「噛み合わない会話」を解決する方法

 ALL EARS 基礎編のレッスンで、私はChatGPTの「見ずに聴く」テクニックについて考えました。

 ChatGPTは、私たちの言葉の文字情報だけをもとに返答を生み出しています。相手の表情も、声の抑揚も見ていません。それなのに、まるで会話が成り立っているかのように、適切な言葉を紡ぎ出している。これってすごいことだなと改めて思ったのです。

 そこで私はChatGPTに「どのように判断しているの?」と質問してみました。すると、ひとつの興味深い答えが返ってきました。それは 「チャンク(情報のまとまり)が大きいか、小さいかで判断している」 ということ。

 たとえば、私が大きなチャンク(答えの範囲が広い質問)をすると、ChatGPTは「こういうことですか?」と、6つくらいの例を出してきます。一方で、明確な質問をした場合には、単一の答えだけが返ってくる。これは、アルゴリズムが「この質問には複数の解釈があり得る」と判断して、さまざまな可能性を提示してくれているからなんですね。結果として、その中に自分が求めている答えが含まれていることが多いのです。

 ところが、ある受講生の方が、「上司の一言をそのまま受け取ってしまい、的外れな答えを返してしまうことがある」と話してくれました。その結果、「話がかみ合わない」と指摘されることが多いのだそうです。

 では、この「噛み合わない会話」をどうすれば解決できるのか?

 私との対話を通じて見えてきたのは、「相手の言葉をひとつの答えで片付けないこと」 でした。以下、実際のレッスンの音声を基に、ChatGPTに記事にまとめてもらったものです。


噛み合わない会話を解決するヒント

会話が噛み合わないことがある。そんな悩みを持つ人は少なくないのではないでしょうか?

相手の質問に答えても「違う」と言われたり、「なんで話が通じないの?」と指摘されたり。お互いに理解し合いたいのに、すれ違ってしまうことは、仕事でもプライベートでもストレスになりますよね。

今回は、そんな「噛み合わない会話」をどうすれば改善できるのか、実際の体験をもとに考えてみたいと思います。

1. 「察してくれ」に対応できないジレンマ

たとえば、上司に「この資料ある?」と聞かれて、「ここにありますよ」と答えたら、「違う、それじゃなくてラミネートされたやつがほしいんだよ」と言われる。

──「いや、それなら最初から ‘ラミネートされたやつ’ って言ってくれないとわからんやん!」

そう思ったこと、ありませんか?

しかし、相手の中では「言わなくても伝わるだろう」「察してくれるだろう」と無意識の期待がある。結果として、こちらが「的外れな答えをした」ことになり、噛み合わない会話になってしまうんですよね。

仕事の場面では、迅速で正確なやり取りが求められるため、「質問の意図を正しく理解しよう」とするあまり、私たちは すぐに答えを出そうとするクセ がついてしまいます。

でも、その「即答しなきゃ!」という思い込みこそが、すれ違いを生む原因になっているかもしれません。


2. すぐに答えない。キャッチャーのように「受け止める」

では、どうすればいいのでしょうか?

ここで出たのが 「バッターではなく、キャッチャーになれ」という発想 です。

  • バッター的な聞き方 →「すぐに返事をしなきゃ!」と先回りして答えを出す
  • キャッチャー的な聞き方 → まずは受け止め、ヒントを集める

たとえば、野球でピッチャーがどんな球を投げてくるかわからないのに、バッターとして先にバットを振るのは無謀ですよね。まずは、キャッチャーのようにじっくり構え、相手のボール(言葉)を受け止めることが大切なんです。

たとえば、こんな風に対応してみてはどうでしょう?

🔹 「ラミネートされたやつがほしい」と言われる前に、もう少しヒントを引き出す

✅「資料はここにありますが、特定のフォーマットのものが必要ですか?」

✅「このままで大丈夫ですか?それとも加工されているものですか?」

こうすることで、相手も「自分の言葉が足りなかった」と気づき、情報を付け足してくれる可能性が高くなります。


3. 「思い込み」を手放し、相手のペースに乗る

また、会話が噛み合わない原因のひとつに 「相手の話し方のクセを理解していない」 こともあります。

今回のケースでは、上司は感覚的に会話をするタイプ。相手が「何のことを言っているのか」を具体的に説明せず、飛び飛びの情報を投げかけることが多い。

一方で、こちら側は「論理的に整理して会話をしたい」というタイプ。だから、いきなり「これある?」と聞かれると「どの案件の?」「どのフォーマットの?」と混乱してしまうわけです。

🔹 解決策:「すぐに答えようとせず、ヒントを待つ」

たとえば、こんな対応が有効かもしれません。

✅ 「あれって?」と曖昧な言い方をされたら、しばらく聞き続けてみる

 → 相手は自分の中ではよくわかって話しているが、こちらには情報が足りない。少し待つことで、相手が補足説明をしてくれるかもしれない。

✅ 「ちょっと第2ヒントをください」と冗談めかして促す

 → 「これ?」「違う」「じゃあこれ?」と当てるのではなく、「もう少し手がかりがほしい」と自然に聞くことで、相手に説明を促せる。

こうやって、少し相手のペースに乗りながら、冷静に会話を進めると、無駄なすれ違いを減らせるかもしれません。


4. 「察してもらう」ではなく、「伝え合う」ことを意識する

もちろん、「察する力」も大切ですが、「伝える力」も同じくらい重要です。

今回のケースでは、上司の話し方のクセを理解し、こちらが「キャッチャーの姿勢でヒントを集める」ことで、会話のズレを減らせそうです。

でも、逆に「相手にもこちらの言葉の受け取り方を工夫してほしい」と思うこともありますよね。

会話はキャッチボールです。お互いに「伝え合う意識」を持つことが、噛み合う会話の第一歩なのかもしれません。

まとめ

✔ 「即答しなきゃ!」の思い込みを手放す

✔ バッターではなくキャッチャーの姿勢で会話を受け止める

✔ ヒントを引き出しながら、相手のペースに乗る

✔ 「察する」だけでなく、「伝え合う」ことも大切

この方法を意識するだけで、会話のストレスがぐっと減るかもしれません。

次に「噛み合わないな」と感じたら、ぜひ キャッチャーの姿勢 を試してみてくださいね!


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