「心地よい痛み」こそが、コンフォートゾーンを超える鍵だと気づく。挑戦と快適さのバランスを取ろう。
第2章 私を書き換える旅——本当の自由へ
2.1 広告費に追われる日々からの気づき──本当に大切なことを見つめ直して
売り上げが下がることは、正直とても怖かったです。でも、よくよく考えてみると、この売り上げを作るために、広告費として多額のお金を使っていたことに気づきました。つまり、私は「広告費を稼ぐために働いていた」のです。
毎月何十万円も広告に費やしていたのなら、それをやめれば、もっと自由な働き方ができるのではないか? そう考えたとき、私はようやく「売り上げ」よりも「利益」が重要なのだと実感しました。
そこでまず、自分が1ヶ月にどれくらいの生活費で生きていけるのかを計算してみることに。すると、「こんなに稼がなくても、十分生きていけるんじゃない?」と気づき、肩の力がふっと抜けました。
それまで私は、お金のことを税理士さんに丸投げし、「売り上げさえあれば問題ない」と思い込んでいました。税理士さんから「節税になりますよ」と勧められ、深く考えずに小規模企業共済に毎月マックスの7万円を積み立てていたのです。
しかし、あるとき収入が減り、貯金が少しずつ減っていくのを実感。そこでふと、「この7万円って何のために払ってるんだっけ?!」と慌てました。
改めて調べてみると、小規模企業共済は将来の退職金として積み立てられる制度であり、経費にも計上できるというお得な仕組みでした。ただ、当時の私には税金や節税の知識がほとんどなかったので、最初に感じたのは焦りでした。でも、こうして「お金の流れをきちんと把握すること」が、安心感につながると気づいたのです。
とはいえ、まだ若い私にとって、毎月7万円も積み立てる必要があるのか? そんな疑問が湧き、結局、積立額を減らすことにしました。「未来のための貯金」より、「今やりたいこと」に投資しよう! そう決めたのです。
そして、この気づきが「やってみたかったことをやろう!」という決意につながりました。
2.2 ステップ1──やってみたかったことを始める
習慣のシンフォニー、最初の始まりは、2008年の秋。すでに通っていたジムでパーソナルトレーナーをつけることでした。週1回のセッションで、本格的に筋トレに挑戦。
体験レッスンの際、20代の男性トレーナーに言われた一言が、私の中で衝撃でした。
「痛気持ちいいところまでストレッチしてください。」
ストレッチは「痛いもの」だと思い込んでいた私は、思わず「えっ、痛気持ちいい? ストレッチって痛いものじゃないんですか?」と聞き返してしまったほどです。
でも、この言葉のおかげで、ストレッチは「耐えるもの」ではなく、「心地よさを感じながら続けるもの」なのだと気づきました。そして、何事も長く続けるためには、言葉の選び方ひとつで感じ方が変わるのだということも。言葉の持つ力を、改めて実感しました。
トレーナーに「どんな体になりたいですか?」と聞かれたとき、私は「ケイト・モスみたいに、程よく筋肉のついた体になりたい!」と答えました。すると、トレーナーが私専用のメニューを組んでくれ、ジム通いは「ただの運動」から「目的を持った習慣」へと変わりました。
とはいえ、私はもともと継続力のあるタイプではありません。過去に英会話教室で大量のチケットを買ったのに、かなり余らせてしまったこともあります。人間関係も3年くらいで途切れがちで、「続ける」ということが、私にとっての大きなテーマでした。
そんな私がジムに通い続けられたのは、トレーナーとのやり取りが楽しかったのもありますが、何よりも「体が変わる喜び」を感じられたからです。
広告をやめたことで時間に余裕が生まれ、次に挑戦したのがボイストレーニングでした。
2.3 初めてのボイトレで感じた衝撃
ボイトレを始めた理由は単純で、カラオケで「歌が上手いね」と言われることが多かったから。もっと上手くなりたいと思い、ちょうど良い先生を探していたところ、以前ちょっとしたトラブルがあったクライアントさんが「いい先生がいる」と紹介してくれました。
そのクライアントさんとは一時期ギクシャクしていたのですが、しっかり話し合って仲直りし、結果的にこうして素敵なご縁をつなげてもらえたのです。この経験から、「人との縁は大切にすべき」と改めて実感しました。
2010年2月。初めてのレッスンは、ジャムセッションの日。ピアノの生演奏で歌えるという貴重な機会でした。私は自分の得意な曲を披露し、その心地よさに感動! そして、先生のエネルギッシュな指導に圧倒されました。
レッスンを受けた翌日、たった1日で自分の声が変わったような気がしました。それだけでなく、大きな声を出すことがこんなにも気持ちいいとは思いませんでした。
先生が言った「みんな、本当の自分の声を知らないんですよ。初めて大きな声を出したとき、本当の自分の声と出会えるんです。」という言葉が、深く心に響きました。
ボイトレを通じて、私はただ歌が上手くなりたかったのではなく、「本当の自分の声」を知りたかったのかもしれません。
こうして私は、広告費に追われる日々から抜け出し、自分の人生を見つめ直すことができました。そして、ジムやボイトレを通じて「やりたかったこと」に挑戦し、少しずつ「本当の自分」に近づいていったのです。
これは、単に新しいことを学ぶというより、「自分が持っているポテンシャルを広げる」という感覚でした。何でも新しいものを求めるのではなく、自分という器を大きくすること。それこそが、本当の自己投資なのだと思います。
■編集後記
ジムやボイトレに通う中で、単に新しいことを学ぶのではなく、「自分という器を広げる」ことこそが、本当の自己投資なのだ と気づきました。
もし今、何かに追われていると感じているなら、立ち止まって「本当に大切なこと」を見直してみるのもいいかもしれません。
新しい世界は、意外とすぐそばにあるのかもしれませんね。✨
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