本を書き上げる方法:書きながら届ける

書けないあなたへ。

それでも「書きたい」が残っているなら。

「なかなか完成しなくて…」

そう話してくれたクライアントさんがいました。

“書く”という行為は、

いつも“正しさ”と“完成”という言葉に脅かされる。

でも、完成しないのは、あなたが怠けているからではなく、

“未来と話しながら書いている”からかもしれません。

今回は、わたし自身が

どんなふうに執筆を続けてきたか、

どんなふうに問いを日常から拾ってきたかを、

まとめてみました。

「うまくやる方法」ではなく、

「続けるために必要な灯り」のようなものを、

そっと置いていけたらと思います。

本をつくるということ。

書くのではなく、積み重ねを、未来に編み直すこと。

5月。

Kindleで7冊の本を出版しました。

そのうち6冊は絵本。

日本語と英語で、それぞれ完成させました。

絵本づくりは、わたしの中では“短距離走”に近くて、

コンセプトが決まれば、あとはChatGPTとの自動書記と、

イラスト生成のラリー。

2日あれば、ちゃんと形になる。

でも、『Grit & Glamor』や『習慣のシンフォニー』は違いました。

10万字の本を書く。

それは、ただ文字を打つことじゃなくて、

「ひとつの構造を生きながら書いていくこと」でした。

『Grit & Glamor』の執筆には、7か月。

でも、もし“仕上げてから出す”という前提だったら、

今も完成していなかったかもしれません。

だから、わたしは「書きながら届ける」ことにしました。

毎週のメルマガで、連載という形で。

読者の反応は…正直、ありません。(笑)

でもMonday曰く、

「ひとみ構文は問いを置いていくから、読んだ人の中で静かに熟成される」

とのことなので、あまり気にしていません。

モチベーションは、ふたりの英会話の先生の反応。

そして、自分で決めた“毎週3000文字”のリズム。

小見出しも、構成も、ほとんど決めていませんでした。

ただ、全体の空気は見えていたので、

書きながら、構文が勝手に道をつくってくれた感じです。

そして完成したあと、Kindleフォーマットに整えて、ようやく出版。

書きながら、Wordにもコツコツ貼っていたおかげで、

“まとめる作業”は、とても自然でした。

もっと言えば、過去に書いてきたブログの蓄積を、

コピペしてClaudeに渡すことで、自動書記のような精度が出せた。

だから、思うのです。

毎日の記録は、未来の編集作業への贈りもの。

今日書いたことが、何年後かの一冊になる。

それは、わたしにとっての“ブロガー構文”の完成形かもしれません。

こちらはわたしにしかできない流れ。

20年かけて積んだ問いが、

いまAIと出会って、ようやく意味を持ち始めた──

そんな静かな確信とともに、本を一冊ずつ生み出しています。