「辛い」気持ちに気づいたセッション。

 1年前に仕事で新しいチャレンジとして、10年間働いた現場から管理のお仕事についたようなのですが、どうにか1年頑張ってみたけれど、うまくいかなくて、今は一時的に休養をとっている状態であるそうです。セッションでは、この先、自分がどう決定して行けばいいのか? 悩んでいるとのことで、本心を見つけだすことがテーマとなりました。

 チャレンジした管理のお仕事は、うまくできなくて、落ち込む日々だったようです。自分のどこが悪いのか考えてみて、コミュニケーションが悪いのかなと思ったようです。また、上司のこうしてほしいという期待どおりに、できなかったとおっしゃっていました。
 
 また、仕事がうまくできない理由として、自分に考える力が不足しているからいけないんだ、できないところをできるようにしたら、もっとこの先の道が開けるのかな?、自分で合うように、やり方を変えて行かないといけないなと考えてみたりもしたようです。どうやらあわないことをしている様な雰囲気を感じましたが、そのまま話を聞き続けました。

 ここまで話を聴いてみて、自分を追い込んでしまって、辛そうだなぁと感じたので、「自分を責めてしまったり、否定したりして、辛かったのではないですか?」と訊いてみました。すると、「そうか、辛かったのか・・・はい、辛かったです」と初めて気づかれたようでした。 

 今の考えとしては、同じ職場に戻ることはないだろうと思いながらも、やりなおした方がいいのか?と思ったり、戻らないというのも、逃げになるのではないか? と考えてしまったりして、本心がまとまらない状態でした。

 「正論のようなものが、自分の考えを混乱させているようにも感じますが、その点はどうですか?」と聞いてみたところ、「戻ることは考えていない」と思いのほうが、くっきりと見え始めました。

 「辛かった」ことに気付いてから、「もっと自分の強みを生かしたいです」という思いが出てきました。まずは、気持ちに気付くことですね。気持ちに気付くと、その下の願いや思いが見え始めるのです。「辛い」という蓋でまるで見えなくしていたかのようですね。

 「今までも大変と思ったことはあったのですか?」と訊いてみたら、「大変とは思っても、いつも自分の力の範囲でやってこられたし、無理になるところまではしないできた」とおっしゃっていました。
「無理しないでやってこられたのですね」とそのまま返したら、「辛くなるまでそこにいる必要はないかもしれませんね」とご自身の言葉が出てきました。

 「今は会社を休んでいる状態で、働いていない自分にこれでいいのか? と思うこともある」とおっしゃるので、「また自分を責めてしまっていますよ。休みがとりたくても取れない人もいる中で、休めている状態は、ラッキーと考えて、ゆっくりと自分を満たすことをして行けばいいと思いますよ。しっかり休めば、自分のやりたいことが、ちゃんと出てきます」と言ったら、安心されていました。

 最後に「今、思う自分のベストな状態はどうなったらいいのか?」と質問したところ、ご自身の言葉で、答えが決まりました。

 「これは逃げか?」と考えてしまう人は、全力でやっているからこそ、そんな言葉が出てくるのかもしれませんね。合わないということに気付かせてくれることもあるでしょう。
 自分が全くやったことのないことへの挑戦をしてみたかったのかもしれませんし。
このセッションのケースは、『ひとみずむ4』の「じたばた」のようなパターンでした。

 頑張っても頑張ってもうまくいかないときは、自分のことをたくさん責めてしまって、辛くなっているのだと思うのです。だけど、「辛いでしょうね」と言われないと、辛いことに気付かないんですね。

 例えば、友達の話を聴いているときにも、ありそうなパターンですね。友達の話が辛そうだなぁと感じたら、そのまま「辛そうだね」と言ってあげることで、友達は癒されていくと思います。

 リラックスしている中で、無理せず力を発揮できる自分の状態ってきっとあるはずなんですね。そんな、夢中とか、無意識でやってしまうところに、ちょっと目を向けてみてはどうでしょうか。自分らしい生き方が見つかるのではないかと思います。

 今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

どんな気持ちで働いていますか?