空調の音に気づけるかどうか? 感性を磨く=顕在意識の領域を増やす。

 感性を磨くと言いますが、別の言い方をすると「顕在意識で認識するところを増やす」ということです。同じ映画を観て理解できることが多いとか、同じ店に入って、感じ取れることがいっぱいあるというのも、感性によるところです。

 クライアントさんの職場で「空調の音」が気になるから席を移動させてほしいという人がいたそうです。しかし、クライアントさんはそれくらいなら気にならないタイプだなと自分のことを思ったそうでした。そんな話から「自分がこうしたい」と思うことが、そんなに浮かんでこないことへもつながってきたように感じられたようです。



「空調の音」といえば、私がアパレル店長のときに渋谷店に異動してすぐ、音がうるさいことに気づきました。しかし、天井が高すぎるので、自分ではすぐにどうしようもできないこと。どうやって業者に依頼するのか? 異動したばかりの考えている最中で、お客様に言われてしまいました。有名なアパレルブランド経営者の女性社長に。雑誌とかで見たことのある人でしたので、私はそう指摘されたけど、分かっていたのに、すぐに対処できなかったこと余計に恥ずかしいと思いました。それからすぐに、マクドナルド時代のメンテさんに相談して、改善できたのです。

 今思えば、私が異動する前からゴーゴー音を鳴らしていたのに、誰も気付かぬふりをしていたというのはどうしたものでしょうか。それに、どのお客様からもクレームになっていなかったというのも不思議です。

 空調を見ただけで、その店の管理能力がわかります。私がマクドナルドに勤めていたのもあって、そういうことに敏感です。店舗チェックが頻繁にあり、チェックリストもあったので、気づくべきところが顕在化されていたわけです。でも、もしそのチェック表のことを知らなければ、私もフィルターレベルのことに気づかない人でした。

 一方、店舗管理に関しては、色々と気づきましたが、お店のウインドウをどうするか? などについては、まったくわからない人でした。
 わからない人が、どうしたらわかる人になれたのか? それは、わかっている人がどんなところ観察しているか? 一緒にストアーツアーをして行動するしかないのです。


 まもなく、コーチングとは別のメニューで「メンタープログラム」をリリースする予定ですが、私が見えている世界について、クライアントさんに教えていこうと思っています。それは、一緒に体験してみて初めて分かるものだからです。私がアパレル時代の社長に一緒にストアーツアに連れて行ってもらったとき、初めて経営者目線で店をどう見るかを知りました。それから、お店に入ることがとても楽しく感じられるようになったのです。

 また、自分が必要とする店だけでなく、いろいろな店に入ることで、自分の店を客観視できるようになることも知りました。私がコーチング以外のところからもいろいろと学びを吸収しようとするのも、そういう意味があります。見たいものだけを見るというのは、発想は広がりにくいでしょう。

 クライアントさんの2019年の課題は「感性を磨く」になりました。細かくなれると感動も増えますし、1回の体験だけでも、一気にいろいろなことを吸収できるので、学習能力も各段にアップします。潜在意識を活用して、引き寄せを行おうとしても、現実世界の顕在意識の領域が拡大しない限り、成功しないのだそうです。現実において、人が見えていないところを見える能力こそが、活躍するために必要なのです。