自分のぶれない軸、相手への配慮についてのバランスをどう取るのか?

 相手の軸に持っていかれない、自分の軸がぶれないでいられる。そんな状態になるにはどうしたらいいのか?というテーマでのセッションでした。
 
 クライアントさんは、今年は「誠実」に仕事に取り組みたいとおっしゃっていたので、会社にとっても、お客様にとっても「誠実」であるために、「ぶれない軸、配慮について」ということをテーマにしたようでした。

 お仕事で、交渉するときに、相手に軸を持って行かれそうになる場面があるそうです。
 また、お仕事以外にも置き換えられるでしょうか。いつも相手のいいなりになってばかりで、自分の軸がグラグラしていると感じている方も少なくありません。

 相手への配慮と言いながら、相手に偏り過ぎて、あとからストレスになり、逆に頑なに「自分は絶対こうですから」と自分本位になりすぎて、相手とのつながりが切れてしまうこともあるかもしれません。
 軸はどうやって持ったらいいのでしょうか?

 自分の会社の方では、こういうときはお断りするとか、決まっていることがあるとします。しかし、相手に色々と言われて、この受注が台無しにならないようにと、どんどんギリギリの線で、仕方なく相手の要望を受け入れる…。そんなお仕事の仕方ばかりをしていても、あまり気持ちよくないですよね。


 ぶれる時とは、どんなときなのかと聞いてみると、いいなりになりかけている、嫌われたくない、よく見せようという気持ちが作動している時。
ぶれない時とは、グレーゾーンだった部分をはっきりとして、ルールを徹底出来たとき、と言っていました。

 自分のルールの方を徹底することは、自分を大切にすることです。ここは軸として持っておきたいですね。しかし、最初からルールを相手に伝えても、相手はなかなか話がしづらくなってしまうでしょう。自分、自分となるのも、子供っぽいです。
 では、どうしたらいいのか?

 私は、我慢しないで、言いたいことも言った方がいいというタイプでした。今でも、そうですが、「言うタイミング」が昔とだいぶ違うと思います。

 会社員時代、上司に対しても自分の思いをよく言っていました。でも、あの時はバランスがちょっと自分の中でも悪いような気がしていたことは確かです。「私は絶対にこうです」と最初に言ってしまうことで、相手の発言の余地を全く提供できていなかったのではないかと、今、振り返ると思うのです。

 でも、言いたいことは我慢しないで言った方が、いいと思います。そうやって、言っていく中で、「ああ、失敗しちゃった」と当然なるのですが、反省して行く中で、相手にも配慮できる「軸」というのが、段々と体でも頭でも分かってきたのです。

 そんな、失敗しすぎの私が、段々気づいたことをシェアしますと、「相手の話を最後まで聞くこと」がどの場面でも大切だということです。

 最後まで聞こうとすると、相手の話の途中で、「え?」と思うことが起こることもあるでしょう。でも、ずっと相手のことを立てるようにして、話を聞き続けます。

 「え?」と思っているのは、自分の中では、想定外になっているようなことですので、気のせいです。相手が「こうなんです」と言っていることは、相手の中での想定内のことですから、そこは「そうですか、なるほど」と聞き続けることだと思います。

 コーチの仕事をして、自分の中での想定外のことはたくさんありました。「え?」と思ったら、昔の私でしたら、「そうじゃなくて、私はこう」と思わず言いたくなるところですが、今は、「私はこう思っているけど、そこは別に正解とか不正解はないよね」という「どっちでもいい」というように聞きます。だから、どの会話も全くストレスがありません。

 以前の自分を考えると、相手の目を見て、話をちゃんと聞いてはいましたが、「ストレス」に思うこともあったので、「どっちでもいいか」となれている今の方が、はるかに楽だと、実体験で思います。

 その、「どっちでもいい」というのが、軸になっているのです。
そんな話をクライアントさんにしたら、「免震対応ですね」と言いました。
地震は起きてほしくはないですが、高層マンションは、揺れるようにして軸を保っている。確かにそうだなぁと思いました。
 
 なので、相手はたくさん話を引き出された上での、こちらの説明ならば、相手にヒットするように伝わる話ができるから、交渉はやはり上手くいきやすいでしょう。また、相手の話を最後まで聞き、こちらのことも述べたうえで、相手が「辞めます」というのもしょうがない、また何かありましたらよろしくお願いします。と、次のつながりも持ちやすい流れになりやすいでしょう。

 話を最後まで聞く、どっちでもいいと思うと聞きやすいし、最後まで聞くと色々な発見があって面白いことも、増えるでしょう。聞くことによって、こちらの提案、意見も相手に届きやすいでしょう。相手も受け取りやすいでしょう。生きて行くうえで、「聞けること」は、大切なことだと思います。

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