今年で4年目を迎える播磨コーチとのコミコレ。通算14回目の今回は『余白』です。
私は、独立してから多い時では月に80回セッションをしていたので、おおよそ通算で3600回以上はコーチングセッションをしている計算になります。やはり、実践でしながら自分で編み出した工夫のほうが、段々と多くなっている状況です。聞くことは、訓練ですから回数がとにかく大事だと感じています。
経験を重ねるごとに、コミコレのテーマが、本質に近付いており、マニアックにはなっているようですが、シンプルにそぎ落とされているとも感じます。
さて、今日のまとめをレポートする前に、これまでのコミコレから振り返ってみたいと思います。
コミコレは、「考える」セミナーを追求しています。教わったり、スキルを身につけるところは、いろいろとあると思いますので、私たちはそこを提供するのではなく、「答えは自分でみつける」形式のセミナーがあったら面白いのではないかと考えたのです。
その答えを見つけるために、二人のコーチがサポートをする形です。私たちは、引き出し役の立場なので、引き出されるようなワークを体感したのちに、さらに感じたことを引き出すような役回りで運営をしているのです。
1年目のコミコレは、コーチングスキルの中から、特にこれが大事だと感じたことをテーマにして、「承認」や「フィードバック」などについて考えました。
実際にコミコレの中で、そのスキルを集中的に使ってみることで、気づきがおきたり、そのスキルは一体何なのか? ということを、皆さんと意見を出し合ったりしながら、深めていきました。
2年目は、コーチングスキルというよりも普段のコミュニケーションに落とし込んで行く形でテーマ「本当の会話」、「仮説」、「ニュートラル」などを行いました。
普段、「本当の会話」はどのような時に起こるのか? や、「仮説」を立てながら話を聞く姿勢をとることで、相手からの引き出し方は、どのように変わるかなど、ワークをしながら体感する場だったと思います。
3年目は「コミュニケーションのネガティブ」に焦点を当てることを意識し、「苦手意識」、「ロジカルシンキング」、「我慢」、「言葉」がテーマでした。
コミュニケーションをとる時に、相手に対してネガティブな感情を抱くときの自分について、自分の内側で何が起こっているのか? を分析して行くような形が主でした。
そもそも「我慢とは何か?」など、改めて考えてみるところから始め、参加者同士の意見のやり取りからも気づきがおこり、自分の中の答えを探すような場を提供できたかと思います。
そして、2012年は、コミュニケーションにおける相手と自分とのバランスを考えてみたく、全体のテーマを『バランス』にし、春『余白』・夏『曖昧』・秋『好き』・冬『バランス』という各テーマを決めました。
春コミは、テーマ『余白』を行いました。
何故、余白にしたのかと言うと、毎日コーチングをして行く中で、相手が話せる場を提供するには、相手にも余白、自分にも余白が必要ではないかと、感覚的ではありますが、そう思ったからです。
その中でも、質問でもないし、意見や感想を言うのでもない、もっとショートセンテンスだけど、とても重要な位置を占める「相槌」について考えてみたいと思いました。
コミコレ14回目にして、一番シンプルなところに辿りついたと思いました。
どんなに相槌のバリエーションを知ったとしても、真剣に相手の話を聞く態勢に入れば、やはり、普段、無意識でしているような相槌が出てしまうでしょう。
まずは、その無意識でしている現状から確認していくことにしました。
また、相手に「今の相槌どう感じましたか?」とわざわざ聞く機会もないと思うので、コミコレでは、是非聞いてみたいと思いました。
「相槌」は「音」のようなもの。だけれども「ん?」という一言に「もっと詳しく教えて」という言葉が暗に含まれていたり、「ほぉ~」という中に、「そういうことなんですね」という、確認の意味が含まれていると相手は感じて、相手の意思決定を促すことがあるのではないかと思います。実際にどうなのでしょうか?
まず、「相槌客観視ワーク」です。
参加者は、「話し手」、「聞き手」に分かれて、そのやり取りを録音したのちに、自分のした「相槌」をまず書き出し、どんな意味が含まれているのか? 再生しながら振り返るということをしました。また、話し手は、今の相槌は話しやすかったのか? 振り返ってもらいました。
本当に細かいところなのですが、すごい発見がありました。
ある人は「あー」、「うーん」、「はい」、「笑」が主な相槌だったのですが、すべて「同意」の意味でしていたことが明らかになりました。
つまり、すべて「同意」の意味での相槌だと、「一緒に悩みすぎ」になってしまいがちであることが浮き彫りになったのです。なぜか、話が発展しづらそうでした。
話し手にとっては、「まとめてほしい感」を感じていました。
次に、「確認」の意味での相槌を入れてみてはどうか? 意識をしてもらうことを課題にしました。
そうしたら、見事にはまって、話し手が、自分で納得して答えを出す場面を生み出したのです。
実は、話し手は、私がやってみたのですが、私も1回目に話した時と、2回目に話したときとでは、聞き手は同じ人でしたが、違う人に話しているくらい、話しやすくも感じました。
これには驚きました。相手の話に同意するだけでなく、「へぇ、そうなの?」みたいな感情が出てきたら、そのまま頷きに感情をのせるような「ほーん」という相槌を発しただけで、対話にコントラストがつき、相手の話をより引き出せるようになっていたのです。
播磨さんがオブザーバーとしての観察をしていたので、さらに細かな分析になりました。私が話し手で、逆に聞き手に質問をしているシーンがあったのですが、「聞き手は、その質問に答えなかったよね」という突っ込みが入り、それはどうしてそうなのか? も改めて考えていくことにもなりました。やはり、「同意傾向」がここでも出てしまっていたのですね。
実践→フィードバック→新しい意識を持って取り組むの繰り返しです。その調子で、身に着くまで4回実施という強化TRみたいにやってみたら、コミコレの最後の感想で、体感で変化が分かったとおっしゃっていました。まるで、ボイトレの時に、先生に同じ個所を何度も歌わされるあのレッスンのようだと思いました。身につけるということは、そういうことなのかもしれませんね。
私は、コーチ7年目になりますが、こんな風な相槌の分析をしたことがなかったので、ワークを作ったのは、自分たちでしたが、この分析方法は、面白いなと思いました。
「相槌」のワークだけで、5時間くらい時間が経過しました。
第3部はリクエストで、私と播磨さんが話している様子を見たいというのがありました。私が聴き手、播磨さんが話し手、その反対もしました。
このような見せ方も初めてだったのですが、先日、カイロへ行ったときに、先生のお弟子さんが、先生の施術を見ているシーンに遭遇したので、「見て学ぶ」みたいなのもあるんだなぁと感じていたばかりでした。だから、そのようなリクエストを頂いたときに、つながったなぁと思いました。
今日、私が改めて確認できたところのメモです。
・聞くときも話すときも余白。
・相手と共に考えるけど、同意、賛同だけでは堂々巡りになりやすい。
・一緒に悩んであげない。
・頷きに感情をのせるだけ
・相手の感覚的な言葉の時は、確認の相槌を入れる。
・曖昧なところを確認する相槌。
・笑ってはいけないところがある。
・頷きに確認の意味を入れる。
今日も、結果的に、その場での新しいアイデアで、より内容が深められたと思いました。コミコレ自体も「余白」を意識して、その場での思いつきで進めてもいいほど、ワークの数も少なめにしているのです。その場で起こるハプニングを大事にしたいです。
私自身も、かなり発見がありすぎました。ここに書いているだけでは、だいぶ少ないアウトプットです。とてもいい感触でした。
夏コミは、テーマ「曖昧」です。
答えを決めつけない、先入観を持たない、尊重する、仮説を立てる、矛盾、ニュートラルなどが曖昧の種類でしょうか。「曖昧さ」を持つことで、対話はどうなっていくのか? 考え方の変化はあるのでしょうか? 「曖昧」とは何かについて、皆さんと考えて行きたいと思います。
日程は、7月7日(土)@銀座予定です。
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