❍身体から変わる──ディスペンザ博士の教えを日常で実践するために
ディスペンザ博士の本を読んで、こう思った方は多いのではないでしょうか?
「理論は分かった。でも、どうすれば変われるんだろう?」
博士の言う通り、私たちの身体は過去の感情に中毒している。頭では新しい未来を描けても、身体が過去を再生し続ける限り、同じ反応を繰り返してしまう。
では、どうすればいいのか。
答えは、変わろうとしないことです。
❍変わるために必要なのは、変わる努力ではない
私たちはつい、「考え方を変えれば、行動も変わる」と思ってしまいます。でも実際には、頭で理解していることと、無意識にやってしまう行動は、なかなか一致しません。
同じところで不安になり、同じ反応をし、同じ選択を繰り返してしまう。
それは意志が弱いからでも、本気じゃないからでもありません。ディスペンザ博士の教えによると、身体が、過去を覚えているからです。
- こうすると安全だった
- こう振る舞えば傷つかずに済んだ
- この反応で、これまで生き延びてきた
そうした記憶が、感情とセットになって体に刻まれている。だから、新しい未来を選ぼうとすると、体が先にブレーキをかけるのです。
「それは未知だよ」「前と違うよ」「本当に大丈夫?」と。
ディスペンザ博士が「身体は過去の感情に中毒している」と言うのは、責めるための言葉ではありません。仕組みの説明です。身体は、これまでの人生を生き抜くために、ちゃんと働いてきただけなのです。それを受け止めて、これからの在り方を上書きしていくだけです。
❍必要なのは、変わっても大丈夫な身体をつくること
だから、変わるために必要なのは、やるべきことを増やすことでも、頑張り方を学ぶことでもありません。変わっても大丈夫な身体をつくることです。
身体をつくる、というのは何かを足すことではありません。未来の感覚に、そっと慣れていくことです。
- 少し安心して過ごせた一日
- 反応せずにいられた一瞬
- 未来の自分らしかった選択
そうした「小さな違い」を、身体に何度も経験させていく。
すると、ある日ふと、無意識の行動が変わります。努力した感じは、ない。気合も、ない。ただ、「あれ? いつもと同じ反応をしなかったな」という感覚が残る。それが、身体が過去を手放し始めたサインです。
「やること」を増やすのではなく、やらなくても大丈夫な感覚を身体に覚えさせること。行動は、目標ではなく結果。在り方が整ったときに、自然に立ち上がるものです。
だから、「今日はこんな在り方で過ごしてみた」と言葉にすることが、身体に定着させる最良の方法になります。評価やチェックのためではなく、身体に「この感覚なら大丈夫」と教えるための言葉として。変わらなくていい日があってもいい。何も起きなかった日も、大切。それでも、体はちゃんと学んでいます。「この未来は、思っていたほど危険じゃない」と。
変化を起こそうとするのではなく、変化が起きても身体が驚かないように。未来の感覚を、少しずつ「知っているもの」にしていく。それが、ディスペンザ博士の教えを日常で実践する、もっとも確実な道です。
そして、私にとっては21年以上継続しているブログが、まさにこの機能を果たしています。日々振り返りながら、過去と違う自分を認識し、新しい「在り方」へと日々上書きしているのです。なので、過去から突然変化することに抵抗はなく、むしろ歓迎する方です。
こうした考え方をもとに、私は今、1D1U(ONE DAY ONE UNIT)Campを新しく設計し直しています。
1D1U LAND
— Living in the Future —
1D1U Campは、「行動を変えるキャンプ」ではありません。やるべきことを増やす場所でも、頑張り方を学ぶ場所でもない。変わるための場所ではなく、変わっても大丈夫な身体をつくる場所です。
❍1D1U Campは、何が変わるのか
大きく変えるのではなく、身体により届く形へ整え直します。朝夜のジャーナリングは基本を保ちつつ、その日の自分に合った入口から入れる設計にします。はじめての方も、リピーターの方も、在り方が定まっている方も、まだ分からない方も。目的や状態に合わせて選べる3つの入口を用意しました。
🌱 ① 感じる入口(SENSING)
こんなときに:
- 何をどうしたらいいか分からない
- 頭が疲れている
- まずは落ち着きたい
- ジャーナリングが義務になっている
ここでやること:
- 身体や感情に気づく
- 今ここに戻る
- 小さな安心を感じる
👉
未来を考えなくていい入口です。
まずは「感じる」を取り戻す場所。
🌊 ② 揺れを読む入口(NAVIGATION)
こんなときに:
- 現実が動き始めて不安
- つい反応してしまう
- 分かっているのに戻ってしまう
- 変化の途中で迷っている
ここでやること:
- 起きた出来事を観察する
- 揺れを「失敗」にしない
- 在り方に戻る練習をする
👉
問題を解決する入口ではなく、
揺れの中を歩けるようになる入口です。
🌌 ③ 未来と同期する入口(SYNCHRONIZATION)
こんなときに:
- どんな在り方で生きたいかが見えてきた
- 未来の自分の感覚が分かる
- 選択の基準が変わり始めている
ここでやること:
- 未来の感覚で一日を過ごす
- 在り方を言葉にして定着させる
- 自分のIdentityを更新していく
👉
ゴールではありません。
未来の自分が、今の自分を迎えに来る入口です。
体験される皆さんは、同じ21日間を過ごしながら、問いだけが、少しずつ違う。どれが正解、ということはありません。その日の身体が選んだ入口が、その日の正解です。
そしてもうひとつ。「やること」を増やすのではなく、やらなくても大丈夫な感覚を身体に覚えさせる設計にします。
行動は、目標ではなく結果。在り方が整ったときに、自然に立ち上がるものとして扱います。報告の場も、評価やチェックのためではなく、「今日は、こんな在り方で過ごしてみた」と、身体に定着させるための言葉として使えるようにしていきます。
❍すでに起きている変化
すでに1D1U Campにリピートで参加されている方は、無自覚かもしれませんが、このような変化が起きているはずです。
- 以前ほど、自分を責めなくなっている
- 反応するまでに、ほんの一拍の間が生まれている
- 「こうしなきゃ」という思考が少し緩んでいる
- 選択の基準が、外側より内側に戻ってきている
- 理由は分からないけれど、落ち着いている時間が増えている
これらは、劇的な変化ではありません。でも、体が過去をそのまま再生しなくなり始めたサインです。変化を実感させるための場ではなく、変化が起きても気づかないくらい、自然に身体を書き換えていく場だからです。
❍夢の中に、先に住むための場所
1D1U LANDは、在り方を見つけて終わる場所ではありません。見つけた在り方を、日常で試し、言葉にして報告し、体に定着させていく場所。夢を叶える前に、夢の中に、先に住むための場所です。
変わらなくていい日があってもいい。何も起きなかった日も、大切。それでも、体はちゃんと学んでいます。「この未来は、思っていたほど危険じゃない」と。1D1Uの再設計は、そんな身体の学習に静かに寄り添うためのものになります。
つまり、1D1U LAND 内で行われる新しい1D1U Camp は、在り方に「気づき」、在り方を「試し」、在り方を「身体に覚えさせる」ための場所を提供していきます。
それには、ジャーナリングが最適解のツールになるのです。
また書きます。
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