もう不要かもしれないのに、不安で持ってしまうとき。

 副業で既に自分の仕事を始めていらっしゃって、来年に本業にして行こうと考えている方のセッションでした。
 やりたいことは決まっているけれど、やりたいこと1本でやるのは難しいと感じており、もう一つの仕事もしているそうです。また、本業の方も忙しくなっていて、一番やりたいことに集中できていないフラストレーションも溜っているとのことでした。

 セッションの1つめのテーマは、「どういう世の中になっていたいか?の答えが曖昧なので考えてみたい」ということでした。
 一番やりたいことに自信を持って取り組めるように、揺るぎない理由があるといいのではないか? というところから、考えてみようと思ったようです。
 しかし、クライアントさんが最初に「曖昧なんです」とおっしゃっていたので、色々と思いついている断片を話してみても、やっぱり曖昧で、話しているうちに「色々バラバラしてきましたね」とおっしゃったので、それは置いておいて、次のテーマに進むことにしました。

 「何を提供できるか、を考えたい」ということでした。今は、本業と2種類の副業です。誰かのサポートをするのも楽しいし、絞ろうにも絞れないとのことでした。
 一番やりたいことに関しては、実際にプロでやっている人はいるけれど、自分がなりたい形と違うような気がして、モデリングしたいひとも見つからないから、イメージがつきにくいとおっしゃっていました。


 私はここまでの話を聴いて、迷いや不安がいっぱいあるように感じてきました。

 自分の価値についても、対話を進めていきました。本業では、自分の仕事を抱え過ぎて、引き受けすぎるということ。副業のほうも、「絶対にあなたにやってほしい」で依頼されるよりも、「知り合いだから、安くやって」という理由で、紹介を受けていることの方が多いとおっしゃっていました。
 「あなただからお願い!」。おそらく、その境地にならないと、独立しても難しいのかもしれません。やはり、「深めること」はクライアントさんも感じていらっしゃるように必要なのでしょう。

 最近、クライアントさんが一番やりたいことをしている人のトークショーと展示を観に行ったとのことでしたが、その展示会を開くのに、「2週間×7回の旅行をした」とそのプロが言っていたことが、とても印象的だったようでした。

 そこから「どこにエネルギーを注ぐか?」の話になっていったのです。

 私も独立してから、色々なメニューをやってみましたが、結局「コーチング」のみになっています。
 アパレル店長として結果を出したのだから、コンサルタントもできるのでは? というのも、一番に思いつきそうなビジネスモデルですが、2回やってみて、自分の中で無駄にエネルギーを使っていると感じてしまったので、あっさりと手放しました。1回のチャレンジ、2回目のリベンジまではしましたが、もう3回目はしませんでした。そうやって、どんどん絞っていくことは、私にとって、深めることにつながっていきました。深まっていくと、自信も感じられるようになってきたのです。

 つまり、クライアントさんに必要なことは、「どこにエネルギーを注ぎたいか? 整理していく。不安だからで持ったものを段々と手放していく」ということなのかもしれません。

 私のメンターが、「成功していない自分を認めることになるから、成功哲学の本は捨てました」と独立前のメールのやりとりをしていたときにおっしゃっていたことは、潜在意識のことについて言っています。
 自分の持ち物=不安  を表わしているものもあるのではないでしょうか?タイミングを見計らって、断捨離をすることは、自分にOKを出す行動につながるのです。そして、次の展開を迎えるでしょう。潜在意識というのは、そうやって宇宙にエネルギーを発しているのです。

「これは、私じゃなくてもできる。他の人に任せよう」
「もう、十分学んだので、必要なくなりました」と、手放していくことです。

 クライアントさんは、「自分がこれをやるんだ!」という確固たる理由を探そうとされていましたが、60分対話をしてみると、「シンプルにしていく」という行動に着地していきました。

 そして、クライアントさんが、最後にこうおっしゃったのです。
「今朝、いてもたってもいられず、ヤフオクに高価なものを出したばかりだったんです!」と。心は先に気づいていたんですね。

 頭で理由を考えるよりも、自分がとっているその行動が、エネルギーになっていくのです。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

もう必要ないかもしれないのに、不安で持っているものはありますか?