから自分のしたいことをするようにした。寂しいけど寂しいと言いたくないし。そのうちに自分のやりたいことをしすぎて、会うことがおざなりになって、相手にスケジュールを合わせてくれと言われたことも。結婚してから共通の趣味をやりたいけれど、やりたいことが違うことが多い。違うのだと頭では納得するが、拗ねている。しょうがないと思えない…。

 クライアントさんは、相手との距離感を掴もうとして、いろいろと行動にでていらっしゃるようです。しかし、いまでも心は遠い存在のまま。一体、どうしたら近付けるのでしょうか?

 一方、パートナーは自分から誘わないタイプなのだそうです。クライアントさんがやりたいことをやって疲れて帰ってくると、「よく自分から出かけるね」と言われたことがあるとか。

 たまたまセッションの日にパートナーを足湯に誘ってみたら、この日は「後で散歩がてら行こう」と第2案を出してきたようです。前回のセッションで、「いつでも自分から近付こう。とりあえず誘い続けてみたら」という考えが出てきたので、それからクライアントさんも声をかけるようにしたそうなのです。相手が無理なときは、一人で出かけることも迷い気味のようでしたが、最近は出かけてみて良かったことがあったようです。

 気持ちは一緒にいたい。相手のやりたいことよりも、自分のやりたいことを一緒にやっているほうが満足感を得る。でも、誘っても断られることもあるし。断られると「ひとりでできるもん」と思いながら自分の趣味をする自分は、どっちがいいのかわからないほど極端なところがあると、自己分析されていました。

 一体、どこにパートナーと自分の向き合い方の納得のしどころが見つかるのか? クライアントさんがいろいろ試したことでは自分の納得感が得られないのですから、まだ試していないことにあるのでしょう。そう私が投げかけると、「楽しいことは身近にあるとよく言いますよね。私は仕事で行き詰まったとき、楽しいことを見つけようとパーソナルカラーの勉強に2時間半かけて他県へ行っていました。だけど、距離長すぎるという理由で、お金かけたのに辞めちゃう自分は悔しいですよね。だからと言って、勉強するぞーまで意気込んでいなかったし、遠くに探しに行きすぎですかね」とクライアントさんがお答えになりました。

 ここで、クライアントさんが試したことのないアプローチがご自身の答えから出てきたのです。「もっと近くで楽しみを見つけられる事に取り組むことですかね」と。
 汗をかきたいために山まで行かなくても、以前やっていたスポーツの教室が近くにあるのでそこで汗をかくこと。パートナーは家業をしているし、地域とのつながりを大切にすること。近くに友達はいるけど、遠慮しているので、断られることもあるかもしれないけれど、誘ってみること。

 クライアントさんは、最初のオリエンのときに「自分の気持ちがよくわからないので、話すことで気づきたい」とおっしゃっていました。3回目の対話で私が感じたのは、オリエンのときよりも話す量が増えていることでした。「話してみることで自分の本音に気づける」ということを、セッション後の行動の変化、感じ方の変化を体感されて、そう思われたのかもしれません。私としてもセッションが順調に機能されているのを感じて、安心しました。

 
 そのままの話の流れで、お仕事の話へも進みました。家業を手伝われているので経営者として従業員と接していらっしゃるようですが、ここでもやはり距離感が掴めずにいるようです。

 仲良くなりすぎてもどうかと思うし、いまの感じでちょうどいいと社長も言うようです。しかし、敢えて人と距離をとっている感じもして寂しいような。もうちょっと近付きたいけれど、近づくと疲れる。ちょうどいい距離がわからないとのことでした。
 少し前までは、いい人を演じようと気を使い過ぎたことがあって、今は距離を保っているようになったようです。クライアントさんが話しながら、「次の段階なのかもしれませんね。もう少し近づいてちょうどいい距離感を見つけようと思います」とご自身でおっしゃいました。もうご自身で答えがわかっているかのようでした。

 こんな話を聞いたことがあります。「話しかけた植物の方が育つという話。バカと話しかけたほうがまだましで、無視はよくないらしい」と。
 するとクライアントさんが、「見て見ぬふりをしないようにします。話しかけることを増やしてみます。私は、自分のこれからの行動に関して、人から後押しをされたいところがあるのかもしれませんね」とおっしゃいました。

 最後にあと3分ほどあったので、ご質問が。
 「GW、旦那と両親との間で気疲れしました。旦那が気疲れしていないかな? と気になったのも自分が気疲れするからです。一方、出かけすぎてもあまり面白くない顔をする両親。家にいた方がいいかなとも思ったり…」と。クライアントさんは、相手に気持ちを聞かず、顔色で勝手に判断していたことにはご自身で気づかれていました。

 私は感じたことを伝えました。「聞いてみればよかったですよね。でも、相手もきっと楽しんでいるに違いないって信じることもできますよね。『大人なんだから、自分で楽しくしてよね』って思いますし。(笑)自分がエンターテイナーになる必要はないですよ。それぞれの感じ方の責任ですから」と。

 私がクライアントさんの代弁のような「自分で楽しくしてよね」と心の台詞を言ったことで、クライアントさんも気疲れの荷が下りたそうです。これは果たして、「自分が近くで楽しいことを見つける」にもつながってくるのかなと思いつつ、セッションが終わりました。


今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

背中を押してほしいことはありますか?