クライアントさんが、あるインストラクターになるために、教え方の指導を受けているそうです。初めて、人に教えるということもあり、苦戦しているようで、「1分で済むところが、3分の説明になっている」など、教えるときに色々としゃべってしまうので長くなってしまうのだそうです。先生からは、「強調するところを押さえて、簡潔に」とは言われるようですが、どこを削ったらいいのか?迷っているようでした。
「伝えたいことがいっぱいあるのだと思います。自分が生徒だったら知りたいだろうなと思うこととか、もっとこうしたらやりやすくなるとか、うまくできるとか」
「自分が話したいからという理由で、人に話すことを決めているわけですね。しかし、みんなが知りたいことは、次にどうやるか?ですよね。もし、もっと知りたいことがあったら、質問してきてくださいと言う形にすれば、短くなりそうですね。自分が知りたいというよりも、今目の前の人を観察しながら、今必要と思うことを伝えていけばいいのではないでしょうか? 教えるとき、相手を観察して、そこに対して必要なことを言っていくと、相手も入りやすいですよね」
クライアントさんは、今までの仕事では、自分がミスなく確実にやることが大事なことのようだったので、結果にフォーカスすることが普通のようでした。教えるというのは、プロセスを見ることですので、今回、人生初挑戦と言っても過言ではなさそうです。
「自分が知りたいから、相手も知りたいだろう」というところもあるかもしれませんが、相手を観察して、今これが知りたいだろうということを、ピンポイントで教える。そうすると、教える時間も短縮されると思います。自分が学んだことが、相手を目の前にすると自然にポンと出てくることを信じてみましょう。
このほかにもいろいろとトピックが出てきたセッションだったのですが、すべてが「よく見ること」が課題でした。丁寧によく見ないで、無意識になっていることが多かったのです。
なぜだか味付けが上手くできた料理も、そのとき何をどれくらい入れたのか? 何分だったのか? とその都度意識をしていなければ再現できず、「たまたま美味しくできた」ことになってしまうのです。
自分がやっていることをまずは意識していくこと。自分観察ができるようになったら、相手の観察も細かくできるようになるでしょう。教えるときだけでなく、日頃の自分のやっていることの意識化が、教え上手にもつながっていくのです。
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