技術もついてきているのに自信がないのはなぜか?

 「べったり疲れているので、今日は自分で自分を承認することをしたいです」と最初におっしゃいました。前回のセッションから1ヵ月後、3回目のセッションです。いつもアイスブレイクなしで、いきなりセッションが始まる方です。(笑)私もそれでOKですし、60分を有効に使うことができますね。「えっと、今日は…」とクライアントさん主導権でセッションがスタートしました。

 現在の仕事を始めて3年目となり、なんとなく「離れたい」気持ちがここ最近湧いてきたようでした。始めた頃は、未熟ながらも使命感を持っていたけれど、今は技術もついてきているのに自信がない感じがしていて、持ち直しとグジグジ期を繰り返し、悶々としている。悶々は、時間ではなおらない気もしていて、仕事場を離れたい感じを抱くそうです。

 現場は本部に引っ掛け回されている状態で、信頼関係が持てないのに本部が色々と変えようとするそうです。 現場も色々とやっているのに、そんなことをされては悔しい気持ちがして、現場もどうだ! と新しいものを導入してみたら、「よくなったじゃない!」と本部からの褒め言葉。だけれど、現場全体はそんなことを言われても嬉しくない! となっているそうです。私も店舗で働いていたので、クライアントさんのそんな気持ちよくわかるなと思いながら聴いていました。

 そんなこともあって「離れたい」という気持ちになって、けれども他人軸で辞める感じは問題がこれからも付きまとうのではないかと思うそうで、他人軸がきっかけは、あまりよろしくないのではないかと思ったようでした。

 クライアントさんは、私のフリーダウンロードの『かないずむ』を読んで下さったようで、私がアパレルを辞める頃のことが、この状態と似ているのではないかということで質問をされました。
 「 ひとみさんが、アパレルをおやめになる頃、ブログも1位だったのに、社長にダメ出しをされたくだり、差し支えなければ、どう気持ちを整理したかなど詳しくお尋ねしたいです」と。

 確かに言われてみたら、外食産業時代もアパレル時代も、辞める決定打的なものは、上司に注意を受けたり、ダメ出しされたり、会社とうまくいかないなと感じていた頃でした。
 しかし同時に、次の場所へ行くための背中を押してもらえる出来事でした。決定打を引き寄せたようです。
 クライアントさんに経験談をシェアすると、そういうのもありなのかと、ニュートラルな捉え方になっていきました。ちょうど、友人のお店を手伝う話が来たそうなのです。しばらくは両立もさせてみようかなと、思ったようでした。

 また、仕事の話に戻りました。「今は技術もついてきているのに自信がない」と言うことについてです。仕事は慣れたけれど、妥協できない、細かいところにまで目が行き届くようになったことが、緊張感にもつながっているようです。

 私もアパレル3年目くらいには、接客がかなりできるようになっていました。その辺りから余裕が出てきたので、コーチングも勉強し始めました。そして、接客にコーチングが使えると思い、「コーチング接客」を試してみたのです。すると、客単価が劇的な伸びを示しました。そして「カラー診断」を体験したことから、接客にも使えると思いこちらも試してみたのです。そうしたら、また客単価がアップしました。ありがたいことにロングセラーの私の接客DVDは、接客ができるようになった人がさらにスキルアップするために開発したものなのです。


 私がコーチングの仕事を始めて3年目の頃、ビジネスコーチングしかできない自分は、これから新たに何かを学ばないと、成長がストップするだろうなと、なんとなく感じ始めた頃でした。何が足りないのか? わからなかったのですが、とにかく自信がないことだけは確かでした。
 4年目になって、「今までと違うアプローチ」を試みることが、私にとって足りないことだと気づき、自分が必要だと思う課題に取り組みました。
 それから7年目に『me,too』ができて、ようやく「傾聴」はOKと思えるようになりました。8年目の今は、英会話を集中的に頑張りたい気持ちなのですが、これも未来につながる「点」なのだと捉えています。

 つまり、「プロフェショナルになっていくプロセスにいる」と捉えてみるとどうでしょうか。
 悶々としているのならば、成長ののびしろがあるし、可能性の世界にいると言うことです。私にとっては「これでOK」が「まだ浅い」になっていくことばかりで、辛い日々でしたが、のびしろがあると感じるから、そこへ向かっていくしかなかったのです。

 クライアントさんも「のびしろがあるってことですね」とご自身のことを客観視できたところで、次のテーマにも進みました。

 「最初は、べったり疲れていたので、堀口さんにも承認をしてもらおうと思っていたのですが、自分で話しながら持ち直しました(笑)」とおっしゃっていました。
 否定されたり、ジャッジされることなく自由に話すことができれば、勝手にあがっていってしまうものですね。(笑)

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

今の課題は何ですか?