「こうしなさい、ああしなさいでもなく」ついつい人が動いてしまうとき。

 今、『商業界』9月号寄稿予定の【スタッフのリーダーシップを育てる10カ条】を書いています。

 社会人になってから、思えばずっとリーダーシップについて考えてきました。
結局、辿りついた答えは、「リーダー」というものは、なにより「相手を生かすことができる人」が、リーダーなのではないかということです。

 なので、「自分で考えて行動したから成果が出た」と相手に思ってもらえることが大事なのではないかと思います。

 私の店長時代は、「部下の自主性を引き出すため」にコーチングの勉強をしたり、自己投資して、会社外でセミナーへ行ったりもしていました。
 会社から言われたわけでもないので、そこは自主的によくやったと思えているところです。
 しかし、実際のところ、ついついそんな行動にでてしまったという感じです。

 ですので、私の方も、実は見えない「リーダーマジック」にかかっていたのだと、書きながら想いました。

 私は、部下を生かして成果をだしたと思っている。そう思わせた上司は、部下(私)を生かして成果をだしたのでしょう。

 お互いに部下に成果をもたらせようと思って投げかけていたというベクトルが同じであったと、言語化してみて鮮やかに気づいたのです。


 アパレルに未経験で入った私は、オシャレじゃないのに店長ができるのかどうか? というところを不安に思っていました。人を使えば、できるのは分かっていたのですが、オシャレトークができないので、特に感度の高い部下たちに接近さえできなかったのです。そんな悩みの絶頂時に、社長に言われた言葉で勇気が出ました。

 そのエピソードを記事として書いてみました。280文字で書いてくださいとのことなので、エッセンスだけでも伝われば幸いです。


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■尊重しているという姿勢を見せる。

 アパレル未経験で、店長になったので、オシャレじゃない私が務まるのか? とずっと不安に思っていた時期がありました。その頃、社長に言われた言葉が今でも印象的です。「堀口さんと僕は、似ていると思う。オシャレじゃなくても、アパレルのビジネスはできるんだ。自分の周りにオシャレに詳しい人たちがいればできるんだよ。そのためには、相手に興味を持つことが大事なんだよ」と。

 急に上下関係が、横の位置になったと感じました。また、「どう思う?」とよく質問されました。問いにすぐに答えられるかどうかはさておき、尊重されていると相手が感じることが、リーダーシップを育てるのだと思います。

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 決して、答えを教えるのではなく、「在り方」を教えてもらったのだと、今ならわかります。その言葉が、大きなヒントとなり、私は、「オシャレ」を教えてもらえばいいのだと、部下たちの方へ歩み寄るきかっけとなったのです。

 こうしなさい、ああしなさいでもない、この感じ。(笑)
今振り返ると、すごい人だったなぁと…。私もまだまだ研究の余地がありそうです。

 自分が「したこと」については、振り返る機会をこれまでに多く持ちました。
しかし、この記事を書くにあたって「してもらったこと」に焦点を当てる機会になったので、この振り返りは、今の私に必要な気もしています。啓示というものかな。(笑)

 ここでも「与える」よりも「受け取る」を見なさいと、神様に言われているかのようです。