自分の内側をどう映していくかについての考察。

 「『ひとみずむ』を読んで、皆さんが、変化していっている様子を見て、自分が変わったらどうなるのか? 自分で見てみたい」という理由でコーチングを受けたいと思う方は多いです。変化していくことが、流れに乗るコツだと思います。
変化するというのは、実は「自分らしく戻ること」ではないかと、思います。

 「コーチングとは何か?」説明が難しいという話をよく聞きますが、「自分の内側を見る時間」という説明も一つでしょう。

 普段の会話で、自分のことだけについて、相手が自分のために聞くに徹してくれている環境は、なかなか作りだせないのではないでしょうか。自分だけが話していても、どこかで悪いなぁと、思ってしまいがちです。

 コーチングの時間は、そんな普段の会話とは、違います。クライアントさんが話す時間なので、一方的に話していただければいいのです。話が苦手とおっしゃる方でも、相槌や質問があれば話します。

 自分の外見の姿は、鏡を通してみることはできますが、それも本当に本当の外見は、一生見ることができません。
 自分の内側は、もっと見えないでしょう。自分の部屋や、ファッションでも内側を投影しているとは思いますので、そのことについて考えていくと、自分が見えてくるのです。投影されたものについて、考えることですね。


 自分らしさを知る手助けとして、人から「○○さんて、こうですね」というフィードバックで、他人から見た自分は知ることができると思います。

 ただ、そのフィードバックを聞いて、ほめられているような類でも「どうも違うな」と思うことってありませんか?

 おそらく、自分で思っている自分と、人から見られている自分が違うということは、「自分らしくない」態度を他人に見せているということも考えられます。
 他人に、「こう思われたい」というところから発想して、そうなろうとする自分も、どこか無理が生じます。相手好みになろうとする場合も、本来の自分が分からなくなりがちです。
 ビジネスコーチングで、集客のできるブログを作りたいということで、専門家に作ってもらったけれども、しっくりこないという方もいらっしゃいました。

 「ありのままの自分が愛される」なんて言葉もよく耳にします。
きっと、そうなのではないかと私も思うのです。

 他人からの期待に応えようとして、自分はこう在るべきだと、自分を決めて行動しても、あとから違和感が出てくるでしょう。人はそうやって、自分が分からなくなっていくのかもしれません。
 相手の評価によって自分の幸せが決まるようでは、いつまでたっても大変です。自分らしくないと、行動力も鈍るようです。

 人からのフィードバックで、「そうかな? なんか違うのでは?」と感じるもう一つの場合は、相手が相手自身に言っているセリフという場合もあります。
「相手のことをそう見えるということは、自分の中にもそういうところがある」から言っているのです。そう思うと、人からどう言われようと、気にしすぎることもありませんね。でも、全く無視するつもりもなく「そうなんだ。ちょっとそんな自分があるか探してみよう」と参考にしてみればいいと思います。


 結局は、相手から自分らしさについてフィードバックしてもらっても、自分らしさは分からないのかもしれません。自分が自分で納得するまでは。


 どうすれば分かるのか?

 自分が何かを見た時に、自分の中で感じること。これが、自分を映し出しているのかもしれません。分かるようにするためには、その感じたことをアウトプットしていくのです。

 それには、逆説的かもしれませんが、「居心地悪い」を通過する必要がある気もします。

 私は、独立してからずっと悩んできたことがあります。自分をどう打ち出していくかです。コーチという仕事は、「クライアントさんに自分らしく輝いてもらう」ことが仕事の目的ですから、私が出すぎてしまうのは、おかしいという話です。そんな中、自分発信でブログを書いたりしているので、どう、言葉選びをしたらいいのか? 相当、私の悩みの種でした。

 出版に関してのお話が独立して2年目くらいにあったときに、本は出してみたいけど、自分の成功体験をシェアすることに関して、違和感がありました。私の成功体験を参考にしてほしいのではなく、やはり、「自分らしく輝く」ことをサポートしたいという無意識の願いがあったから、自分でOKを出せなかったのだと思ったのです。

 今だから笑えますが、「自分がすごい」と言われないためにはどうしたらいいのか? 真剣に考え始めちゃったのです。


 そんな風に、居心地悪い感覚も知りながら、アウトプットをし続けることで「自分らしさ」に気付きやすくなるのではないでしょうか。「楽」とか「自然」な感覚を見つけていくのです。

 ひとつに「話すこと」。私にとっては、「話すこと」で、感覚にフィットしているとか、違和感があるとか、話しながら色々感じるので、そこで、「自分らしさ」を体感してきました。

 こうして、「書くこと」もそうですね。毎日ブログを書きながら、ああでもない、こうでもない、と修正を繰り返しました。自分でしか「自分らしさ」は掴めません。「自分らしい?」と問いながら、毎日書き続けることしか、答えはありませんでした。

 そのほか、歌うこと、写真を撮ることも、私にとっては、アウトプットです。撮った写真を見れば、自分が今、何に関心があるのか? 自分でも客観視できるのです。


 コーチングの時間は、「話していて違いました」ということも自由です。「違うなぁ」という感覚は、自分らしくにどんどん近付いているサインだと思います。どんどん話して、自分の感覚とすり合わせてほしいと思います。

 自分のことは自分で気づいて、自分で自分がこうしたいと思う行動をして行くのが、流れに乗るコツです。

 外見については、鏡を見て自分らしく直すことができますが、内面については、いくら鏡の前で話しても分かりません(笑)。
 ですが、私が、アウトプットされたものを映し出していくことで、鏡になることができます。

 つまり、私の仕事は、クライアントさんの言った言葉をそのまま繰り返すことで、クライアントさんの鏡になっているのです。
 セッションの後に、フィードバックシートを送ることも「鏡」のひとつです。その時は、相手の発した言葉を一字一句間違えなく記すことに気をつけています。

 相手が発した言葉を、もう一度繰り返して相手に返す。
この繰り返しで、相手は自分のことを見ていくことができるのです。

 だから、セッションの時間は、相手に話しているようで、実は、もう一人の自分に向かって、話しているという場所を提供しているのです。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分のことを考える時間を持っていますか?