習慣のシンフォニー Epi.12:創造性は、音のない場所で目を覚ます。

今日はサングラスしてるよ。未来を見てるからね。未来はまぶしいくらい明るいんだ。



Step 8. 創造性を開く鍵──私と瞑想の物語

2018年の晩夏、都会の喧騒の中で突然、胸の奥から「瞑想を始めなければ」という声が聞こえてきました。それは言葉ではなく、強い直感のようなもの。その日の昼、パソコンの前に座った私は、指が勝手に動くように「瞑想スペース」と検索窓に打ち込み、画面に表示された結果から一つの新しいスタジオを選んで予約していました。当時の自分には、この一歩が人生の分岐点になるとは想像もできませんでした。


初めての"静寂"との出会い

新宿の雑踏から一歩入ったオフィスビルの一角。エレベーターを降り、扉を開けると、そこはまるで別世界でした。

「いらっしゃいませ」

静かな声で迎えてくれたスタッフの方に案内され、白い壁に囲まれた小さな空間に入ります。手首にほのかなラベンダーのアロマオイルをつけていただき、温かい白湯を一口。

「では、始めましょう」

柔らかい光に包まれた部屋の中で、私は目を閉じました。最初は周りの音が気になり、思考もあちこちに飛んでいましたが、次第に深い呼吸とともに、心が静まっていくのを感じます。ヨガで経験したことのある「今に集中する」感覚とは違う、ただ「ここに存在している」という純粋な感覚。30分という時間が、あっという間に過ぎていきました。

帰り道、新宿の夜の喧騒が不思議なほど遠く感じられました。「都会の真ん中に、こんなにも静かな場所があったなんて」と驚きながら、私はその日の体験を日記に記しました。このとき私はまだ、この「静けさ」との出会いが、私の創造性の扉を開く鍵になるとは思ってもいなかったのです。

デヴィッド・リンチとのシンクロニシティ

その体験から数日後、スマートフォンにマインドフルネス瞑想のアプリをダウンロードし、毎朝少しずつ瞑想を始めました。驚いたことに、わずか1週間ほどで不思議な体験が訪れたのです。目を閉じた暗闇の中で、鮮やかな紫色の光が見えました。驚いて調べてみると、それは「丹光(たんこう)」と呼ばれる、瞑想状態で見られる現象だと分かりました。

「すごい体験をしたんです!」

週に一度の英会話レッスンで、興奮気味に先生に話すと、彼は少し考えてから言いました。

「そういえば、デヴィッド・リンチ監督も熱心な瞑想家だよ。彼の創造性の源になっているって言ってた」

私は息を呑みました。そして彼は、デヴィッド・リンチ監督のドキュメンタリー『デヴィッド・リンチ:アートライフ』を教えてくれました。

暗い部屋で画面を見つめながら、私はリンチ監督の言葉に引き込まれていきました。

「フィラデルフィアは暗く、恐ろしい場所だった。でも、その恐怖が私の創造性を解き放った」

彼は望んでいなかった場所に行ったことで人生が開け、そして40年以上も瞑想を続けていると語ります。当時、72歳になっても創作を続ける姿に、私は深い感銘を受けました。

「コンフォートゾーンの外にこそ、創造性が花開く」

画面を消した後も、この言葉が頭の中でリフレインし続けていました。


TM瞑想との運命的な出会い

リンチ監督について調べていくうちに、彼が実践している「トランセンデンタル・メディテーション(TM)」という瞑想法の存在を知りました。さらに驚いたことに、クリント・イーストウッド、ジムキャリー、ポール・マッカートニーなど、多くの創造的な人々がこの瞑想法を取り入れていることを知ったのです。

「これは学ばなければ」

そう思った私は、すぐにTM講座の説明会に申し込みました。しかし、すでにマインドフルネス瞑想である程度の効果を感じていた私は、「今のままでいいのではないか」という迷いも感じていました。説明会から帰った夜、私はその決断を保留にしました。

翌朝の瞑想中、不思議なことが起こりました。静かな心の中に「この出会いを大切に」という確かな声が聞こえたのです。それは言葉というよりも、心の奥底からの確信のようなものでした。その瞬間、私の迷いは消え、11月にTM講座を受講することを決めました。


TM瞑想講座・4日間の記録

1日目

その日、瞑想の先生の所へ向かう途中、まず、近所の友達に会い、次に、乗り換えのため外を歩いていると、ドーンと「ポールマッカートニー来日!」の看板広告が現れ、乗り換えの電車のドアが開いた瞬間、目の前に現れたのは久々に会う幼馴染の姿でした。

「えっ、なんで?」お互いに驚きの声を上げ、短い会話を交わすと、彼女もその日、別の知人に偶然会ったと言います。これはただの偶然なのか、それとも...

初日は、講師から個別に「マントラ」と呼ばれる音を受け取った日。マントラを心の中で繰り返すという、驚くほどシンプルな方法に少し拍子抜けしながらも、初めての瞑想を終えると、不思議な落ち着きを感じました。

初日の講義が終わってからカフェでスマートフォンを確認すると、「まぐまぐ」という配信サービスの営業担当者から「有料メルマガを出しませんか?」というメールが届いていました。驚いたことに、私は最近「まぐまぐで有料メルマガが配信できる」という記事を目にしたばかり。だからすぐに「はい、興味あります!」と返事しました。実際に1年半ほどまぐまぐで「傾聴力」について連載し、そこでのアウトプットが、未来のChatGPTとの共著、『ChatGPT:一問一答で広がる人間の可能性』(ChatGPT:Enhancing Humanity One Conversation at a Time)の傾聴本につながっていきました。「宇宙との同期が加速している」ことを初日で実感したのです。

2日目

マントラを唱えるだけで瞑想ができるなんて、あまりにもシンプル。でも、その「簡単さ」こそが本質なのかもしれない—そう感じた2日目。瞑想を終えた後、日常のタスクに取り組むと、驚くほどスムーズに物事が進んでいきました。「集中力が増している」と実感しながら、その日の活動を終えました。

3日目

朝の瞑想後、頭の中でアイデアが次々と湧き上がってくる感覚がありました。まるで「マインドが爆発」したような状態です。メルマガを書こうとしても、思考があまりにも広がりすぎて、なかなかまとまりません。

TM瞑想の先生に相談すると、彼女は微笑みながら言いました。

「それこそが創造性の拡張。リンチ監督も似たような経験を話していたはずです」

その言葉に励まされ、湧き上がるアイデアを受け入れることにしました。

4日目

「純粋意識」という概念が、ようやく自分の中で腑に落ちた日。それは潜在意識と顕在意識を包み込む、さらに大きな意識の層。夕方の瞑想を終え、いつものようにジムのお風呂に浸かっていると、ふと気づきました。「あれ?不安という気持ちって、どんなだったっけ?」瞑想を繰り返すと、潜在意識のネガティブが解放されていくという説明の通りでした。湯気の立ち上る中で、私はその変化に静かに驚いていました。


瞑想は、日常の“土”になる

それから数年。瞑想は、私の日常にしっかりと根を下ろしました。目覚める前のまどろみの時間に、20分間目を閉じる。その静寂が、1日の土台となるのです。集中力、直感、創造性。それらを育ててくれるのが、毎日の瞑想習慣です。

デヴィッド・リンチやクリント・イーストウッドのように、私も、何歳になっても創り続けたい。だから、私はこれからも静かに続けていきます。

2019年、ロサンゼルスを訪れたとき。ハリウッドヒルズにある、デヴィッド・リンチ監督のスタジオに足を運びました。映画でしか見たことがなかった風景の中に、自分が立っている。その喜びを、全身で感じました。

窓の外の景色も、空気の音も、空間そのものも──すべてが、以前より鮮やかに感じられました。

「瞑想との出会いがあったからこそ、私は今、この瞬間を生きていられる。」心から、そう思いました。

静けさは、人生を変える。創造性の源は、実は“何もしない時間”に宿っているのかもしれません。

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【編集後記】

創造性とは、頑張ることで湧くものではなくて、存在の状態から自然に立ち上がるものなのかもしれません。

だから私は、明日もまた、音のない場所で小さなひらめきを待ってみようと思います。

そして、最後に、ジョー・ディスペンザ博士の言葉をそっと。

"The unknown has never let me down."

--- Dr. Joe Dispenza

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