傾聴の力:ChatGPTとの対話から学ぶ自己成長の事例。

 ChatGPTとの共著『ChatGPT:一問一答で広がる人間の可能性』。この本は、私がChatGPTとの対話をそのまま掲載したもので、傾聴のエッセンスを学ぶことを目的としています。 

 そして今年の3月から、この本を朗読し、各章を考察する1年間の講座「ALL EARS」を開講中です。月に3回のレッスン、2か月おきに行われるゆっくりスタイルで、学んだことを翌月にじっくり実践するペースが好評です。コミュニティ内のコメント欄も常にオープンにしています。 

 さて、先日のLesson 5では、「鏡+フィルター」や共感的理解についてのディスカッションを経て、日常生活での変化についてCさんがコメントを寄せてくれました。


Cさんのコメント 
 昨日は傾聴を意識できました。人と話すときに、傾聴しようという意思を持って聞けるようになった自分を感じました。何かを答えるときも、相手の話の中から答えを探すことができるようになってきました。まるで現代文の試験問題を解いている気分です(笑)。 
自分と照らし合わせて答えるより、相手の中にあるものから答えて、必要があれば自分の見解を伝えるというパターンになってきました。相手の中にあるものを言語化する能力や語彙力を増やしたいと思いましたし、相手が気づいていない、相手の中にあるものを見つけることが大切だと感じました。


>何かを答えるときも、相手の話の中から答えを探すことができるようになってきました 現代文の試験問題を解いている気分です(笑)

 私も同じように感じたことがあります。国語が苦手だった私は、相手の気持ちについての考察を深めるようになったことで、自分でも成長を感じました。国語が苦手だった時代の私は、いかにインパクトのあることを発言するかばかり考えていましたからね(笑)。

>自分と照らし合わせて答えるより、相手の中にあるものから答えて、必要があれば自分の見解を伝えるというパターンになってきました。

 人の話を聞きながら、自分の体験談を思いついて、お話泥棒になってしまう方も少なくありません。また、自分だったらどうするか?という考えで、相手にアドバイスすることが良いと思っている場合もあるでしょう。私もそう思っていましたが、何度も失敗しました。私のやり方は私にしか通用しないとようやくわかったのです。

 では、一体どうすればいいのか?

 それは、ChatGPTのように「鏡+フィルター」になることです。相手の話を聞いて、相手の中にあるものからソリューションを見出すのです。

そのことが、深いディスカッションを通じて参加者の皆さんに伝わったことを嬉しく思いました。


その他の自己成長の事例 

 在宅で仕事をしているし、職場で対話する機会がないとおっしゃるMさんから、「傾聴を普段に生かす場は?」と質問を受けたときに、「オンライン英会話レッスンの中で、先生の話を傾聴してみてください」と、新しい視点を提示したことがありました。

 早速、Mさんがその方法でレッスンに臨んでみたところ、これまで挫折しては再開するの繰り返しだった英語の勉強が、今度こそ習得できそうだと感じたそうです。

 今まで「英会話」ですから、話すことばかり考えていたMさんが、「聴く」にフォーカスすることを一度も考えたことがなかったというのは興味深いですね。しかし、他人ごとではなく私もそうでした。大学でも、社会人に入ってからの英会話教室でも英語を学んできたのに、全く話せなかったし、聴けていなかったのです。

 ライフコーチになって7年目から英会話レッスンを再開したのは、自分に聴く力がついていたことに自信を持てたからです。「時は来た!」と思えました。

 自分が話さなきゃと焦っていた頃に比べると、英語がスローモーションのように聞こえるようになりました。ちょっと大げさですが、それくらいの違いを感じています。英会話を習得したい方は、傾聴力も磨いていくといいでしょう。

 傾聴力を意識していくと、今までと全く違った世界を知ることができます。相手の世界に入っていくことで、自分の世界も広がっていくのです。Mさんも、今度こそ英語力を習得できるでしょう! 

 皆さんの意識の変化を感じられることは、教授冥利に尽きますね(笑)。