相手の感情に振り回される理由とは?

以前、コーチングを受けていらしたクライアントさんから質問メールを頂きました。

▽クライアントさん
相手が怒っていると冷静になれずにすごくびびってしまいよく萎縮します。
相手の感情に振り回されないようにするには、どうしたらいいでしょうか。

▽私の返事
相手が怒っているときに冷静になれないのですね。
冷静になれていないなとわかったということは、
1歩前進かと思います。

冷静になろうと回避するよりも、
そのまま、冷静になれないな・・・という状態を味わってみると、
自分のもっと深いところに何か気づくことがあるかもしれません。

冷静にならなくてはいけないと思って、
気持ちを押し殺すのではなく、そのまま味わう。
もっと気付いてあげたい自分の気持ちが見つかるかもしれません。


▽クライアントさんの返信
私は気持ちを押し殺してたんですね。
その事にすら気づいていませんでした。
涙が止まらないです。
どこかで自己否定をしているのは漠然とわかっていたんですが
どこかわからなくて。
気持ちを無かったことしようとしていたら、わからないはずですね。
堀口さん、本当にありがとうございます。


 以前の私でしたら、相手の感情に振り回されない考え方、対処法をお返事したと思うのですが、今の私は、それよりも先に、「萎縮している自分に気付くこと」がまず大事だと考えています。対処法を教えても、その場では、「やってみよう」とすっきりしたようでも、何度も同じような問題を繰り返すようです。
 
「よく萎縮する」というところから、いつも何かを見落としているのではないかと感じました。どうすればよいかといいながら、まずはこの辛さをわかって欲しいという気持ちがあるのではないかと思うのです。

 そして、上記の返事をしたところ、クライアントさんご自身で、「どこかで自己否定」=「自分の気持ちを否定」していることに気付かれたようでした。

 「気持ちをなかったことにする」ことを繰り返しても、またその気持ちはやってきます。「忘れないで!」とまるで追っかけてくるように。

 相手がぐちぐち言っているときに、「そんなに言ってもしょうがないじゃない。どうすればいいか考えた方がいいよ」と前を向かせるために説得しても、相手にとっては、「否定された」と感じてしまうものです。そうすると、段々と「この人に話してもしょうがない」と相手は思うものです。どんどん、気持ちを吐き出せる場がなくなって、辛くなっていくのではないでしょうか? それが、「怒り」や「イライラ」をまた生んでいくのでしょう。
 
 また、説得になりがちな人は、意外と自分自身が、自分の気持ちを聞いていないという場合も少なくないようです。


 「ネガティブな気持ちを感じると、いい引き寄せができないから、感じない方がいいんですよね?」と、先日あるクライアントさんに質問されました。
 
 私は、それは無理があると思います。「感じないようにしよう」と思うことが、既に嫌な感情のように感じます。「ああ、こんな気持ちを持っているのか。どんな感情なんだろう、感じてみよう」のほうが、流れに乗っているし、穏やかな感情の気がします。

 結局、「感じない方がいいんですよね」と言われたクライアントさんとのセッションでは、ため込んだ感情をとにかく話してもらい、そのあと、ニュートラルな考え方を一緒に考えていく流れでした。
 すると、胸のあたりにあった100キロくらいと感じるかたまりが、スーッと消えていくことを体感したとおっしゃっていました。ネガティブな感情が、昇華されて、穏やかになっていったんですね。まずは、気持ちに気付くことが大事なんだと思います。

 相手の感情に振り回される理由は、自分で自分の気持ちに気づいてあげていないサインなのだと思います。


 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

自分の気持ちに耳を傾けていますか?