ちゃんと返事しなくちゃ、と思うプレッシャーから解放される。

 仕事のメールの返事を色々と考えるのに時間がかかってしまうので、すっと出せるようになるにはどうしたらいいか? というのが1つ目のテーマでした。

 現状としては、「案件+相手を応援する言葉」みたいな感じで、特に相手が素敵なフレーズを書いているときこそ、こちらもちゃんと返さないとと思い、ひとひねりを考えるのが大変だそうです。また、相手から自分のしたことに感謝されたり、褒められたりというときも、難しくなるようでした。

「それって、そのまま『それを聞いて嬉しいです』とか、『お役に立ててよかったです』って、感じたことの事実を伝えればいいんですよ。相手がいいこと書いているからって、こちらもプレッシャーになる必要ないですよ。(笑)」

 クライアントさん、「あ、そうか」(笑)となっていました。何が難しくしてしまっているのでしょうか? 

 さらに、返事を書くことに構えているというのもあり、家に帰ってからPCの前に座り返事を書いていたそうです。そこまで改まっての作業となると、脳にとって「大変な作業だ」と感じて、ますます辛くなります。返信くらいの分量でしたら、電車の中でやったり、ランチの食後休憩中にさっとスマホで返信したり、ながらでできるものです。隙間時間を使ってやるほうが、軽い作業と脳も記憶するでしょう。

 

 そして、2つ目のテーマになりました。これもコミュニケーションのことで、実は二つとも根底では同じフォーカスによる悩みだったのです。

「言い返し方をしなくてはいけない=偽りの自分」発信ということです。発信する相手とテーマが絞られているときは、楽しく伝えることができるのに、仕事で年上だったり、自分で信念をもってやっている人の前になると、卑屈な自分がでてきてしまうループになっていました。いいことを返さなくちゃ、と毎回偽りの自分になっていると、そりゃ疲れます。素直に感じたことを伝えればいいのです。

「凄い方だなと思いました」クライアントさんが言いたかった本当のことは、こういうことです。そのままでいいのではないでしょうか! 卑屈な自分になっているとき、相手から搾取しているだけで、自分は与えられていないのではないか? という気持ちにもなっているようでした。

 そんなことありません。自分がどう言えばいいか? と自分目線で考えるよりも、相手のいいところを感じたままに伝えることで、毎日がラブレターのようになるのです。

 クライアントさんは、遠藤周作さんの手紙の書き方の本を読んで、「相手のことを思うことっていいなぁ」と感じたばかりだったそうです。先に潜在意識は気づいていましたね。


 自分が何かいいことを言わないと、と考えてばかりだったので、昔の私は英語ができなかったのだと振り返って思います。傾聴の勉強を経たからこそ、今、英会話が楽しいのです。相手が何を話しているのかが分かれば、返す言葉もわかっていくからです。