要領がいい人は「軸」の持ち方に秘訣がある。

 ある個人種目の選手のコーチングを初めてさせてもらっています。プロ試験をパスしたばかりということで、スタートダッシュのサポートをしています。
スポーツも、マインド的なところが重要で、行動にも結果にも関わってくる、とセッションをしながら思いました。

 とくに、どこに「軸」を置くかによって、パフォーマンスやアウトプットは変わってしまいます。要領がいいと言われる人は、どこに視点や軸を置くかの掴みどころがよいのかもしれません。

 競技をしているときのテンションが上がるスイッチについて話していました。
現状は、対戦相手のゲームの運び方に対して、腹がたったりしたときに、負けず嫌いな性格のスイッチが入って、「なに?!やるぞ!」となり、やる気がどんどん増すというパターンなのだそうです。

 腹が立つとかイライラするところがスイッチになったり、相手に左右されないで、自発的にテンションが上がるスイッチを持つにはどうすればいいか?について考えていきました。

 私は、スポーツ以外でのスイッチを聞いてみたくて、「勉強をするときのスイッチは何か?」と質問しました。すると、勉強のときは、周りは関係なく、自分が分からないことを知りたいという欲求から、スイッチが入るパターンだと気づかれました。

 そう考えてみると、「テンションが上がる」というのは、何か外側からの刺激に対して上がっている状況で、自分でスイッチを見付けるほうだと、「モチベーションが上がる」という言葉のほうが、マッチする気がします。

 要するに、「自発的にスイッチが入るために何ができるか?」について考えていけばいいのです。それは、個人競技で点数を競い合うものなので、対戦相手がやっているときに、左右される必要は実はありません。ビジネスで言ったら、営業や販売の仕事と同じですね。その人は、そこにまず気づいていませんでした。いつも、相手が気になってしまって、左右されていたのです。

 自分に集中するために、1回ごとの試合で、自分なりの目標設定をしたり、相手がやっているときは、自分のイメージを膨らませる時間にしたりできるわけです。そうするれば、相手に左右されない自分になれそうだと、気づかれていました。

 
 もうひとつ、販売員のセッションでも、どこに「軸を置くか?」という話があったので、シェアします。

 自分の接客がうまくなるようにと、ベテラン販売員の発言や行動をいつも観察しては、自分もやってみようと試みるらしいのですが、うまく行くときと、そうでないときがあるようでした。自分の中では、しっかりと観察も実践もしているのに、どこか要領が悪いような気がしてならない悩みが、セッションのテーマになりました。

 いろいろとお話しを聞いてみると、とても真面目な方のように思いました。自分は要領が悪い方だからと、1から10のやりかたをしっかりと組み立てて、その通りにこなすように、いつも考えて行動しているタイプのようでした。

 実は、それが要領の悪いところかもしれません。決まりきったことをする場合には、1から10までしっかり組み立てるのはいいことですが、相手が十人十色で、マニュアルが作れないような現場では、教科書通りにやる方が、返って要領悪くなると、私は思っています。

 「何を話そうか」いつも用意しているパターンでは、自分が発する言葉、行動に焦点が当たりすぎです。販売の仕事は、お客様が主役ですから、自分が何を話すのか?に、着目しすぎない方がいいのです。要するに、相手が何を話しているか?相手が何を欲しいのか?相手が話しきったあとに、相手に必要なことを言えばいいのです。

 コーチの仕事も同じことが言えると思います。クライアントが話している途中に、「この質問をしてみよう」と質問を用意していては、きっと相手に質問がピンポイントで届きにくいと思います。自分がどんな質問を言うか?ばかりに注目しているうちに、相手の話が聞けていないと思います。

 接客でもコーチングでも、私は、自分がいかにリラックスしているか?に焦点を当てています。自分の体の感覚がリラックスしているときの方が、相手の本音を引き出せるからです。

 自分に焦点を当てるか?相手に焦点を当てるか?それだけで、言動は変わるものなのです。両方やってみればいいと思います。アウトプットが変わる体験ができると思います。

 要領の良し悪しは、視点の持ち方の柔軟性と比例していそうですね。
今考えている視点と間逆の方向は、いつも考えてみる柔軟性を持ちたいものです。色々な方向から考えて、自分が一番しっくりくるところを自分で模索することが大事な気がします。


今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

あなたの決定は何が軸になっていますか?


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