決めなきゃと思ったのに、何も決められない感じがする。何からしていけばいいのか?

 「決めなきゃと思ったのに、何も決められない感じがする。何からして行けばいいのか?」とクライアントさんが、セッションの途中でおっしゃいました。コーチングを受けてみようと思う一つのきっかけに、「これはもう自分ではどうしようもできない気がする」というような事件、出来事が起きたときというのがあります。今回のクライアントさんも、安定していた仕事のなかで、自分にとって、きっかけ、となるようなことが起きたようでした。自分だけで抱えているよりも、人に話しただけで、気が楽なことはあります。そこにまた、「新しい見方」も加わることで、今までよりも自分の世界が広がっていったりもします。話していながら、ちょうどそんな風にして、選択肢が広がってきたタイミングで、冒頭の言葉が出てきたのです。

 今までそんなに変わってこなかったのに、急に新しい自分になる必要があるとき。
 私は、アパレルに転職して1年くらいしたころに、そう思い始めました。どこから自分を変えて行けばいいのか?と自問自答したとき、会う人を変えて行こうと思いました。知人を通し人脈の広い人を紹介してもらったのが最初でした。自分とぜんぜん発想が違うことに驚き、そんな発想で人生を過ごせていけたら、すごく変わるだろうなと思いました。それから、今まで足を踏み入れたことのなかった、ビジネスのセミナーなどにも行きはじめたのです。社会人になったら、そうやって自分で勉強する場所に行かないと、勉強する機会というものはほとんどないものです。どんどん会う人が変わってゆき、自分の出かける場所も変わり、自分の中で理想と思っていた、山手線沿線へ引越しもしたりしました。あるときから、某牛丼屋さんへ入らなくなりました。着る服に関しては、アパレルにいたことで、選ぶものが当然変わりました。


 私はいきなり新しい行動をすることに、あまり抵抗のないタイプです。人になんと言われるかとか、関係ないと思える方で、むしろ激変のほうが、柔軟性があって、面白いように思います。久しぶりのクラス会に行くと、誰だかわかられないということもありました。

 変わるときは、自分の中に新しい自分をイメージします。そして、理想の自分が選ぶ行動をその都度とっていくようにするのです。昔の自分がなにかを言おうとしても、それは無視していきました。変わりたい自分の望みを叶えるためです。そうすると、段々とセルフイメージの変化へとつながり、周りで起きることも変わっていったのです。

 そうやって自分を変えてきて7年くらい経過したころに、昔の自分のセルフイメージが、さらに望みを叶える段階へ行こうとしている私の足を、なんとなく引っ張っている気がしたことがありました。昔と今を統合させることが必要な感じに思えました。そこで、昔の自分を今の自分から見て再評価をしてみたら、変わってきた自分の「種」となるものは、実は昔から持っていたことに気づくことが出来たのです。そのとき、本当の自分になったような、そんな心境になりました。

 私の話をシェアしながら、自分の昔のことを振り返って考えるという習慣のなかったクライアントさんが、大学時代のことを思い出していました。本当はなりたかった職業についてです。しかし、あまりにも今の仕事が長いため、「そうですね!やってみます!」というふうに、クライアントさんは、なりませんでした。

 「自己啓発の本とかを読んで、そうだなとは思うのですが、この人たちは自分と違うから出来たんだと思っちゃうんですよね。そういうとき、堀口さんならどう考えているんですか?」と訊かれました。
 「私は、同じ人間ならできるって思っちゃうんですよね。この人が出来たと言うならば、私もできるって」と私は言いました。
 クライアントさんが、「その発想は僕にはなかったですね…なるほど!」と重く感じていたところが、軽く感じられたようです。
 そして、「同じ人間、って思えてなくて、自分は特殊な人間だって、ある意味思っているところに、今気づいてしまいました」と続いておっしゃいました。

 ところで、松岡修造さんが着ていた「できる」と縦書きで書いてあったTシャツを、先日たまたまネットで見ました。アパレルの方でしたので、まずは「できるTシャツ」をアイロンプリントで作ってみたらどうですか? と、冗談半分ですが提案させていただきました。(笑)

 行動がセルフイメージを変えます。「何も考えずにやること」が、大人には難しくなっているのかもしれません。



 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

できる!と思ってとりかかろう。