自分の中に答えを見つけるほど、相手の中にも答えを見つけられるようになる。

 「演奏したり、曲を教えたりするときに大事なことや、良い演奏のためにできることを、考えたい」というテーマで、先生のセッションでした。

 知り合いの先生の凄さを感じたのだそうです。それは、どの生徒も見ているほうが納得できる感じの演奏だったのだとか。「見ているほうが納得できる」という言葉は、私も感覚的にわかる気がすると思いました。

 納得できた理由を考えてみると、その子に合っている良さが引き出されていたり、その子の得意なところがより伸びていたり、それでいて、その曲らしさも出ていたそうです。
 どの演奏も良さがあり、それは、均一的な、教科書的というのではなかったとか。
きっとその先生の教え方が、細部までわたり、丁寧なのだろうと想像したそうです。
 
 次に、どうしたら、自分の生徒の力もより引き出されるのだろうか具体的に考えていきました。「自分の準備はどうするか」お聞きしました。

 それぞれの音楽のポイントを知ることや、作曲家の違いを学んだりしたいとのこと。また、自分自身も多くの演奏に触れるようにしていきたいとのことでした。

 以前は、作曲の違いまで意識が及ばなかったそうなのですが、最近、自分が色々なシーンで演奏する機会に恵まれることによって、意識する視点が増えたのだそうです。

 特に最近の演奏会での自分の変化を感じたそうです。

 以前の演奏会では、よく見せようという意識が高く、周りの評価を気にしながら、自分の出方を考えることが多かったとか。
 前回のセッションで、「演奏会を成功させるために」について話し合いました。そこで、自分がどこに意識を置くか明確にしたのです。なので今回は、自分がいい音を見つけるんだということにも集中できたし、聞いてくれている人との一体感も感じながらの演奏を提供できたのだそうです。自分の音に集中することで、周りとの一体感も感じ取れるようになったのです。これは、大きな感触を得たようでした。

 自分の意識の変化で、生徒さんへの意識の向かせ方も必然的に変わるでしょう。自分自身が多くの演奏に触れて、深めていくことは、まずは根本的なベースです。

 次に、実際に生徒さんにどうかかわっていくかについて考えていきました。

 目的は、生徒さんの良さをそのまま生かすということです。
 クライアントさんに「生徒さんそれぞれの得意なところはどれくらいわかっていますか」とお聞きしてみたところ、「あ、もしかしたら、あまり分かっていないかもしれません」と返ってきました。

 そこで気づいたのは、演奏できるようになるところは目指せていても、生徒の良いところを引き出すという視点は、まだ弱いということでした。

 続けてクライアントさんは言いました。「今まで、スルーしていたようなところをスルーせずにちゃんと見ていきたいですね。丁寧に。『なんでその音になったのだろうか』とか、現象を見て生徒の様子を掴んでいきたいです」と。
 そうおっしゃったのも、先生自身が「自分の音」に集中できる意識が高まったからだと思います。

 私の仕事も、引き出す仕事です。自分の中に答えを見つけるほど、相手の中にも答えを見つけられるようになるのだと感じています。
 自分が自分に対してスルーしているところが減っていくほど、相手に対してもひっかかりが生まれるようになり、「何でだろう?」と質問することが増えました。
 こちらが細かく聴けるようになると、クライアントさんの変化が速くなり驚いています。

 一つ一つ丁寧に。スルーできるところは、どこにもないですし、それが最終回答かと思いきや、もっと深いところまであったりする。すべてのアウトプットには、何かしら見えないものが隠れていて面白いです。

 先生自身が演奏を深めていけばいくほど、もっと生徒さんの音が聴こえてくるのでしょう。
 なので、私がセッションで注力するところは、常にクライアントさんが深めていくことについて話し合っていくことです。そうすれば、自然に生徒さんの進化へもつながっていくことを信じています。

 「なんでその音になったのだろうか?」。
この質問は、これからどんな進化を見せるのか楽しみですね。


今日はこちらの質問はいかがでしょうか?

うすうすスルーしているなぁと思うところはありますか?


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