対話で心をケアするスペシャリスト《精神対話士》の 人の話を「聴く」技術

対話で心をケアするスペシャリスト《精神対話士》の 人の話を「聴く」技術
を読みました。

結論から言うと、この本とてもいいです。
聴き方のノウハウは実践的に書かれ、いかに相手思いになるか?
についても書いてあるのです。

コーチの仕事と精神対話士の仕事は似ている気もしています。
私にとっては、同じと思えるほどです。


また、誰が書いた本というよりも、「メンタルケア協会」が書いた本。
ということで、自我が消されて読みやすいのもあるのかもと思いました。


特に、最後の1文に感動しました。

「対話というのは、相手を助けるためではなく、
自分の心をより高い次元に導くための高度な精神活動にほかなりません」

ずっと、コーチの仕事をしていて、私が感じていたことなのです。
聴く仕事は、本当に人生修業だと思っています。

「自分が正しい」とよく思いがちだった私にとっては、
「自我を消す」ことが本当に大変だったのです。

自我を消すにあたり、顔から炎がでるくらい恥ずかしいご指摘を受けたり、
相手の方を怒らせてしまうような、申し訳なさすぎる失敗を何度もしてきました。
心が「ドキ」っとして冷汗をかくたびに、自我を消化していたのかもしれません。

こうして、書くこともそうです。
自我を消して、相手のための読み物になるように書くことを今も試行錯誤しています。


「他人の助言を受け入れられる人は精神的にも強い」。
そんな記述が本にありましたが、私はどちらかというとそちらのタイプ。
相手にマイナスなことを言われたり、否定されることを言われたりしたら
それを受け入れて進んできたところがあります。

まさに、クライアントさんからの苦言(私が苦言に感じたこと)によって、
私は削られてきたからです。ありがたいことです。

それは、「自分の心をより高い次元に導くための精神活動」だったのかと
この本のラストの言葉で、今までの過去が一気に報われたというか、
救われたというか、これでよかったのだと思えました。

そして、これからも続いていく。

どこまで相手に寄り添うことができるのか。
こちらが助言をしなくても、相手が自分で変容していく。
聴くことだけで本来の力を引き出す。
私が鏡になること。

これからも、追求していきたいと思いました。


本で気になった言葉を集めてみました。

・言葉に隠された感情や願い。
・意味と感情のセット。
・相手の立場に立って、相手の気持ちを想像し、一緒につらさや楽しさを共有する。
・その言葉の裏にある感情を聴く。
・悩みの正体は孤独感。
・本心はときには、言葉や表現の反対にある。
・相手の話を十分に真心持って聴いてあげて、相手に自然に納得してもらう。
・相手のフレームを認めてあげる。
・他人の助言を受け入れられる人は精神的に強い。
・真心からの対話。
・自分の心をより高い次元に導くための高度な精神活動にほかなりません。





他の聴く本も読んできましたが、この本が一番いいかもしれません。
「コーチングの本でオススメはありますか?」とよく聞かれますが、
聴くに関しては、この本をオススメしたいと思います。


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